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第四十話……野獣の咆哮

「……性欲と愛との関係について……どう考えているか聞いてみたい……。野獣のようにとは言ったものの、俺は愛も欲しい……。男女間だけでなく、愛の一般論も聞いてみたい……」

「分かった。これは僕個人の意見だから、メンバーの中に自分はこう思うという人がいれば、言ってほしい。僕は、少なくとも男女間においては、性欲があるから愛があると考えている。あとから愛は付いてくると言ってもいい。だから、スワッピングを推奨している。様々な愛を経験できるから。それがたとえ、一時的な愛だとしても。

 世の中には離婚する夫婦なんて山のようにいるんだ。僕に言わせれば、それも一時的な愛にすぎない。だから、僕達の愛を批判される言われもない」


「なるほど……」

「では、愛の一般論としてはどうか。愛とは『恩』だと思う。親子の愛を例に挙げると分かりやすいかな。親は自分のために子どもを産む。自分のためにならない子どもは、子どもになってほしくない。それが本音だ。

 だから、堕胎し、選別し、殺害し、托卵し、教育し、恩を売る。自己満足のために、老後のために、利益のために」


 バアちゃんが言っていたようなことを一部、レイルズは口にした。


「……」

「一方、子どもから親への愛はほとんどない。近親相姦が目的以外は。恩を返す責任感と義務、そしてやはり自己満足と利益だけ。親が死んだら悲しいと思う人はいるが、それも自己満足の世界だ。だから平気で裏切る親不孝者なんて山のようにいる。でも、知ったこっちゃないと思う。勝手に産んで、勝手に恩を売りつけたんだから。

 その点で言えば、男女間の愛の方がまだ健全だ。繋がった時点で、お互いに恩を与え合っているから」


「……」

「もしかしたら、人によっては今までの僕の説明を聞いたら、不快に思う人がいるかもしれない。『胎児や後輩を物みたいに扱うな』とかね。でも、利益にならない存在を大切に扱っても、何の得にもならないだろ? 恩を返してくれる、利益になると分かった時点で大切にした方が効率的だ。愛は効率じゃない、利益のためじゃないという人がいれば、『恩』を否定した上で、是非反論してほしいね。

 でも、結局のところは『利益』だよ。師匠は分かってくれたかな?」


「ああ、よく分かった……。メンバーからの補足は……ないみたいだな……」

「良かったよ。みんな賢くて助かる。僕がこれだけ言っても、バカは反論してくるだろうからね。でも、あまり深く考えない方が良い。我々と一緒に、本能に任せた方が絶対に得だ」

「それじゃあ、師匠も納得ということで、みんなで握手でも……」


 その瞬間、師匠が俺を裏拳で突然殴り飛ばし、ミレイ達三人を巻き込んで、全員が強く頭を打って気絶した……。


 その俺達四人とも、幻だけど。


 本物の俺達は、『ギアインフィニティ』の真横、少し離れた所で透明化して、その様子を黙って見ていた。


「な、何をするんだ、師匠! おい、止めろ!」

「ダ、ダメだ! 止まらねぇ!」

「私も! なんで⁉️」

「全体防御も突破されてる!」

「あんな力も出ないはずだぞ⁉️」

「あ? 俺に何かしたのか? そんなもの俺には通用しねぇ。それよりも、『リトルヴィーナス』。俺はお前達のことが好きだが、こんなくだらないことで協力関係を結んだら、全員殺す。そして、『ギアインフィニティ』。お前達はクズだ。即刻解散しろ。でなければ、俺が地の果てまで追いかけて、全員殺す」


 幻に視認スキルが効くはずない。もちろん、それが幻だということにも気付かない。そこは催眠効果で補っているから。だから、スキルが効いていて、俺達の誰も嘘を言っていないと思い込む。


 『ギアインフィニティ』の弱点は、その多様なスキル構成から、スキルに頼りすぎることだ。本来なら、そこで新たに戦略や戦術を考え直す必要があるが、それを咄嗟にできるのは天才しかいない。しかし、レイルズは秀才止まりだ。それができない。


「ど、どうなって……! おい、師匠! 反論はどうした、反論は!」

「ああ、これからしてやるよ。ただし、俺の『遠隔打撃スキル』で一度お仕置きしてからな!」


 そして、ミレイに時を止めてもらい、ナツに透明化を解除してもらった。


「じゃあ、男の方を頼む」

『了解!』


 今回は三人にも頼むことにした。男の腹を剣の鞘で叩いたり突いたりする作業だ。個人の防御スキルを使った奴もいるかもしれないが、時間停止中はそんなの関係ない。俺達の認知によって、スキルも停止しているからだ。

 一方、俺の方は三人には頼めない。なぜなら、妊婦含めて女の腹に思い切り蹴りを入れて行くという、クズのようなことをしなければいけないからだ。なぜこのようなことをする必要があるのかは、すぐに分かる。


 そしてここからは、俺の声を先輩の声で上書きしてもらうことになる。


 『ギアインフィニティ』全員に打撃を加えたところで、再度透明化、時が動き出した。

「面白かった!」「つまらん……」

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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


Xアカウント @tachizawalude

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