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あの日の老人

掲載日:2023/09/24

 小学校の時は良かった。


 中学校の時は良かった。


 高校の時は良かった。


 学生の時は良かった。



「お前さぁ。いちいち昔と比べてねぇで、もっと今を楽しめよ。お前が昔の事を考えている時も、変わらず時間は過ぎてゆくんだよ」


 振り向くとそこには、謎めいた老人が立っていた。老人はまるで自分事のように、僕に向かって告げた。


「私もそろそろ消える時が近づいている。お前もいつか必ず消える時が来る。さようなら」


 気がつけば、老人の姿はなくなっていた。



 あの日、僕と老人は約束を交わした。


 あの日以来、僕は今という時間を楽しく生きている。仕事の合間に、勉強をしたり本を読んだりするようになった。


 未来という新しい世界へ自然と向かいつつ、あの日出会った謎の老人の正体を解明するために。



おわり

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