それは美しく、優しい
親が寝た。時刻は、、午前2時半。
バッグに自転車の鍵と、昔買っておいた縄、遠くに行ける程度の金が入った財布を詰めて、静かに家を出た。
スマホは置いてきた。縄の結び方は昔調べたのをまだ覚えている。それ以外で使い道は無い。
自転車を適当にのんびり漕いだ。
暗く静かで、人影ひとつ見えない程々の田舎道は、心地が良くてずっと漕いでいられた。
気づいたら周りは見慣れない景色になり、太陽も昇りかけている。
ボケっとしていたら。真横スレスレで車が通った。
車はクラクションを鳴らしながら、グネグネとしながらものすごいスピードで去っていった。
酔っぱらいだろうか。それともただ荒れてる人?
、、、引いてくれば良かったのに、、、、そうすれば、一瞬で、、、、、、、まぁしょうがない。
「そこのお嬢ちゃん」
後ろからおばあさんっぽい優しい声がした。
「迷子かい?大丈夫?」
振り向くと、予想通り優しそうなおばあさんがいた。
「あっバレちゃいました?実は迷子なんです、、!
���駅に自転車で行ってみようと思ったら迷ってしまって、、w
近くに駅か、線路とかあったりしませんか?」
「そうなのかい!すごいね自転車で、、!でもごめんね、、私その駅を知らなくてね、、、方向が分からないの、、、。線路だったらこの道を真っ直ぐ行けばあるよ。そこから右に行ったら、駅があるよ。」
「ありがとうございます!!助かりました!」
「気ぃつけてなぁ〜」
おばぁちゃんに手を振って、再び自転車を走らせた。
駅名は適当に思いついた名前をそのまま言った。
知らなくて当然だ。
おばぁちゃんの言っていた通り、線路があり、駅もあった。ここらで電車に切り替えよう。
駅にある時計を見た。
私が家を出てから、結構時間が経っていたらしい。
時刻は6時40分。始発まで、まだ時間があった。
近くにあったコンビニに自転車を停め、ついでに水を買って出た。
自転車は、鍵もつけっぱなしにしておいたし、使いたい人が勝手にパクるだろう。
ご飯を買おうかとも迷ったが、人は〇ぬと、尿や糞を垂れ流してしまうらしい。綺麗な状態で人にみつかりたいなどとは思わないが、わざわざ汚い状態の自分の体を放置したいとも思えない。
できるだけ汚要因は減らしておこうと思った。
コンビニから歩いて駅に着くと、ちょうど電車が来るところだった。
しばらく私は電車に揺られた。
途中で電車を乗り換えたりして、私は初めて無人駅に来た。
周りには、森と、田舎町があった。
手持ちの金も、水もすっからかんになり、空も暗くなりかけている。
駅を出ると、真っ先に森に潜った。
しばらく慣れない森を歩き回って、全身が汗と泥、多少のかすり傷による血で汚れ、周りは真っ暗になり、全てが本当にどうでも良く感じられた。
首吊りにちょうどいい支えがあり、深さのある場所はどうしても見つけられなかった。
仕方がないから、そこら辺にあった丈夫そうな木に縄を結びつけ、自分が寝転がるように全身の力を抜けば、〇ねる仕組みを作った。
、、、、、、、、やってみると、とても苦しくて、本当に苦しくて、、、気づいたら私は、起き上がってしまっていた。
、、、ダメだ、、、、、、、、、、、、、〇ねない、、、、、、
気づいたら涙が出ていた。
あぁ、、、、、このまま脱水で〇ぬのもいいな、、、はは、、、、、、、、、
なんで生まれるのは簡単なのに、生きるのも死ぬのもこんなに苦しいんだろう、
「ぅッオェッッッハァッッウッッッッッ」
嗚咽を漏らしながら泣いた。ここまで来たのに。引き返せないところまで来ているのに。帰る場所も、帰る方法もない。生きたいとも思わない。
、、、けど、、、、死にたくない、、、、、苦しみたく、、、、、、ない、、、、、、、、、、、
「…はぁ、、、、、、、、、私は、、、、、弱いなぁ、、、、、、、、、、」
「そこの弱虫なお姉さん。僕が助けてあげようか。」
、、、、、、目の前には子供の様な人影があった。
暗くて、よく見えない。男か女かも分からない。
声もよく通る声であったと言うだけで、判断材料にはならなかった。
「、、、、、、、、、誰、、、?」