表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集① 透明マント

作者: 平賀隼人

「よし。ついに完成したぞ。わしの人生の半分を費やした大発明、透明マントじゃ」

天才発明家•新発田博士は、自身の研究室で一人大声をあげ透明マントをつくりあげた喜びに浸っていた。

「しかし材料集めが大変じゃった。だが東奔西走、どんな珍しい材料も全て揃えたおかげで完全に透明になるはずじゃ。足りないものなど無いはず。早速明日試してみよう」

博士は、何をしてやろうかと考えるだけでも楽しくなって、フフフと笑いがこぼれた。

翌日、博士は意気揚々と自らの大発明をかぶり家を出た。

「フフフ。わしの姿は誰にも見えないはずじゃ。まず何をするかのう・・・」などと考えているうちに街についた。だが、街の反応は博士が思っていたものとは違った。

「キャー!!」女性の悲鳴。

「何だあれは!」サラリーマンも博士を指差し叫んだ。いや、彼らだけではない。街の全員、電線に止まるカラスでさえも、見えないはずの博士に視線をそそいでいた。

(どういうことじゃ!?)

マントの中、博士は滝のような汗をかいていた。

(み、見えておるのか!?何故じゃ?材料を間違ったか?いやそれは無い。不足もあり得ない・・・)

博士がその天才的な頭脳をフル回転させて原因を求めていた時、一人の女の子が言った。

「足首が、歩いてる!!」

そう。足りない材料などなく、博士の発明はほぼ完璧であった。しかし唯一足りなかったのは、マントの長さだったのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白かったです。ドジッ子の博士がかわいいですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ