理由(ラグルside)
『出会い』のラグルsideその2です。
ラグル君の話だけだと、事情がサッパリ解らないという…汗
ソレを、宿屋の昨日まで俺が使っていたベッドに寝かせた時、ようやくほっとした。
落ち着いて、ソレを見ると、想像していたより小さかった。
ついでに、二つ足になって、始めて抱えた時の感触も思い出す。
軟らかく、シットリ、フカフカ。
俺は、またその感触を味わいたくて、ソレの頬に触れる。
手のひらに返される、柔らかな弾力。
俺は、満足の溜息を吐き、幸運に酔いしれる。
それから、ソレが起きた時の為に、水差しとコップを用意する。
そして、間もなく、ソレが微かな呻き声と共に目を開けた。
待ちきれずに、声をかける。
此方をみたソレは、目を見開く。
どうやら、警戒しているようだ。
他の若い女は、俺を見ると大抵、呆とした顔になり、素直に俺の言う事を聞くようになる。
ところが、ソレときたら、狼に出会った小動物の様(あながち間違っていない)に、如何に俺から逃れるかを考えている。
一旦家に帰るなど、口実に決まっている。
ここで逃したら、多分次はない。
妙な確信が、俺を駆り立て、理由にならない理由を俺はソレに告げる。
「俺が拾ってきたから、お前は俺のモノだ」
言う前は、我ながら馬鹿馬鹿しいと思っていた理由。
口にしてしまえば、間違いなく、真実に感じて。
でも、納得しているのは、俺だけで。
妙な飢餓感を感じて、俺はソレに飯を食う事を提案していた。




