第四十七話……粛清の先にあるもの
帰還後、装備の支給品を返してすぐに学園長室に向かい、そのままドアを開けると、バアちゃんが机の前に立っていた。
そしてドアを閉め、俺は数歩前に出ると、七百五階での結果を報告すべく、口を開いた。
「『トップオブトップ』『ギアインフィニティ』『ウィズペイン』のAランクパーティー三つ、『トップオブトップ』に準ずる他Bランクパーティー二つについて、更生の余地なしとして、その約百四十名全員を、七百五階Aランクモンスターを利用して殺害。即ち、全五パーティーの粛清を完了した。ただし、同階にいたBランクパーティー『プラチナセレピーズ』に送り込まれた各スパイは、今後のために放置したことにより生存。
なお、『プラチナセレピーズ』の初期主要メンバー四人とは協力関係を結び、共にレジェンドランクを目指すことで一致。
また、その過程で、Bランクパーティー『フリーアイディール』のメンバーに、『イービル』末端との繋がりが確定的な人物の情報を取得。オタクっぽく真面目そうな女とのこと。さらに、今週土曜日午後五時から、ホテル『モアハイエスト』の三十階、予約名『ウィリアム・イール』で、当該人物の参加が見込まれる乱交パーティーの開催情報を取得した。
一方、『ウィズペイン』が複数人の学園生徒を奴隷化していることが判明。『奴隷部屋』なるものが、『ウィズペイン』のリーダーの部屋に有り。パーティー壊滅のため、このままでは餓死は必至。至急、救助を要請する。
報告は以上」
「ありがとう、ご苦労様。至急、職員を救助に向かわせよう。警察と救急、中央政府にも連絡する。ただ、その前に……」
するとバアちゃんは、俺の前までゆっくりと歩いてきて、俺を優しく抱き締め、俺の頭を優しく撫でた。
「よく頑張ったね、レツ……! ミレイ、ナツ、スイ、本当にありがとう。ここまで何も言わずに、レツを連れて来てくれて……」
「何も言わずとも、みんなの想いは一つだったよ。ここで、全員で、一緒にレッくんを褒めてあげて、癒やしてあげようって」
「ああ、本当に頑張ったよ、レツは。私が泣きたくなるぐらいに」
「うん……。レツはレツだからね。愛してるよ」
そして、ミレイ、ナツ、スイも俺を囲んで抱き締めてくれた。
「ありがとう、大好きなママ達……。最高のママ達……。俺の……世界で一番大切な人達……」
今になってようやく全身が震えだし、大粒の涙が何度も俺の頬を伝っていた。
不思議と吐き気はない。ミレイが逐一、俺に水筒の水をくれていたおかげだ。
負の感情も思ったよりない。ナツが都度、場を和ませてくれていたおかげだ。
脳の負担もそれほどない。スイが常時、冷静に物事を進めてくれていたおかげだ。
それまでの緊張感もなくなった。バアちゃんが最後に、優しい表情で出迎えてくれたおかげだ。
一つの任務を終えた今、自分自身、どのような感情を抱いているか分からない。
ただ、ママ達はそれを大きく優しく包み込んでくれていた。
俺は、ずっと助けられていたのだ。
彼女達の、正真正銘の無償の愛で……。
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