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ケモノと私  作者: 鵺琉
13/18

07.薬屋にて(身分証と組合の説明が入ります)

世界の設定説明の巻。


この話は読み飛ばしても、支障は全く有りません。


薬師や身分証の説明だけで、話は動きません。


やたら長い割には、ラグルさんも、尻尾すら出ません。

季節は、雨季を迎えた様です。


朝から、しとしと続く雨は、昼を過ぎても止む気配が有りませんでした。


私は雨避けに、防水加工したフードを被り、同じく防水加工された鞄を肩から下げました。


鞄には、何種類かの薬とお財布、ハンカチ、その他必要そうなモノを入れました。



ラグルさんから逃げた後、私は暫く家から出られませんでした。


けれど、いい加減家から出ないのも限界です。


薬も、作るだけ作って、家の貯蔵庫は満杯です。


薬の中には、早く使わないと、悪くなってしまうものも有ります。


それに、こもっている間に考えたのですが。


ラグルさんは、私を拾って、逆刷り込みにあっていたのでしょう。


私が目覚めた時、そこにいたのはラグルさんだけでした。

だから、ラグルさんは、お母さん(性別的にはお父さんですが)の気分になっていたのでしょう。


それも、私が目の前から居なくなったので、忘れたハズです。


ラグルさん程の容姿の人が、いつまでも私に執着するとは思えません。




私は、扉を開け、久しぶりに外へと歩き出しました。


カラン…。


「いらっしゃいま…あ、リズさん!久しぶりじゃないですか」


「こんにちは、これお願いします」


村に着いた私は、早速村の薬屋へと向かいました。


出迎えてくれたのは、いつもの男の受付さんでした。



この世界は、様々な組合が存在していて、大体の集落にそれぞれの派出所が存在しているのです。


集落の規模によっては、無い派出所も有りますが、薬師の派出所はどんなに小さい集落にも大抵存在していました。


私は、薬師の組合に数年前から所属しています。


薬師の派出所は、大抵その村や町等の薬屋も兼ねています。


薬師の検定試験を受け合格すると、証の魔石を支給され、薬屋に薬を売る事が出きるのです。



個人で、直接取引をする薬師も居ますが、殆どの薬は、薬師組合の薬屋を通して売られています。


他の組合は解りませんが、薬師組合の運営は、薬の売上金から薬師に支払われた額を差し引いた残りが使われています。


個人から薬を購入するよりは、薬屋での購入は多少割高になってしまいますが、薬師組合の査定が入るので、効能が保証されます。


かなり信頼されている薬師(もしくは、よっぽど切迫している患者)でなければ、個人での直接取引は殆ど無いのが現状です。


証の腕輪は、一人にひとつ生まれた時に支給される仕組みで、埋まっている魔石の色によって、職業を見分ける事が出来ました。


職業によっては、更新試験が必要なものもあります。


薬師も更新が必要な職業のひとつです。


因みに、魔石はその持ち主が資格を失ったり、死亡したりすると消滅するようになっていました。


魔石の管理は魔石組合でされており、各組合で発行された証明書を元に、それぞれの魔石が作られています。


魔石組合で受け取った魔石は、証の腕輪に近付けるとぴったりと腕輪に付き、一度腕輪に付いた魔石は外れることは有りません。


外すには、魔石組合で魔石の失効手続きをし、消滅させる以外方法は有りません。更新や変更がある場合は、各組合から発行された書類を魔石組合に持ち込み、腕輪に魔石が着いた状態のまま魔石の情報を変更してもらいます。


人々は、大抵いつでも腕輪をしています。


この世界では、腕輪が身分証になっているのです。


王都など、大きな街の関所には、特殊な読み取り装置が設置され、人々の出入りが管理されています。



「はい、リズさん。お待たせしました。」


ぼんやりしている間に、今回持ち込んだ薬の査定が終わった様です。


査定には、カード型の装置が使われています。


薬にカードをかざすと、薬品名と質が表示され、その内容を元に薬師に支払われる金額が決まります。


このカードの他にも、色々便利な装置が出回っていて、それを作っている組合も有るのですが、その話はまた今度にしましょう。


ノートに書き込まれた薬品の名前が、間違いない無いことを確認します。


薬は時期や場所によって、価格が変動します。


例えば、ある地方でしかとれない植物を使った薬は、その地方では安く流通しますが、そこから遠くなるほど高値で取引されます。


今回私が持ち込んだ薬は、大体ありふれた薬が主で、珍しいモノは有りませんでした。


査定された薬のお金を受け取り、私は薬屋を後にしました。

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