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竜門司志穂・表
お昼ご飯を食べ終わったあとの午後の授業は退屈だ。さらにそこへ、睡魔が加勢する。竜門司志穂は耐える間もなく、睡魔に飲みこまれていった。
「おい、竜門司!聞いてるのか!」
授業をしていた教師が怒鳴り声をあげる。
うるさいな…。そんなに怒鳴んなくったって、聞こえてるよ……。
この死ぬほど退屈な授業が終わるまで、アト15分。惰眠をむさぼろうという計画は失敗だ。
まぁ、だからといって真面目に授業を受けるという選択肢は少しも浮かばない志穂は、さっきのリベンジを試みてもう一度目を閉じた。
ようやく地獄の授業から解放され、家路につく。歩いている途中、何か見覚えのある顔の男が美人を連れて、バーから出てくるのを見た。
家へ帰り、携帯のメールをチェックして着替えをすませた。(今は…3時30分か。バイトまでまだ時間があるな〜…)
どうやら予想以上に早く帰ってきたらしい。
「パソコンでもするか…」
ひとり、そうつぶやいて志穂はパソコンを起動させて、キーボードを叩き出した。