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少年は海岸や洞窟で戦う

久しぶりのソロです


引き続き、海岸でリザのスキルレベル上げ。フナムシ二体を倒した俺たちは、岩場を歩いていた。


「しかし、全然採取ポイントが見つかんないな。少しくらいあってもいいはずなのに」

「ぎゅう?」

『?』


うーん、こいつらだと意思の疎通が取れないから、ちょっと寂しいな。ま、返事があるだけマシか。


「ん?あれは・・・蟹か」


遠視で敵の姿を捕捉する。体がサッカーボール大の蟹が四匹、集まって泡を吐いている。甲殻は堅そうで、俺の蹴りでは全くダメージを与えられないだろうな。

狙い目は脚の関節、急所もそこになっている。脚が無くなっちまえば、移動も攻撃もろくに出来ないからな。


「んじゃ、さっきと同じで。お前は俺から離れるなよ」

「ぎゅん!」

『Yes』


俺はゴーレムに乗って、一番近い蟹に飛び蹴りをかます。節目に爪先を蹴り入れると、千切れて地面に落ちた。後で拾っとこう。


「・・・!?」

「「「ぶくぶくぶく...」」」


そのままゴーレムを操って、右側の脚に突き刺す。残りの蟹たちが泡を吐いてくるが、ゴーレムを盾にして攻撃をやり過ごす。

さっきの飛び蹴りで、この脚甲の正しい使い方が分かったような気がするな...。早速試してみよう。イメージは弓、弦を引くように脚を引き絞って力を爪先一点に溜める。狙うは、俺に向かって攻撃してくる、蟹の鋏の下にある節目。


「ふっ!」


力を一気に解放して、矢に見立てた脚を放つ。狙い違わず蹴りは節目に命中し、一撃で脚を吹き飛ばす。ゴーレムで他の脚も斬り、そこら辺に転がしておく。

蹴りの力を全て爪先に込めて、急所を狙い蹴る。Strを補うための一点特化。それが俺の蹴りのスタイルだ。

そうと分かれば、それだけを極めていくか!ちょうど、敵がやって来てるしな。ていうか、何で四体もいるんだよ!?今更だけど!


「「「・・・!」」」

「おっとっと。そいや!」


三匹に囲まれて鋏で襲われるが、攻撃は単調なので避けやすい。ゴーレムを割り込ませるのだって、お手の物だ。

右側からの攻撃はゴーレムで弾き、左側からの攻撃は躱してカウンターをぶち込む。サッと脚を引いて、一体の脚を蹴っ飛ばす。


「・・・!」


泡を吐かれちゃ敵わないので、ゴーレムを一回しして囲いを崩す。俺が脚を飛ばした奴は除いてな。

脚が無くなりオタオタしていたので、俺とゴーレムで二つの鋏を突くと、千切れてどこかに飛んでいく。やっぱり、俺が操作したほうが格段に鋭いな。


「「・・・!!!」」


おお、怒ってる怒ってる。泡の量が三割増だ。ゴーレムを盾にして泡が止むのを待っていると、リザが飛んできてブレスを吐く。火に炙らるのを嫌がって、リザに向かって泡を吐き出す蟹たち。すぐに引いたので、遅い泡は命中しない。


「どっせい!」


先にゴーレムを飛ばして、死角から蟹を襲う。ゴーレムを自慢の殻で防いだのまではいいが、俺の攻撃は分からなかったようだ。鋏を飛ばされ体勢を崩し、ゴーレムで殻ごと叩き割る。

残りは一匹、後は簡単だ。ゴーレムと両側から同時に攻めて、脚を蹴り飛ばす。蹴りと突きを勢いよく連発し、蟹をダルマのようになった。ゴーレムを叩き付けて、再び柄頭を蹴り下ろす。ようやく戦闘が終わった...。


「えっとHPは・・・うん、さすがDex極振り。全部、ギリギリ残ってるな」


いくら殻が割れたといっても、それだけでは蟹は死なない。もっと力を入れて蹴り込まないとな。まあ、脚がなくなってるから、動くに動けないよなー。


「リザ、焼蟹にしちゃいなさい!ミソを食べてもいいぞ!」

「ぎゅー!」


蟹にのっかって、割れた殻の間からブレスを吹き込む。中身は堅くないので、すぐにHPは0になった。

次々に蟹に乗っかって、ブレスを吹いていくリザ。時々殻の中に頭を入れ、中身を頬張っている。


「ふう...。脚は残っているかなーっと・・・ああ、全部なくなってる。ドロップは・・・おお、こっちに入ってたか」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 コーストクラブの殻

レア度 3


海岸に住んでいる蟹の甲殻。かなり堅く、物理ダメージを軽減する。


名前 コーストクラブの脚

レア度 3


海岸に住んでいる蟹の脚。中に身が詰まっていて美味。


名前 コーストクラブの鋏

レア度 3


海岸に住んでいる蟹の鋏。蟹だったころは、人の指をへし折るほどの力にも耐えれる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


使い道、あるかなー?情報は流したから、もうすぐ人が来るだろうし...。早めに売っておこう。・・・脚は少し残しておこう。


「ぎゅーん!」

「お、食べ終わったか。スキルレベルはどうなってんのかなー」


リザのスキルは、『噛みつきLv6 飛行Lv9 ブレスLv8 姿勢制御Lv3』というふうになっていた。道理で、飛ぶのが上手になっているはずだ。


「もっともっと成長して、強くなってくれよなー。俺を乗せて飛べるくらい、大きくなってくれよー」

「ぎゅん!」


ゴーレムも、そろそろ強化してもらおうかな。元の武器が強い程、ゴーレムの性能も上がるらしいし。


「お前も強化してもらうか。それとも、新しく作ってもらった方がいい?」

『I follow master』


意見を聞いたのに、俺に従うって言われてもな...。意思がないだけかもしれないけど。とりあえず、強化でもしてもらいましょうかね。


「んじゃ、引き続き敵を倒しましょうか。それにしても、モンスターは蟹とフナムシしかいないのか?」


まだ情報は出てないから、実際に見て確認しないといけないんだよな。前線組の辛いところだよ...。






モンスターを倒しつつ、岩場を探索していく。道中、何個かのアイテムを見つけたので、後でちゃんと確認しておこう。

潮溜まりに足を踏み入れたとき、グニュンと岩でない物を踏む。恐る恐る足下を見てみると、大きなイソギンチャクを踏みつけていた。触手が足に絡み付いてくる。

慌てて足を引きはがす。幸い、脚甲に阻まれていたようで、ダメージは入っていない。足を引くのが少し遅かったら、死に戻ってたかもしれないな。もうすぐで破られるところだったようで、MPを勝手に使って修復している。

とりあえず、ゴーレムで何度も突いてみる。抵抗らしい抵抗はせず、イソギンチャクはすぐに崩れていった。


「何だったんだ、一体...。HPバーが無かったから、モンスターではないみたいだけど」


罠だったのかもな。一瞬、動けなくなったし。戦闘中に引っかかったら、ちょっと面倒くさそうだ。潮溜まりには、足を入れないようにしよう。


「それにしても、出てくるモンスターがまったく代わり映えしないな。飽きてきたぞ...」


たまに蟹が集まってる事があるけど、あれは何をしてるんだ?集会?経験値が稼ぎやすいから、こっちとしては都合がいいんだけど。



ゴーレムを強化するためには鉱石が必要だから、ドワールの方に行ってみようかな。鉱石をとるには、ピッケルがいるんだったっけ。海岸にも何個か、釣りポイントがあったから、今度来る時は釣り竿を買ってからこようかな。


「そうと決まれば、さっさと移動しちゃいますかね。リザ、移動するぞー!」

「ぎゅー!」


海岸での取得物:コーストクラブの殻&脚&鋏 コーストスレイターの甲 コンブみたいな海藻 何かの貝殻 漂着していたヤシの実?






グラーディーに戻り、ゲートでドワールに向かう。道具屋でピッケルを十本買ってから、新しいエリアへと出発する。


ドワールの先は、俺とダートが入ってきた入り口の洞窟のように、中央の道は使われている。分かれた小道はエリア中に広がっていて、探索に苦労しそうだ。とりあえず、しっかりとした道を進んでいこう。

明るい道の採掘ポイントは、ほとんど生産組で埋まっていた。まあ、戦わないで鉱石を取れるんだから、集中するのも無理ないか。諦めて、枝分かれした小道に入ろう。



魔力感知に気を配りながら、暗い小道を進んでいく。明かりを用意してくれば良かったな...。

しばらく歩いていると、二匹のモンスターが俺に向かって接近してくる。結構早い、ゴーレムを前に出していつでも蹴れるよう構えておく。


「「キィィィィ!」」


二匹のコウモリが飛んでくる。そのまま俺に噛み付こうとするが、上の方にいたのはゴーレムで。下の方から来たのは俺が蹴りで迎撃する。


「キィ!?」


俺の蹴りは命中したが、ゴーレムの攻撃は躱されてしまう。自分の方のコウモリに、意識を集中し過ぎたか!

ステップで後ろに移動するが、無理な体勢で動いたので転んでしまう。コウモリが俺の首に噛み付こうとしたその時、


「ぎゅー!」

「キィイ!?」


俺の後ろからリザが現れ、コウモリを奇襲する。体当たりを喰らわせて、そのまま地面にコウモリを叩き付けるリザ。頭に噛みつき、直接ブレスを吐く。そのまま抵抗は出来ず、HPは0になった。


「ふう、危なかった...。助かったよ、リザ」

「ぎゅ!」


ドロップアイテムが入ってくる。ケイブバットというらしい。ドロップアイテムは牙、他にも落としそうだな。

その道を進んでいくと、壁に採掘ポイントがあったのでピッケルを取り出す。ここに叩き付ければいいんだよな。Strとかはいらないと思うけど・・・とりあえずやってみよう。せーの、


鉄・鉄・鉄・鋼鉄・鉄・鋼鉄


合計六回、採掘することが出来た。多いのか少ないのかは、判断しかねる。後で掲示板で確認だ。

鉄と鋼鉄しか出なかったわけだが...。確か、今主流の武器は鋼鉄だったな。次はどんな鉱石を使うんだろうな。砂鉄を集めて、玉鋼でも作るんだろうか。まあ、俺にはあまり関係ないな。クロスボウの材料は木が中心だし。あ、でもアーバレストってやつは、弦に金属を使うんだっけ。そのうち作ってもらおう。


そのままさらに道を進んでいって、時折採掘ポイントから鉱石を採る。出てくるのは大抵鉄か鋼鉄だが、たまに宝石の原石というものが出てくる。研磨すれば、宝石になるのかな?これも天火さんにお任せだな。

コウモリの他にもモンスターは出てくる。ミミズと岩っころだ。ミミズは普段地面に潜んでいて、人が近づいてくると地面から奇襲してくる。魔力感知で場所は分かるんだが、天井や横の壁からも襲ってくるから気を抜けない。大量に出てきたら、対処に苦労しそうだ。ドロップアイテムは、食べたらしい鉱石。正式名称はケイブワーム。

岩っころは何個か岩が浮いていて、土魔法を使ってくる。中に核みたいなものがあって、そこを攻撃できれば一発で倒すことができるから、俺にとってはあまり脅威ではない。岩の隙間から、蹴りを入れられるからな。ドロップアイテムはこちらも鉱石、たまに核を落とす。正式名称はアース。そのまんまだな。


「もういい時間だし、そろそろ戻るか。鉱石もけっこう集まったしな」


マップを出して、道を確認する。進むのは適当に行けたけど、帰りはマップを見ないと絶対迷う。分かれ道に差し掛かったら、逐一確認しないとな。


洞窟での取得物:鉄 鋼鉄 宝石の原石 ケイブバットの牙&翼 アースの核






クレセントに戻った俺は、天火さんの露店に直行する。まだ露店にいればいいんだけど...。


「ん、テルじゃねぇか。まだクロスボウは完成してないぞ」

「まだいてくれましたか!ありがとうございます!」

「うお!?なんだよ、いきなり...」

「ゴーレムを強化してほしいんです。鉱石はこっち持ちで」

「ああ、そういやまだ強化してねぇな。鋼鉄はあるか?」


持ってる鋼鉄と、取ってきた素材をまとめて渡す。


「コースト?海岸のほうに行ってきたのか。でも、エルフィとかから行けるのはビーチだったはず...。グラーディーの方か?」

「はい、そっちにも海のほうにいけたので、軽く見てきました」

「その後、ドワールの洞窟に向かったってわけか。見せてくれたのはありがたいが、今んところは使わないな。鋼鉄だけもらうぞ」

「いくらですか?」

「そうだな・・・この原石をくれれば、タダにしてやるぞ」

「いいですよ、あっても使いませんし」


鋼鉄と原石とゴーレムをを天火さんに渡す。ゴーレムのウィンドウを開いて、すぐに強化は終わった。


「ほら、+5になったぞ」

「おお、けっこう上がるんですね」

「スキルレベルも上がってるし、鋼鉄の量もそこそこあったしな。まあ、こんくらいが妥当だろうよ」

「そうっすか。そんじゃ、失礼しますね。クロスボウは頼みましたよ」

「わーってるよ、安心して待っとけ」


その後すぐに、俺はログアウトした。明日は、どこに行こうかね。皆でドワールの方に行くのもいいかもなー。


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