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ケモノと私  作者: 鵺琉
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05.露店にて

食堂を出た私たちは、町の商店が並ぶ通りを歩いています。


私は、なるべくラグルさんから距離を置きたいのですが、ラグルさんは離れてくれません。


それどころか、興味を引かれるモノがあると、私の手を引き、そちらに向かいます。


そんな感じで、ラグルさんにつれ回された結果、あたりは既に薄暗く、私はいい加減疲れてきました。


もう、平和的に別れるのは諦めましょう。


私は、ある覚悟を決めました。


多分、それでラグルさんも諦めてくれるでしょう。


決心したら後は、場所とタイミング…つまり、多少の時間稼ぎが必要なのです。


ぼんやりと、そんな事を考えていると、先程から露店の商品を熱心に品定めしていたラグルさんが振り向きました。「ほら、これなんかどうだ?」


示された先を見ると、そこにはラグルさんの瞳のような、紫の宝石がついた、ネックレスがあります。


「綺麗ですね」


思わず呟くと、ラグルさんは嬉しそうに微笑みます。


…って!マズイ、この流れは…


「じゃあ、これにするか。」


止めなければ。


「私は要りませんよ!」


「何でだ?」


キョトンとした眼差しで、ラグルさんは、私にたずねます。


何でって…


「買って貰う理由が…」


「俺がリズを拾ったのだから、俺がリズの面倒をみるのが…」


また…か。


脱力仕掛けて、考え直します。


まてよ、コレはチャンス…ですよね、良く考えたら。


会計をするには、当然私から意識も、手も放さなければなりません。


その隙は、私に時間を与えてくれます。


私は、さりげなく周りを見渡しました。


丁度良い事に、公衆トイレが近くに有りました。


それに、幸いにも、この露店は、町の外れの方に有りました。



騒ぎを起こしても、あまり目立つ事は無さそうです。


この町は、私が来たことのない町でしたが、あまり注目のマトにはなりたく有りません。


(ラグルさんが一緒な時点で、既に注目のマトですが、それはまぁ仕方無い事です。)


被害は、最小限に。


「…そう、ですね。では、それにして下さい。」


嬉しそうなラグルさんに、罪悪感を感じます。


「それから、私、ちょっとお手洗いに行きたいです。」


「便所の場所は解るか」


「勿論です、ラグルさんは、少し待っていて下さいね」


「ああ、解った」


そして、私はようやくラグルさんから離れる事ができました。

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