表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/47

少年は二人、メンバーを見つける。

一話でメンバーが見つかっちゃいました...。


中央にいてもやることがないので、木材を天火さんに渡しに行く。どうやら今日も勧誘は来てないようだ。


「よう、テル。ちゃんと木は取ってきたか?」

「いっぱい取ってきましたよ!関係なさそうなやつも、しっかりとね!」


アイテムボックス内にある木材をピックアップしていく。それを見た天火さんは、


「・・・うん、こんだけありゃ十分だ。クロスボウを貸してくれ」


エイムシューターを実体化して、天火さんに渡す。ウィンドウが出現し、しばらくそれを操作した後、


「よし、これで強化は終了だ。確認してくれ」


天火さんからエイムシューターを受け取る。名前の最後に、+5がついていた。思ったより簡単なんだな。


「強化はな。製造は、もっと複雑な工程を挟むんだぞ」

「失敗することもあるんですか?」

「ああ、あるぞ。失敗したら、素材の全損と強化の逆、マイナス補正がかかる。−1とか2ってな。鍛冶のスキルレベルが低いと失敗し易い。後、武器や素材のランクも関係あるな」


俺には、とてもじゃないが無理そうだな。細かすぎる。


「しかし、またたくさん採ってきたな。どこらへんで採ったんだ?」

「えっと、エルフィから東に向かう道中です。ドワールのほうに行く道ですね」

「ああ、あの道か。北には行けたか?」

「いえ、主がいるとかで行きませんでした。レベル25からが推奨みたいですし」

「そこはβテストと同じだな。そのまま荒野に行ったのか?」

「はい。そういえば、βテストではどこまで行ったんですか?」

「ちょうど荒野までだったぞ。あそこで時間切れになっちまったんだよなー」

「へー、ボスが強かったりでもしたんですかね」

「さあ、俺は行ったことがないから分からん。調べてもないからな」


そりゃそうか。兄貴たちにでも聞いてみるかな。今までは情報なしでいけたけど、これからは厳しそうだ。


「エントの素材はまだ使えないんですか?」

「まだ無理だな。もうちょい強化しなきゃな」

「そうですか...。素材は?」

「こんどはモンスターの素材なんだけど、見たことがないやつばっかりだ。βじゃ行けなかったところの素材だろう」

「そうですか...。ダートの石剣は、強化できますか?」

「出来ると思うぞ。ダート、見せてくれ」


今度はダートが剣を実体化する。これ、天火さんは持てるんか?


「よっと。相変わらず重いな...」

「持てるのかよ!?」

「まあ、鍛冶を取ってるからな。Strにはそれなりに振ってる。Dexにも振ってるから、ダートには負けるがな」


そりゃそうだ。


「お、強化出来るぞ。ゴーレムの岩ってあるか?」

「ありますけど...。ゴーレム倒した時に出た素材は、鉱石とその岩だけでしたから」

「ん・・・結構ある」

「よし、あるだけ出してくれ。ほら、テルもだよ!」

「え、俺もですか!?まあ、使い道はないですからいいですけど」


今度はゴーレムの岩をありったけ出す。またもやウィンドウが出現し、それを操作する天火さん。


「ほら、出来たぞ」


ゴーレムの石剣が、ゴーレムの石剣+3になった!もしかして、これから強化するにはゴーレムの岩が必要なのか?面倒くせぇ...。


「その・・・次、強化に必要な素材は何なんですか?」

「えっと次は・・・またゴーレムの岩だな」

「そ、そうですか...。はあ...」

「・・・面倒」

「まあ、しょうがねえよ。ボスドロップの武器なんて、そんなもんだ」

「そんなもんですか...。それなら、俺は天火さんの武器でいいです」

「私はこれでいい・・・もう一本くらいほしいけど」


そうなんだよな...。足りないStrはどうにかなるけど、石剣並みの重さと威力がある武器がないもんか...。


「作れませんかね?」

「うーん・・・今の段階じゃ、まだ厳しいかな。もっと素材が集まって、鍛冶レベルが上がれば出来なくもないけど」

「そうですか...。しばらくは、一振りで我慢するしかないな」

「ん・・・もしかしたら、またボスで出るかも」


ボスドロップを狙うってことか...。難しそうだけど、出来なくもない案だな。


「とりあえず、荒野のボスを倒しに行くか。目指せ、初撃破!」

「武器が出たら見せてくれよ」

「ん・・・頑張る」


さて、目標も定まったことだし、もう一度荒野に行ってレベルでも上げるか。ボス部屋探しも兼ねてな。


「つーわけで、レッツゴー!」

「おー」






中央広場のゲートに行くと、ちょうど帰ってきたところなのか、クレイたちと会った。


「おー、クレイ。久しぶりだな」

「テル、お前今までどこ行ってたんだよ!全然見かけなかったぞ!」

「お、テルじゃないか。後ろのが、パーティーを組んだって子か?」

「こんにちは・・・ダートです。大剣を使ってます...」


兄貴たちの後ろから、二人の男性がやってくる。どっちもローブを着てるから、魔法と回復担当なんだろうな。


「この人たちは?」

「ああ。うちの残りのパーティーメンバーだ。こいつがタトスで、こっちがトネルだ」

「よろしくおねがいします」

「よろしくな!」


タトスさんは、なんと言うか地味な感じだ。没個性とでも言えばいいのかな。トネルさんは眼鏡をかけているので、まだキャラが立っている。初対面の人に、何言ってんだってとは言わないでくれ。


「テルたちは、これからどうするんだ?」

「エルフィの先の荒野に行って、レベルを上げに行ってきます」

「なら一緒に行かないか?俺たちも、そっちに行こうとしてたんだよ。メンバー数的にも、ちょうどいいし」


大人数での狩りか...。興味はあるけど、ダート次第だな。


「どうする?人数が増えれば、敵も多くなるけど...」

「・・・別行動は、アリ?」

「ん?どういうことだ?」


あー、なるほど。確かにそうすれば、実質いつも通りだな。


「えっと、パーティーは組むけど、俺とダートは別の場所で戦闘してもいいかってことだな」

「いや、意味は分かってるけど...。それじゃあ、パーティーの意味ないだろ」

「・・・うん、まあ俺たち二人でも、別に問題ないからな。敵は多くても四体だし。多分、もっと増えても大丈夫だと思う」

「そうなのか...。まあ、どういう風に戦ってるか、見せてくれるんならいいぞ」

「俺はそれでOKだ」

「そのくらいなら...」

「よし、そうと決まったら早く行こうぜ!」


クレイがゲートに突っ込み、タトスさん達は苦笑いをしながら後を追う。俺たちも行くかね。






「ふんふんふん!」

「よっと、はっと、ほいっとな!」


12体も出てきた骸骨達を、ダートが蹴散らしていく。俺も次々に矢を装填し、連続で撃ち続けていく。


「いやー、楽しいな!こんなに敵が出てくるなんて、パーティーも中々いいな!」

「ん・・・モンスターいっぱい、楽しい」


次々に出てくる敵を、ばったばったとなぎ倒す。そんな俺たちを見た兄貴達は、


「なんというか・・・無茶苦茶だな」

「あのダートって女の子、すごい勢いであんなデカい剣を振ってるぞ...。どうなってるんだ?」


と、まあ予想通りの反応だ。しっかし、モンスター数がパーティー人数×2となるのは止めてほしいもんだ。俺たちじゃ、4体までしか出ないじゃん。


「終った・・・本当に、楽しかった」

「そうだな、かなりスッキリした。ストレス解消になるなー、これ」


敵を殲滅を終了したので、兄貴達のほうに戻る。惚けているけど、大丈夫なのか?


「兄貴ー、終ったよー」

「・・・お、おう!そうか!すごいんだな、二人とも」

「ま、ふざけて極振ってるわけじゃあないしな。ボスだって、二人で倒せるんだし」

「その人も極振ってるのか!?」

「Strだよ。俺と違って、かなりちゃんとしてるけどね」

「Dex極振りなんて、気が狂ってるとしか思えないもんなー。しっかりやれてるようで、俺も安心したよ」

「だから戦闘が見たかったのか。それならそうと、言ってくれれば良かったのに」

「恥ずかしいだろ!じゃあ、俺たちは他所で戦闘してるから、二人も頑張れよ!ログアウトしたいときは、勝手にパーティーを抜けていいからな!」

「分かった、兄貴達も頑張ってな!」


そうして、俺と兄貴達は分かれた。さて、せっかくの期待を無駄にしないよう、精一杯モンスターを狩りますかね!




どんどん出てくる敵を、がんがん倒していく。サボテンも蠍も蜥蜴も、みんな基本的に10体以上で出てくる。敵が多いのは経験値的にも戦闘的にも嬉しいのだが、さすがにちょっと疲れてきた。


「ここらへんで、一旦止めておくか?時間もいい具合だし」

「・・・もうちょっと、やりたい。極振りが集まるのは、きっと遅い...」

「そうだろうな。じゃあ、後数回だけだぞ」

「ん・・・分かってる」


ちょうど良く骸骨たちが見つかったので、ダートを剣に乗せつつ撃っていく。かなりの戦闘をこなしているはずなのに、まったく勢いが衰えないダート。あいつのスタミナは無尽蔵なのか?


ダートが骸骨に斬り掛かろうとした時、どこからかいくつもの火球が飛んでくる。ちょ、横殴り!?誰だよ、マナーを守らない奴は!?

火球が連続で爆発し、骸骨達は一撃で屠られていく。あれって、火魔法スキルで一番最初に覚える、ファイアーボールだよな?何でそんな魔法で、骸骨を一発で倒せるんだ?


「おっし、全滅!」

「きゅ、急にステップしださないでよ、姉さん!一体どうしたの!?」

「いやー、何か敵がいっぱい集まっててなー。レベル上げにちょうどいいだろ?」

「敵がいっぱいって...。あれ、他の人が戦ってた敵だよ?勝手に倒しちゃ駄目じゃん!」

「あー、そうだったのか」


こっちに近寄ってくる二人組。タトスだんとトネルさんみたいにローブを着てるから、魔法攻撃と回復を使う人たちみたいだ。


「悪い悪い、ちょうどいい獲物がいたから、ついな?」

「本当にすいません!姉がモンスターを倒してしまって!」

「もういいよ、謝ってくれたしね。ダートもいいよな?」

「ん・・・敵は他にもいる」

「ありがとうございます!ほら、姉さんも!」

「本当に悪かった!この通り!」


頭を下げる姉。まあ、元からそんなに気にしてないから、そこまで謝られても逆に困る。


「しかし、すごい威力の魔法だったな。一体どうやったら、あんな威力が出るんだ?」

「それは教えられな「Intに極振ってるんですよー」こら、フルン!何で簡単にバラしてんだよ!」

「そう簡単に真似なんてできないんだから、勿体振る必要はないでしょ。まったく、お姉ちゃんは...」


姉妹漫才に興じている二人だったが、俺には全く内容が入ってこない。こいつ・・・極振りだって?しかも二人。ダートと一緒に引き止めに入る。


「ちょっとお話、よろしいか?」

「事情聴取・・・人の獲物を奪ったことについて」

「うえ!?ゆ、許してくれるんじゃなかったのか!?」

「それとこれとは、話が別だ。エルフィまで一緒に来てもらうぞ」

「もー!だから、いっつも周りを見てって言ってるのにー!姉さんの馬鹿ー!」

「早く行く・・・悪いようにはしない」







エルフィにある適当な喫茶店に入る。こういう話をするときは、喫茶店が一番だ。


「さっきは横殴りについて問いつめるとか言ったが、あれはここに来てもらうための方便だ」

「ってことは、怒ってるわけじゃないんだな?」

「悪いな、嘘をついて。どうしても話をしたかったんだ」

「えっと、テルさんでしたよね。事情聴取じゃないなら、一体どんな用なんですか?」

「単刀直入にいうぞ。俺たちとパーティーを組んでくれ」


二人は驚いたようで、お互いに顔を見合わせる。んー、反応としては悪くないな。即拒否よりは全然マシだ。


「えっと、さっきフルンから聞いたよな?私たちは、Intに極振ってるんだぞ?一発攻撃を受けたら、やられるくらい紙装甲だぞ」

「そこらへんは、心配しなくていい。俺たちも同じだからな」

「え、そうなのか!?テルは何なんだ?」

「俺はDex、ダートはStrだ。だから、バランスが悪いとか考えなくていいぞ」

「そうなんですか。うーん・・・姉さんはどう?」

「そうだな・・・メリットはあるんだろうな?」

「もちろん。敵の数が増えるし、二人は後衛だろ?魔法に集中出来るぞ。それに、素材集めも楽になるし、金の融通も利く。情報も共有出来たり、メリットは多いぞ。多少、自由が利かないけど、そこらへんは我慢してもらうしかないな」


真剣な顔で考えてる姉妹。まだ時間もはあるし、焦る必要はない。考える時間はいるだろうし、こっちはのんびりと待っていよう。


五分ほど待っただろうか、どうやら結論が出たようだ。思ったより早いな。


「フルンと話し合った、その提案を受けるよ。これからよろしくな!私はルージュで」

「私がフルンです。よろしくお願いしますね」

「ああ、これからよろしく。極振り同士、仲良くやっていこう」

「ん・・・入ってくれて良かった」


こうして、ルージュとフルンがパーティーに加入した。そして、ついさっきパーティーに加入したいと言うメールが、俺の元に届いた。VitとAgiの二人組らしい。集まる時は一気に集まるんだな。会うのが楽しみだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ