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ある星のうた  作者: 福田有希
第三部;特進科
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第三部第四話;授業

「どのような特進科が出来上がるのか。お前達が作り上げていくんだ。」

百合先生がそう言ったけど、僕たちはどうしていいのかわからなかった。


「特進科という存在意義みたいなものもよくわからなかったね。」有香が言った。

「何かテーマを決めてそれぞれ話し合ってどんどんと話を広げていけばいいのかな?」

「でもそうすると教科書って必要になる?」

「授業は普通にあるんじゃないかな?それ以外に自分達のテーマを決めていくとか?」

「それもなにか違うような気がする。」


「百合先生!」「どうした美里。」

「特進科の本当の意味がまったく理解できません。教科書のの授業はあるんですか?」

「そんなのあるに決まってるだろ?」

「それなら普通に学ぶと言うことになりませんか?」

「学ぶだけではない、そこからお前達がどのように感じ、どのように思ったのか。

 どのように解いていったのかと言うものを望んでいる。」


「それは中間工程を重要視することと言うことでいいのでしょうか?」有香が聞いた。


「そこはお前達が自分達で考えていくんだ。いきなりやれと言っていない。

 この3年間の間にお前達自身が作り上げていくものだ。」


そしてチャイムが鳴った。

午前中の授業はここまでだ。お昼に行って来い。


僕たちは教室から出て食堂に向かっていった。

食事の間は僕たちは無言だった。

どうしていいのかわからずにそれぞれ考えていたのだった。


「これって本当に答えと言うものがでるのかな?」有香が聞いた。

「その答えを見つけることが答えになるんじゃないのかな。」美里が考えながらいった。

「禅問答になるようでおかしくなりそうだね。」有香がその答えに疑問を持った。

「すぐに答えを出さなくて良い問題・・・。」僕は考え続けた。


結局、食事の味がわからなかった。


午後の授業は普通に教科書の授業だった。

しかし、とても内容が濃くて凄く大変な授業だった。


チャイムが鳴り休み時間になった。

「なんか普通の授業より辛くなかった?」有香が言った。

「でもその当時の時代背景とか、暮らしとか凄く面白かったよ。」ルナは楽しそうだった。

「そういえば瑠奈ちゃんって前にテスト勉強の時に言っていたよね。

 そういう時代背景やその事件に至る問題とかそういうところまで覚えていきたいって。」

美里が思い出したように言った。

「そういわれてみればあの時にルナが言っていたことを、そのとおりに教わっている気がする。」僕が言った。


「もしかしたら瑠奈ちゃんの勉強の方法が、この特進科に活かせれるんじゃ無い?」美里がひらめいたようにいった。

「ルナの勉強方法というのは本当に特殊だぞ?あれをやるって言うのはかなり難しいと思うぞ。」

「でも瑠奈ちゃんの勉強方法と今教わっている勉強方法って合ってる気がするの。

 そして瑠奈ちゃんはどんどんと世界を広げていって図書室で本を借りている。」

「まだ習っていないもしくは高校では習わないであろうレベルの学術書や歴史書などを勉強してる。」

「でもそれも勉強というレベルであって身に付けているというレベルじゃないよね?」


チャイムが鳴り授業が始まった。

教科書以外にも先生はいろいろな書物を持ってきては教えていた。

もうそこには高校生の授業と呼べないものがあった。

非常に深く入り込んでいていろいろな視点から物事を見ているような授業だった。


チャイムが鳴り休み時間に入った。


「やっぱり瑠奈ちゃんの勉強方法にそっくりだよ。」美里が確信を持って言った。

「僕もルナの勉強方法に非常に近いものを感じたよ。」

「授業方法の対策は問題ないかもしれないね。」有香も確信を持ったようだった。


もう授業対策は完全だった。

ルナの勉強方法は僕たちにはもう馴染みのやり方だったからだ。


チャイムが鳴り今日最後の7時限目が始まったが、僕たちはもう苦には感じなくなっていた。


放課後になり、僕たちは放課後授業を受けに行った。

そして家に帰ってルナの勉強方法をもっとよく知っておこうとルナを講師にして勉強をした。

沢山の図書室で借りてきたと言う本の山と格闘していった。


高校では習っていないものも、一つの事柄からどんどんと広げていくと、

違う分野のところにまで広がっていった。

そして時が経つにつれて、自分達の得意な分野、不得意な分野と言うものがはっきりしてきた。

医療関係に強くなっていった美里、工学系が強くなっていった由香、

特に化学の分野に強くなっていったルナ、そして僕。

それぞれの得意分野にのめりこんで行き、そして時にはみんなで語り合っていった。


自分達の得意分野を語るときは凄く楽しかった。

そして違う分野の美里や有香の話も新鮮で凄く楽しい時間を過ごしていった。


毎日が違って見えてくる。

そして授業での深い内容にもさらに深く切り込んでいこうとする自分達が居た。


百合先生は僕たちを見て、本当に特進科の意義と言うものを見つけて行ったような気がしていた。

いつしか僕たちは特進科というものの意義を見つけたような気がしていた。


百合は考えていた、この子達にいろいろなことを教えていきたい。いろいろな分野を教えて行きたい。

そして自分達の生きていく道を沢山教えていきたい。


『道を狭めていく授業ではなく、たくさんの道を作り上げる授業でありたい。』


そう想いながら多くを学ばせようと必死になっていた。

4人は次々と覚え吸収して行った。


その時に校内放送が流れた。

『警備1係より、村山瑠奈、村山由真、村山有香 以上の三名は至急 警備部警備1係に出頭してください。』


「由真、お前達何かやったのか?」

「そういえば!」といってタブレット端末を開いた。

学校のソフトのアイコンに5という数字があり認証し開いて見た。

警備1係の出頭命令の催促だった。


「百合先生、前の抜け道事件の時のセキュリティ強化の件で出頭命令が来ていたのですが、

 出頭せず催促が来ていました。」

「あの時のか。こっちにはこっちの都合っていうものがあるんだ。よし全員行くぞ。美里も来い。」

美里はなんのことかわかっていなかったが一緒に行くことになった。


警備部・・・学校の警備を一手に引き受けている。警備会社に頼らず学校が作り上げた組織であった。


「特進科一同 警備部に出頭命令があり出頭しました。」百合先生が言った。

警備部は学校側に連絡し3人ではなく特進科としてきたことを告げた。

そして僕たちは警備部内にセキュリティレベル4で入れることとなった。


警備1係に通されて僕たちは1係長と警備課長に会うことができた。


「この前の抜け穴事件の時はお世話になったね。

そこで単刀直入に言おう。他に抜け道はいくつある。」


僕たちは急に発言を求められて萎縮した。


「全部で5つ見つかっています。」とルナが答えた。

僕たちはルナのその言葉に驚いてしまっていた。



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