Hitori.
くるくるしゃん、と少女が歩く
くるくるしゃん、と風が吹く
紅いおべべの袖の先で
回る小さな風車
くるくるしゃん くるくるしゃん
くるくるしゃん、と少女が唄う
くるくるしゃん、と風が吹く
紅いおべべを見下ろして
空ゆく小さな鳥が啼く
くるくるしゃん、くるくるしゃん
くるくるしゃん、と少女が歩く
くるくるしゃん、と陽が暮れる
紅いおべべに弾む足
藪入り土産が背でおどる
くるくるしゃん くるくるしゃん
くるくるしゃん、と少女が駆ける
くるくるしゃん、と荷がおどる
夜更けの道の闇の先
たたずむ家の戸が開く
くるくるしゃん くるくるしゃん