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ありきたりな悪役令嬢に転生しましたが、推しくんとハッピーエンドです!!  作者: エリナ
第一章:シェリル・ティンダルーク
2/5

ep2

−−−−−−−−−−


「おはよう。シェリル」

お父様が私に言った。

「…おはようございます。お父様、お母様……

………姉さま」

一応家族に挨拶をして、いつもの椅子に座る。


一旦状況を整理しましょう…。ここは、あのゲームの世界。

『シンフォニエッタ~祈りの鐘~』 Ⅰ部〜Ⅲ部で構成される生前の世界で爆発的なブームを起こした乙女ゲーム。

このゲームは主人公が自分ではなく、"ティアラ"という女性の視点でプレイするタイプの乙女ゲームで、その主人公(ティアラ)にもキャラ設定や容姿設定もあり、五人の攻略対象と恋愛するシュミレーションゲーム…だったはず。


それで私は、『シンフォニエッタ』の悪役令嬢…シェリル・ティンダルーク。Ⅲ部のメイン悪役令嬢だ。

主人公ティアラの双子の妹…。Ⅰ部からティアラにしつこく嫌がらせをして、挙げ句の果てには、ティアラを禁忌魔法で殺めようとして死刑にされるはずだ。


それだけは絶対に嫌です…!!せっかくこの世界にこれたのに…!!

せめて…せめて…リルくんをこの目で見るまでは死ねません…!!


「おはよう、シェリル」

「おはよう〜シェリル〜」



あまり話す気にもなれませんから軽く会釈をして食事を始めた。


−−−−−−−−−−−−−−

食事を終えてわたしはすぐに自室に戻った。


わかったことが一つある。

今のシェリルは私だけど、私の中にもシェリルがいる。

例えばこの部屋の趣味…全体的に暗い色で統一されていてゴスロリっぽい小物が多い。

生前はゴスロリとか一生無理!!って感じだったけど、今は普通に可愛いと思う。

偶然かもしれないけど…。


生前の私はリルくんリアコガチ勢で…その気持ちは変わりませんけどね!!


「シェリル様…どうされました?

悩み事ならこのディアにおまかせ、ですよ!」


しかめっ面だった私にディアが気を利かせてそう言ってくれた。


「ふふ…いつもありがとう、ディア。

…そうね、、鏡を、持ってきてくれるかしら」


「はい。只今。」


そう言ってディアはドレッサーから手鏡を持ってきてくれた。

ディアから手鏡を受け取って自分の顔を見た。

黒いふわふわの髪。ティアラの真っ直ぐでサラサラの髪もきれいだけど、私はシェリルのふわふわの髪のほうが可愛いと思う。猫みたいな濃いピンクの目。まつげはながいし、肌は白い。鼻は小さくて、アヒル口…。


「ディア。…わたくしってとてもかわいいですわよね…」

ふざけてなんかない。大真面目だ。

「ええ…!!シェリル様はたいへん可愛らしいお顔立ちをされています…!!」

「ふふ、ありがとう」


私の顔は可愛い方だと思う。でもあと数年もすれば、ゲームの容姿みたいな妖艶な見た目になるのだろう。

(いやだなあ…。リルくんは可愛らしい顔のほうが好きそうだったし)

はあ…とため息をついた。そういえば、、、


「………ねえ、ディア?。普段の私って、、」

たしかシェリルは、横暴な態度で気分屋、おまけにプライドも高い…屋敷の使用人たちには心底嫌われていたはずだ。


「もしかして性格悪い…?」


恐る恐る聞いてみた。


「ええと…そうですねえ…他の使用人共はシェリル様のことを怖がっていると思います…」


遠慮がちにディアは答えた。


「あっ!でも、ディアはシェリル様が大好きですよ!」

ニコニコと答えてくれた。

「ディアぁ…私もディアが大好きよ…

…どうして私を怖がっているかとかわかるかしら…」


いや…まあ…理由はわかりきってるんだけど…再確認…


「そうですね…シェリル様はディアにはすごく優しいですけれど、その…他の使用人を無視したり、失敗は許さない、という感じでございますので客観的に見て、ディア以外に厳しすぎると思います」


………なるほど。

これは先が思いやられますね…。







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