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02.町の通りにて
私は、男に連れられて、町の通りを歩いています。
男は、言動はどうあれ、外見は極上だったので、町の人の視線がザクザク突き刺さりました。
女性全般…特に、若い女性のものが多く、まれに男性の視線も混ざります。
皆一様に、赤い顔と潤んだ瞳になってます。
「よし、ここだ。」
男は、一件の食堂で足を止めました。
「あの…」
「なにか、嫌いなものでも有るのか?」
「いえ…そうではなく、私はお金を持って無いのですが…」
薬草を採るためだけに家を出たので、お金は家に置いたままで、私が持っていたモノは、薬草を入れるための袋のみ。
そして、それも森で落としたのか、私は完全な手ぶらのまま。
「金は俺が持っているから、問題ない。」
「何度も言ってますが、私には奢られる理由が有りません」
「だから、わからないやつだな。俺が拾ってきたんだから、俺がメシを食わせるのは、当然だ」
男はそこで議論を打ち切り、私の手をひいて、食堂の扉を開けました。




