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第三十話……思惑パーティー

「うわ! 多い!」

「三十人超えてないか?」

「明らかに複数パーティーだね」


 三人が驚いたように、そこに現れたのは大人数の冒険者生徒達だった。

 もちろん、俺達は透明状態を維持しているので、すぐ斜め後ろにいても気付かれていない。


「見た感じ、『トップオブトップ』の子分パーティーと、『トップオブトップ』に恨みを持つパーティーだな」

「えぇ⁉️ そんなパーティー同士が一緒にいることなんてあるの?」

「どっちかが騙してるのか?」

「どのパターンもあり得るよね? 子分だけど下剋上を企んでるパターンと、恨みを持ってるけど子分になりたいと装ってるパターン、親分の命令で子分が恨みパーティーを騙して潰すパターン」


「この場合は一番目だな。その証拠に、恨みを持ってるパーティーが離れて行った。身を潜めて、子分パーティーの合図を待つつもりだ。本当はここで不意打ちを狙いたいんだが、漁夫パーティーの確認が先なのでそれはできない。ワンチャンあればって感じで集まったみたいだな。仮に恨みパーティーの存在がバレても、言い訳はいくらでもできる。『サプライズでバイスンさんの協力に来ましたが、その前にAランクモンスターで実力を測りたいと思って離れていました』とでも言えばいい。

 ちなみに、三番目はない。親分であるバイスンが直接潰した方が早いから。それだけの実力差がある。

 それでも、BランクがAランク階層に来て物怖じしていないところを見るに、七百五階序盤のモンスター情報は共有されているということだ」

「レッくんの解説、助かるよ。でも、下剋上が成功したとしても、またその人達が強権を振るって恨まれる可能性もあるよね?」

「そんな感じのパーティーだったよなぁ。どっちもガラが悪い」

「延々と続く輪廻みたいな」


「こういう奴らは、とりあえずその場の問題さえ解決できればいいと考える節があるかな。またその時に考えればいいってスタンス。まぁ、この場合はそれでも正解だよ。俺達がいなかったらの話だけど」

「さっきの理論で言うと、『イービル』とは無関係ってことだよね?」


「ああ。もしかしたら、子分パーティーにも繋がってるヤツがいるかもしれないと思ってたけど、当てが外れたな。改めて考えても、バイスン達が『イービル』に消される理由はないし、それこそ次に接触した時に直接消せばいい。入団試験の可能性はあるけど、冒険者で試すのはもったいない。そこまでバカじゃないはずだ」

「そう言えば、『イービル』がどうして冒険者を集めてるのか、レッくんもバアちゃんも知ってるの?」

「千階層に行ける手段が、この学園のダンジョン以外にあるってことだよな?」

「そうじゃなかったら、『イービル』の冒険者がこのダンジョンにいるってことだもんね。許可無許可かかわらずに。でも、千階層に行ける実力者なんていないよね」


「ああ、その理由は分かってる。三人が今したように、推論で簡単に分かるんだ。このダンジョンと千階層は全く別物だから。もちろん、全ては千階層を攻略するため。繰り返しになるけど、その時になれば詳しく話すよ」

「別物なんだ……。それだけでも、少し推察できそうだけど」

「楽しみかどうかは分からないけど、あとに取っておくか」

「まぁ、この学園に『イービル』の正所属冒険者がいないことが分かっただけでもいいんじゃない?」


「実は、それはまだ分からないんだよ。いる可能性は否定できない。いるとしたら、トップか幹部の血縁者。そしてその場合、ダンジョン進度一位、二位のパーティーのどちらかにいる」

「二つは競い合ってる感じだよね。レッくんが言うように、あんまり進んでないみたいだけど」

「そのことからも、Aランクがゴールの奴らは当然除外されるわけか」

「なるほどねぇ。マフィアの息子が学校に入って、生徒をたぶらかし、いつの間にか悪の道に引き摺り込んでるみたいな感じだね。いや、そのまんまか」


 それから俺達は、やるべきことを終えたため、雑談で時間を潰していると、ついに『トップオブトップ』が転移してきた。

「面白かった!」「つまらん……」

「続きが気になる!」「次回作に期待!」


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最後に、本話をお読みいただき、ありがとうございました!


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