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メロンクリームソーダと乾杯

作者: 九九里葉

よろしくおねがいします。

どんよりとした街中をぼんやり歩く。

立ち並ぶ高層ビルで狭くなった空は一面が緑色で、不自然に白く輝く雲が、僕に不思議な視線を送っている。

道行くニンゲンも、ケモノの耳を生やした獣人も、まるでしかばねのように虚ろな目をしながら彷徨っており、街はいつもよりずっと静かだ。

(雑音も無くヒトも少なく、普段よりずっと過ごしやすい街だ。)

そんな事を思って、それから少し笑う。

こんな、日常とはかけ離れた街を“過ごしやすい”だなんて。自分も少しだけ、このおかしな雰囲気に呑まれかけているのかもしれない。


しばらく歩くと駅にたどり着き、僕は駅舎の入り口の前で立ち止まった。

まだ駅に入る必要は無い。ただの待ち合わせだし、電車には乗らない。

そもそも、きっともう電車も走っていないだろう。

「あ、おーい!もう来てたのか。」

ふと、向こうから声が聞こえた。

見ればしかばねの群れのような雑踏から、一人の元気そうな少女が現れた。

彼女はレジ袋を一つ持っている。

「おう、こんな時なのに、君は元気そうだな。」

僕がそう言えば、ウサギのような耳を生やした彼女は笑顔で答えた。

「まあ、な。会えるのが楽しみでさ。」

「そうだな。」

僕も少し笑って見せれば、彼女は少し照れくさそうにした。


「じゃあ、そろそろ行くか?」

そう聞くと彼女は、少し懐かしそうに後ろを振り返り、「ああ。」と頷いた。



線路を歩くこと三十分。

僕らは色々な話をした。好きな歌、好きな花、小さい頃の思い出。まるで親友のようだった。

彼女に会えてよかった。


「着いた!ここだよ!」

彼女が嬉しそうに言う。そこは小さな高台の公園だった。公園の先は崖になっていて、僕らの住む街が見下ろせる。

「小さい頃は親父とよく来たんだよ。」と彼女は言った。

「こっちだ。」

彼女は安全用のロープを越えて、その先の芝生に腰を下ろした。

僕もそれに続き、崖の淵、広いとは言えないスペースに二人が収まった。

「狭いな」

「見晴らしはいいだろ?」

「そうだな。」

悪くない、と思った。


「なあ、」

彼女が口を開いた。

「また、会えるかな。」

彼女は遠く町を眺めている。

「宇宙って、これから、どうなると思う?」

僕はそう、聞き返した。

彼女がこちらを向く。

僕は話を続けた。

「宇宙は、これから小さくなり始めるんだって。で、そしたら、同時に、宇宙ができてからその時までの時間が、全て巻き戻るらしい。」

ホントかは分からないけど、と、僕は付け加えた。

「じゃあ、その時にまた、会える?」


「分からない。」


もしもキュルキュルと時間が巻き戻ったら、

僕はまた彼女を忘れ、

退屈な日常へ戻り、

またこの世から消えるのだ。


「いまが、楽しければ、僕はいいと思う。」

僕がそう言えば、彼女は「そうか?」と、意外そうに言った。


「あたしは…


そう、彼女が言いかけた時、

キインと音がして空が暗くなった。

「始まったな。」

どちらからともなく、そう言った。


空の西の一点がパッと明るくなり、そこから何か赤い光が現れる。

ごう、と音がして、

緑色の空と真っ白い雲が鮮やかなコントラストを作る。

いつか飲んだメロンクリームソーダを思い出した。

甘く、ピリッと刺激のある。

昔むかしに誰かと飲んだ味。

この空に、この星はズブズブ沈んで、ゆっくりと終わりを迎えるのだ。


「じゃ、始めよう。」

そう言うと、彼女は持っていたレジ袋から二人分の瓶のソーダを取り出した。

二人で一つづつ持ち、栓を開ける。

「じゃ、」

「僕らの出会いと終わりに」


「「乾杯!」」







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