08.森の中にて(魔女の説明が入ります)
私は、村から家に帰るため、森の中を歩いていました。
ラグルさんから逃げるために使った、転移の術は、普段滅多に…というか町中でなんて絶対使わないのです。
あの転移の術は、私が魔女だから使えるものの一種です。
この世界の“正当な”転移の術は、通常3人以上の人が1日かけて行います。
転移の術は、そうそう滅多に使われるもので無いのです。
世間一般からすると、あの転移の術は、有ってはならないモノなのです。
魔法使いは、職業として認められて居ますが、魔女は認められていません。
そもそも、絶対数が少ないし、その存在すら知らないで一生を過ごす人が殆どでしょう。
魔女が行使するそれは、論理的でないチカラです。
能力の使い方を理屈で説明出来ない、少数のモノは、いつの時代も駆逐されます。
バレたら、魔女狩りで処刑…はされませんが、おそらく王都の研究施設に連れて行かれます。
もしくは捕まって、珍しいペットとして、金持ちに売られる事でしよう。
もちろん、魔女をそのまま捕まえておけるわけは無いでしょうが、見つかったら逃亡生活を余儀無くされる事でしょう。
一生逃げ回る生活など、誰がしたいと思うでしょうか?
私の場合は、実は一部の悪い人に噂が漏れてしまっています。
現段階では、噂は確証のない噂ですし、悪い人達が知っているのは私を捕まえた場合のデメリットのみで、私を捕まえようとする人は居ません。
(そのお陰で、人気の無い森の中でも若い娘の一人暮らしが可能なわけです。)
悪い人たちの語る、眉唾のような噂を良識ある人達は信じません。
また今の地位もあり、私は優秀だけど、人付き合いが苦手な、ただの薬師として認識されています。
薬師達の中には、薬草を使った幻術に長けている人もおり、私の使う術もその類いだと思われています。
しかし、今回私は人の前で、幻術だと言い訳の出来ないような術を使ってしまいました。
しかも、誰が見てるかしれない町中で。
追い詰められていたとはいえ、早まったモノです。疲れてたからと言って、油断し過ぎです。
ああ、いっそ、聖獣様でもその辺に居ないものでしょうか…。
聖獣様の話は、昔母から寝物語として聞いたお話です。
何でも、人間には…王族等も例外無く、手出しする事すら許されていない、チートな存在だとかなんとか…。
そんな存在に守られたら、一生安泰な事でしょう。
まぁ、仮に聖獣様がその辺に居たとしても、私を守ってくれるとは限りません。
それに弊害の方が多そう…。
などと、下らない事を考えていたのが悪かった様です。
また、霧雨のため、視界が良くなかったのにも、原因が有るかも知れません。
黒っぽい固まりが、目の端を横切った…と思った次の瞬間、私はぬかるんだ地面へと押し倒されていました。
軽い話のつもりで書き始めたのに、何故だか設定が無駄にシリアスになってきたような…?
これであまり簡単に、魔女の術が使え無くなってきましたよ…。
どうする、リズちゃん。
どうする、作者(笑)。
初めて感想いただけました。
ニマニマしながら、読み返してます(^_^)
ポイントとお気に入りも有難うございます。
お気に入り、300越えてますよ…汗
こりゃつまらない話、書けませんね…