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イノシチ【2009年発行版】  作者: 宮本小鳩
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物語の前のお話

 おだやかな、どこまでも続いていそうな、とある海のとある場所に、その辺りに点在する島々の中でも、わりと大きめの島がありました。

「イモガラ島」と呼ばれるこの島には、イノシシたちが愉快に暮らしていました。

 この島全体の形は、北側が二つの角のような岬と、その間の凹んだ部分から成り、南側は下ぶくれのようにおおらかにふくらんだ海岸線を描き、まるでひとつの水ガメのような形をしていました。

 北側の地区は、南側に比べるとやや都会的で(あくまでやや、です)、流行の先端を行く街並みや、研究所などが立ち並んでいました。

 島のやや中央には大きな湖と、それを見下ろすようにそびえるイモガラ山があり、そこを境にした南側の地区は、農業を主体にした世帯の多い、のんびりとした田舎の村でした。

 島の名産品は里芋とキノコ、そしてイモガラ酒など、美味しい食べ物ばかりでした。

 イモガラ島から北西へ一時間くらい船を走らせた所には、ワイル島という、小さい島がありました。

 ワイル島は、イモガラ島では伝説の島と呼ばれ、古くからの王族による支配が続いている保守的なお国柄でした。ワイル島の住民でさえも、王室の者たちの顔を直に見たことがないと言われるほど、王族の一族は崇め奉られる存在となっていました。そのような島ですから、基本的に、この両国の間には、正式な国交の取り決めがなされていませんでした。

 ただ、ワイル島は活火山の影響で、自然環境がやや厳しく、島で生産できる食料は至って限られてしまうために、物資の豊富なイモガラ島から、一ヶ月に一回定期便の船が出ており、長い間、ワイル島とイモガラ島とを行き来できるのは、この輸送船のみとなっていました…。


 さて、以上のことをふまえたうえで、これから語られるお話の舞台は、イモガラ島北部の、内陸側に位置するキノコ町から始まります。

 この町の一番大きな通りで、道行く人の似顔絵を描いて暮らしている、とあるイノシシの青年。彼が、このお話の主人公であり、語り部です。

 彼の名前は、イノシチ。





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