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Bodyguard - I


「へ?」


 この人の唐突さには慣れた気でいた。

 でもさすがにこれは不意打ちでしょ?

 なんの脈絡もないじゃない。

 だって、オレが今やってんの、書類整理じゃん?

 ・・・いちお、雑用じゃないんだけどね、オレの仕事。


「だから、お前がこの仕事をやっている理由は何だ」


 何だ、って言われても。ねぇ?

 プライベートじゃん。

 まぁ、四六時中張りついてるから、そんなのないに等しい生活してるけどさ。

 あ、でも


「あんたは?」


 あ〜。答えたくないって顔だね、こりゃ。

 だって眉間にシワよってる。

 『冷徹な人形』って嘘でしょ実は。

 その喋り方なんとかすれば、引く手あまたなのに。


「質問を質問で返すのか?」


 ホラ。可愛いきりかえし。

 ふだんやってる腹芸どこいったの?


「プライベート、なんだけど。一応。」


 でも、ま。

 アンタの理由教えてくれるなら話しちゃっていい程度のことなんだけどね。


「J・B。ボディーガード暦12年。

 そのうちS級要人警護が87%。任務達成率98%」


 あぁ、っとに。可愛くない。本当に可愛くない。

 それも一応はトップシークレットなのに。


「だが、それだけだ。ジョンなのかジェイなのかジョゼフィンなのか、気になって仕方がない」


 そこ!? つか、ジョゼフィンは止めてくんないかなジョゼフィンは。

 オレは男だから。


「・・・ここ二日ほどコンピューターにかかりきりだったのって」


 そんな顔で頷くわけね、ここで。

 ハッキングは犯罪だって。

 しかもオレの個人情報だって。

 学校で・・・行ってないから習ってるわけないか。


「だが、それ以上は軍の機密ファイルにすらなかった。

 お前は何者だ? J 」


 ったくもう。しかたないなぁ、この人は


「アンタが、自分のこと教えてくれるなら、教えてあげてもいいよ」


 これが、最大限の譲歩。

 任務終ったらオレの記憶だけ消しちゃうけどさ。

 まぁ、それまでなら別に知られてたってかまわないや。


「お前はズルイな」


 今更?

 そんなのはじめからだって。

 オレはね、すっごくずるいんだよ。博士。

 だから、知っててこんな質問をすることだってできちゃうんだ。


「ねぇ。アンタは何で、こんなとこにいんの? キルパトリック博士」


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