表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/48

第三十三話……傲慢さの代償

「おやおや、俺達の親分バイスンさん。みっともない姿、晒しちゃって。ぷっ! がーっはっはっは! 思った以上に笑えるわ! 流石、お笑い界の頂点。『トップオブバカ』のバイスンさんだ!」

「……。てめぇ、どういうことだ……。俺を裏切るつもりじゃねぇだろうなぁ!」


 『トップオブトップ』に近づいてきた二つのパーティー、その内の子分リーダーがバイスンと話している。


「やっぱ、バカだわ。この状況でそんなこと聞くマヌケはお前だけだよ。モンスターの餌にしてやるから、感謝しておけ」

「ありがたいよな、バイスン。お前、いつも言ってたもんな。俺をボコボコにした時も、俺の仲間を殺した時も、『愛の鞭だからありがたく思え!』とか『これは救済だから死んでも感謝しておけ!』とか言ってよぉ……。

 俺も本当にありがたく思ってるよ。ようやく、貰った愛を返せるんだからなぁ!」


 恨みパーティーのリーダーもバイスンに恨み節を吐きに来た。つまり、完全に漁夫の利が成り立つ形になった。


 普通の場合なら。


「ちょっと待て、お前達。バイスンとムリエには手を出すな。その二人は俺の獲物だ」

「アンタの実力は認めるよ。まさか、あっさりこんな展開になるなんてな。ただ、バイスンだけは俺達にくれねぇか? 直接痛い目に遭わせて殺さなきゃ気が済まねぇんだ」


 恨みリーダーが当然の希望を言ってきた。


「じゃあ、俺達は殺さないから、まず俺達にやらせてくれ。それから、思う存分やってくれ。ただし、その間はここから離れてくれ」

「……。どうする?」

「……。なぜ離れる必要があるんだ? 別にここで見ていてもいいだろ?」


「お前達が死にたいのなら話は別だ。いいから、とっとと離れろ。最後の警告だ」

「……。おい……」

「ああ……」


 二人のリーダーがニヤつきながら、顎をクイっと動かすと、そのパーティー全員が俺達を囲い始めた。


「くっくっく、流石にこの人数で一斉にかかられたら無理だろ? バイスン達は舐めプするからバカなんだよ」

「俺達は、お前みたいなスカしたヤツが大っ嫌いなんだよ!」

「……。あー、良かった。お前達がバカで。手間が省けたわ」


「ほざきやがれ!」

「やれぇ!」


 その瞬間、時が止まった。前回から余裕で一分経過しているので、停止は五分間フルにできる。


「ありがとう、ミレイ。六十人だから、さっさとやって行かないとな」

「コイツらの方が舐めプだよな。なんで自らスキルを使えない状況を作るのか分からないぞ」

「バカだからとしか言えないよね。モンスターを相手にする時は現実感ないからとか?」

「実は優しい人達……はないんだよね……」


 三人が話している間に、俺はまず最内の奴らの顔に、同じく剣の鞘で打撃を加え、その後は体を引っ張って適当に転がし、もう一つ外の輪へ。それを最外まで繰り返した。その過程で踏み台にした奴もいる。

 ミレイ達にもソイツらを踏み台にして、円の外側に出てもらった。

 なぜ三人に打撃を協力してもらわないかと言うと、ダメージが均一にならない可能性があり、あまりに軽傷だと、普通に動かれてしまう場合があることを嫌ったためだ。


 そして時間が動き出し、転がった全員が呻き声を上げていた。


「ぐぁっ……! て、てめぇら、何マヌケなことやってやがるんだ!」

「お前もだろ?」


 整合性さんは、コイツらが勢い余って転んだことにしたらしい。想定通りだ。

 整合性さん、大好きだよ。


「次に襲いかかろうとしたら、バイスンみたいに歩けなくするからな」


 そのバイスンは、忠実な女に回復魔法をかけられている。


「いいか、お前ら。なぜこんなにも実力差があるか教えてやるよ。お前らは知らないだろうがなぁ、俺達は昨日、七百階、七百一階の記録を大幅更新し、ダブルAランクの資格を得た。Bランク階層やAランク階層序盤を苦労してクリアしているお前らとは、天と地ほどの差があるんだよ」

「なっ……! そんなことあるわけねぇ! てめぇお得意の捏造だろ!」

「そうだ!」

「嘘も大概にしろ!」


「バイスン、いい加減、目を覚ませよ。それに、お前ら。バイスンを裏切ったんなら、そこに乗っかるなよ。いいか? 七百階のこれまでの記録は、『メガミバースト』の二時間二十一分だった。俺達は三十三分。何分の更新だ? お前らのバカな脳みそで考えてみろよ。答えは出してやらないけどな。俺はお前らのママじゃないから。

 じゃあ次の問題。『トップオブトップ』、お前達は俺がいて何分だった? 腰を振ることだけしか考えてないお前らなら忘れただろうから、教えてやるよ。四時間二十九分。下から数えた方が早い記録だ。

 つまり、お前らには一生無理。トリプルAランク確実とか言ってたよな? それもバカなお前達に教えてやろうか。一生無理だよ。俺なら恥ずかしくて冒険者辞めてるね。『学園一の変態』『リトルベビーナス』と呼ばれるより恥ずかしいよ。それを呼んでいる側なら、言わずもがな。

 そんなパーティーを、徒党を組んで漁夫の利でしか壊滅させられないパーティー。しかも、遥かに格下なのにアウトローを気取ってイキりまくり。俺もご覧の通りイキってるけどさぁ、実力を伴わないイキりほど悲しいことはないよ。哀れだよなぁ。

 まぁ、そんなことも気にならないほど面の皮が厚いから、こんなダサいことやってるんだろうけど、哀れだよなぁ。

 ああ、悪い。哀れすぎて二回言っちゃったわ。でもやっぱり、哀れだよなぁ」


 そして、ミレイ達にもアイコンタクトをした。


「レツ、そこまでにしてやれよ。哀れすぎるだろ?」

「哀れすぎて、こっちが泣きたくなっちゃう」

「う、うん……。かわいそうだよね……。ごめんね」


 三人の追い打ちも決まったところで、俺の一分間の『時間稼ぎ』はとうに終わり、ミレイが再びフルで時間停止できるようになった。

「面白かった!」「つまらん……」

「続きが気になる!」「次回作に期待!」


と思った方は、以下の「☆☆☆☆☆」から、応援をお願いします!


星一つであっても、皆さんの反応が大変励みになります。

星五つであれば、なおのこと!


ブックマークもよろしくお願いします!



最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


Xアカウント @tachizawalude

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ