第十四話……守るべきパーティー
バアちゃんはさらに話を続けた。
「歴史の授業で質問を受け付けていないのも、似たような理由。賢く行動力がある生徒なら、ダンジョンとは何か、モンスターとは何か、なぜこのようなシステムが成り立つのか、問題はないのかを独自に調査しようとする。
そして、結論を導き出した時、あるいは証拠がなく行き詰まった時には、教師や私に詰め寄ってくるだろう。そこで、明確に答えられない私達の立場に少しでも理解を示してくれるなら、さらに評価は上がる。そういう生徒やパーティーを是非支援したいね。残念ながら私の代では今のところいないけど、したくなるんだよ。まともな大人ならね」
「実は、いなくはないんだよ。俺が目を付けてる後輩Bランクパーティー、特にそのリーダーに片鱗が見えたんだ。実際に優秀で、あっという間にAランクに手が届く所まで来ている」
「そこまで聞けば分かった。『プラチナセレピーズ』だろ?」
「正解」
「え、そうなんだ……。そのパーティーは粛清対象じゃないんだよね?」
ミレイは心配そうな表情をしていた。
「ああ、むしろ守りたいと思ってる。このままだと、Aランクパーティーに潰されるから。いくら優秀でも、相性が悪いパーティーがあることを『彼女達』は知らないんだ。自分達の力を過信して、最近は攻略スピードを上げすぎている。前はそうじゃなかったんだけどな。どちらかと言うと、焦りが見えるかな」
「直接話したことがあるってことか」
「ああ。『先輩はなぜそこまで女性の乳房にこだわるのですか? 特別な理由でもあるのですか?』って向こうから冷静に話しかけられたんだ。『俺のママになってくれるのか? よかったらおっぱいを吸わせてくれ』という俺の懇願に対しては、『まず、私の質問に答えてください』とやはり冷静に言われて、当然答えられないから、愛想を尽かされたけど」
「……。まぁ、それはそうだろうね」
「その会話の中で、『君達に俺の力を貸したいけど、必要ないぐらい勢いあるよな』って言ったら、『いえ、私達はまだまだです。Aランクの先輩方には遠く及びません。あなたの力は必要ありませんが』って言われたんだ。謙遜なのか、あえて弱く見せているのかは分からないけど、後者ならそんな子には見えなかったな」
「最近、メンバーが増えてるだろ? Aランク階層に行けるようになってるんだから。ソイツらに唆された可能性はありそうだね」
「そうだな。Aランクパーティーがスパイを差し向けて、この機に潰そうとしてるんだろう。元々、そういう場に参戦するようなパーティーじゃない。
初期主要メンバー四人は、『リトルヴィーナス』と同じぐらいかわいいから、恩を売って身体目的で子分にする方が可能性は高いかな。『トップオブトップ』かどうかは分からないな。少なくとも俺がいた時は、そんな情報なかったから」
「じゃあ、レツに任せるよ。元々介入する気もないけど。そういうパーティーが潰されるのも、厳しい現実だからね。本当はそんなの見たくはないんだけど」
さらに俺は、ダンジョンの正しい情報を付け加えるために話を続ける。彼女達に自信を持たせるためでもある。
「あと、一応言っておくけど、最高難度五十階分は、俺達にとってはダテだから。そもそも、『最高難度』じゃないし」
「え、じゃあどこが一番難しいの?」
「七百階が長いみたいに、九百階とかか?」
「頭がパンクしないのなら話すけど、やっぱりその時でいいんじゃない? ほら、サプライズはとっておきたいから」
「別にそういうのは、いらないんですけど……。学園長がこんな人だったなんて……。私、結構憧れてたんだけどなぁ……。騙された……」
「指導する時は、ちゃんと指導するらしいぞ。俺達には指導が必要ないから、こんな感じだけど。死ぬべきではない人が、死を軽んじる時には激怒するらしい」
「『メガミバースト』も優秀だったから、怒られたことは全然なかったらしいな」
「じゃあ、それより過去のパーティーのことなんだね」
「……。そうだね……。それはいつか話そう。なんとなく、その時はすぐに来るんじゃないかと思ってるんだけどね」
「……」
バアちゃんの顔を見ると、複雑な心境のように思えた。
もしかすると……あの時、ナツが言っていたことは半分当たっていたのだろうか。
『学園の卒業生』……。その人物やパーティーに心当たりがあるとか。
とりあえず、今は置いておこう。それを知ろうが知るまいが、俺達がやるべきことに変わりはない。
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