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ある星のうた  作者: 福田有希
第二部;学校生活
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第二部第二十二話;理解度テスト

 家に戻って作戦会議。

 作戦といってもどうすることも出来ないが、

 僕には一つ気になることがあった。


「あの問題の量って凄くなかった?」有香が言った。

「私はギリギリ問題が解けたくらいでちょうど終わったけど、

 みんなはどれくらい出来た?」と美里が聞いた。

「私もちょうど一番最後の問題が解けたくらいでチャイムが鳴った。」

 とルナが言うと、

「私もそれくらいでちょうど終わったよ。」と有香が言った。

 三人はずっと黙ってる僕のほうを見た。

「由真はどのくらい出来たの?」有香が聞いてきた。

「一番最後の問題が終わったころにチャイムが鳴ったよ。」と僕は言った。

「何か気になることでもあるの?」とルナが聞いてきた。


「あの台車の音だよ、威圧的であれを聞くとついにきたか。

 と思って辛くなって来るんだよ。」

「あ!それ私も感じた。ボス戦の前の来るぞ。という感じだったよ。」

 有香が言った。

「あの音を聞くと落ち着こうとしてても落ちつかなって来るよね。」

 美里が付け加えた。

「そうなんだよ。あの台車の音ってさ、やけに音が大きくなかったか?」

 とみんなに聞いた。

「そういえば凄く大きな音に聞こえたね。窓側にいたのに聞こえてたよ。」

 有香が言った。


「それがどうしたの?」とルナがさらに聞いてきた。

「うん勘違いかもしれないけど、恐怖心をあおるような感じだったんだ。」

 僕が感想を言うと、

「わざと集中させないために?」美里が聞いてきた。

「どう考えてもあの本のような量の問題は異常だろう。

 次も来るぞっていう怖さがあったんだよ。」


 僕がそういうと3人は考えていた。

 確かにあの問題の量は異常で、

 あれが次も来ると思ったらやる気がなくなりそうだった。

 それをさらに煽るようにいつも台車の音が聞こえてきた。

 これは偶然の一致なんだろうか?

 それにあの台車の音は普通の音と違ってとても大きく聞こえた。

 帰りにダンボールの箱をいくつも運んでいた台車の音に比べたら、

 実際に全く違うものであった。


「あの音って本当に台車の音だったのかな?」美里が言ってきた。

「どういうこと?」と僕は聞いた。

「だってさ、台車ってあんな凄くゴロゴロって言ったっけ?」

「そういえば確かに台車の音じゃないかもね。」有香が言った。

「放送のスピーカーから流してる・・・?」

「でもどうしてそういうことをする必要があるの?」美里が聞いた。

「集中力を途切れさせようとしている。

 覚えたことを忘れさせようとしている。」

「何のために?」


「テストの点数を取らせないようにするため。赤点を取らせるために。」

 僕がそういった。

「どうしてそういうことをする必要があるの?」美里が聞いてきた。

「そこはわからないけど。おかしいと思わないか?

 200人収容の学習棟をもうきめてるんだよ?」

 僕は今までの疑問を投げかけた。

「それは、はじめからほとんどの生徒は赤点を取ると、

 学校側は確実に決めていた。」有香が言った。


「どんな環境下でも、どんな状況下でも集中できる人材であるかどうか。」

 ルナがいきなり話した。


「つまりテストと称して常に集中力が継続できるか。

 そしてどんな環境でも物事をやり遂げることが出来るか。」

 僕はルナの言葉からそういう回答を得ることが出来た。

 僕達は言葉を失ってしまった。


「どうすればいいの? 対策のしようが無いよね。」美里は考えていた。

「台車の音を気にするな。ダミーだと思うようにしよう。

 そしていつも通りの僕達の勉強をすればいい。」僕はそう言った。

「集中して、楽しんでしまおう。」ルナがそう言った。


「それしかないか。」

「うん、そうだね 頑張っていこう。」有香と美里が笑顔で話した。


「今日はゆっくりと過ごして今日の疲れを取って、

 明日からのテストに備えよう」

 僕はみんなにそういった。

「了解!由真 私、お風呂を入れてくる。」有香がそう言うと、

「私たちは食事の用意でもしちゃおうか、瑠奈ちゃん」美里がいった。

「うん、美里ちゃん 美味しい料理つくろうね。」とルナが答えた。


「それなら僕は紅茶でも飲んでゆったりとしてるよ。」

 僕はそう言って紅茶を作って飲んでいた。


『校長の意向でね、この学校を有名進学校にしたくて、

 特進科コースを作りたいそうだ。

 その特進科メニューを今回の入試試験でテストしたいそうだ。』

 ルナと有香の編入試験のとき百合先生が言った言葉を思い出した。


「特進科コース・・・・・・。」

 もしもこのテストが特進科入学テストだとしたら、

 特進科の生徒数は成績上位10名・・・。

 学力主義では無い、完全な実力主義のコースだ。

(まさかね・・・。)

 僕はそんなことはありえないだろう。

 でも、もし特進科コースが出来るとしたら、

 この異常なテスト方法も考えられると思った。


 みんなで食事を食べて、そしてルナたちはお風呂、

 僕は1人で明日のテストのことを考えていた。

(これって無事にテストが終われるのかな?)

 そちらのほうが心配だった。

 絶対に体調を崩して休む人が続出するぞこれは・・・。


 みんながお風呂から出てきたので僕はお風呂に入ることにした。


 *+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+


 次の日、テスト日2日目。僕の予想通り、体調不調者が出てきた。

 もちろん今日のテストは出来ない。と言うことは休めば赤点確定だ。


 また廊下のほうから、ゴロゴロと台車の音が聞こえてくる。

「もう気にしないよ。これるものならきやがれって言うんだ。」

 僕はさらに分厚いA4サイズの問題集を見た。

 昨日より凄い厚さだった。


「では名前を書いて。はじめてください。」


 僕の得意科目だったので、次々と問題を解くことが出来た。

 問題を解くことが楽しくなってきていた。

 最後の問題が終わってもまだ時間が余っていた。

 僕はもう一度解いて見て、間違いが無いかをチェックした。

 チェックの途中でチャイムがなった。


 もう台車の音が怖くなくなった、僕は今までより集中することが出来た。

 そして今日のテストも終わることが出来て、

 ルナと有香と美里と食事をしてから家に帰った。


 ルナも有香も美里も全く問題が無くテストが出来た。と言うことだった。


 *+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+


 テスト日3日目。 体調不良での休暇続出者がさらに増えた。

 もう半数くらいが休暇するという事態になっていた。


 これは赤点200人以上という本当の意味がわかってきたように思った。

 さらに分厚いテスト問題が来た。

(昨日は理科も数学も終わっている。社会も初日に終わっている。

 こんな分厚いテストがある教科ってもう無いんじゃないか?)

 僕は不思議に思っていた。


「名前を書いて。でははじめてください。」

 ページを開くとそこには恐れていたことが現実となっていた。


(家庭・・・家庭基礎、家庭総合、生活デザイン)


 出ないと思って勉強をしていなくて、

 ルナの一声でとりあえずやってみようと言った、

 あの教科がテストに出たのだった。

 僕は深呼吸をして問題を解いていった。

 僕もこれはさすがに動揺してしまっていた。

 集中がなんとか続いて無事にテストを終えることが出来た。


「テスト勉強をやっておいて正解だったよ。ルナ、本当にありがとう。」

 僕はルナに感謝した。


 クラスを見渡すと絶望感が漂っていた。

(普通、そうなるだろうなぁ・・・。)と僕は思っていた。


 他の教科も難無く終わり。また4人で帰る事にした。


「瑠奈ちゃんありがとぉ!」もう興奮していた有香がルナに感謝していた。

「まさか家庭の教科もテストに出るなんて、誰も思っていなかったもんね。」

 美里も驚いていた。

「家庭科目なんて男子はやらないから、

 絶対に僕もアウトだったよ。助かったよ。ルナ。」

 ルナは顔を赤くして喜んでいた。


__________________


 校長室とプレートがついている部屋の扉がノックされた。

「入ってきなさい。」中から声がした。

 皆藤百合が校長室に入って行った。


 校長室には教頭がいた。


「村山由真。村山瑠奈、村山有香、村山美里 4名が無事に通過しました。」

 皆藤百合が校長と教頭に報告した。


「村山兄妹の4人が通過したか。」

 校長と教頭が顔を合わせた。


「皆藤百合先生、後のことはよろしく頼むよ。行ってよし。」


 皆藤百合が校長室から出て行った。

「この調子なら4日目も無事に通りそうだな。」校長が言った。

「村山有香と村山瑠奈は通過するとは思っていましたが、

 まさか村山由真と村山美里まで通過できるとは思っても居ませんでしたよ。」

 教頭が驚いた様子で校長に言った。


「そこは村山家の血筋と言うものなのかも知れんな。」


「これでやっと動きだすことが出来ますな、校長。」

「あぁ。やっと動くことが出来る。これでやっとな。」

 校長と教頭は窓の外を見た。


 ちょうど下校している村山兄妹をみていた。


 *+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+


 テスト最終日


 この日も欠席者が半数以上になっていた。

 さすがに連日の分厚いテスト問題に僕も飽き飽きしていた。

(いかんいかん集中集中!!!)

 といって両ほっぺたをパチンと叩いて気合を入れた。


 そしてもう薄くなっているA4サイズの問題が机に置かれると

「名前を書いてください。はじめてください。」

 という合図で一気に勝負をかけた。


 今日のテストが無事に終了した。

 これでテストが本当に終わったんだ。

 安心していたら寝そうになった。


 僕はすぐにルナや有香、美里の居る教室に向かった。


「おわったぁ!」と言ってルナは僕に抱きついてきた。

「こら!ルナ!やめって。」僕はルナを引き離した。

「もう瑠奈ちゃんてば。でも瑠奈ちゃんの気持ちはわかるわ。」有香が言うと、

 美里も「本当にそうだね。気持ちは凄く判る。」

 と言って僕とルナを見ていた。


 また食事を食堂で食べてから、僕達は家に帰る事にした。


 後は結果待ちだ。

 僕達はあのテストを乗り切ったんだ。凄い達成感が僕達にはあった。


 家に帰ると本当に終わったという感じで一気に疲れが来た。

 有香が「ちょっと横にならせてくれる。」といってソファーに横になった。

「私はお風呂の準備しちゃうね。」とルナが言った。

「それなら私は食事でも作りますか。」と美里が言って台所に行った。


 僕は紅茶を飲んだ。

 とても美味しい今までに無いような最高の味がした。



この『理解度テスト編』で全文字数が20万文字達成しました!

そんなに書いていないと思ったし、20万文字って言ったら文庫本一冊分ですよね。

記念に『ソース焼きそば』を食べました。

入れ物が変わっていてびっくりしました。フタで湯きりをやっていたのに。

どんどんと変わっていくものだなぁと思ってしまいました。

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