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ある星のうた  作者: 福田有希
第二部;学校生活
34/61

第二部第十六話;おかえりなさい。

これで「田辺美里の物語編」が終わりになります。

長かった。と思っていますが、なんか一気に書いてしまったような気がしました。

 田辺美里の事件が終わり、朝を迎えた。

 僕は起きるとなにやらすごく柔らかい感触で目が覚めた。

「わ! ルナ!」

「由真 おはよう・・・。」

 そうだった僕は昨日、ルナが抱きしめてくれていて、

 僕はルナの腕の中であまりの辛さに泣いた。

 そしてそのまま寝てしまったのだった。

 ルナも僕を抱きしめたまま眠ってしまっていたのだった。


「ルナ!寝るな。起きてシャワーを浴びて来い!」

 ルナを起こしてシャワーに行かせた。

 僕はまだルナの体の柔らかい感覚が残っていた。

(うーんこれは・・・嬉しい事と言っていいのかな?)

 僕は一晩付き添ってくれたルナには感謝していた。

 さて、僕も起きてルナの後にシャワーを浴びよう。


 一階に降りると有香が食事の支度をしていた。

 目が腫れぼったくて赤くなっていた。


「有香、あのさ・・・。昨日は本当にありがとう。」

「ねえ由真。これから田辺さんはどうなるの?」

「どこかの施設に行くと聞いてる。

 百合姉さんが知ってる特別な施設らしい。」

 有香が涙を浮かべた。

 僕は有香を抱きしめてあげた。

「そこはいい施設なの?」

「百合姉さんが任して欲しいって言っていたからいい施設だと思うよ。」

 それ以上は僕も知ってはいなかった。

「そっか。それなら大丈夫だね。」と有香が言った。


「さて今日はとっても美味しい朝食をつくるからね!ちょっと待っててね。」

 有香はそういって朝食を作り出した。

 ルナがシャワーから出てきたので、僕もシャワーを浴びに行った。


(本当に良いところだといいな。)と心から思った。

 シャワーから出てから僕は制服に着替えて、

 3人で朝食を食べた。

 そして学校へと向かった。


 教室に行くと田辺の姿は無かった。


 百合先生が教室に来て教壇に立った。

「号令は!副委員長!」

 そうだったいつも毎日田辺がやっていたので全く気が付いていなかった。

「起立!」「礼」「着席!」

「委員長が居なかったら副委員長がやる。

 決まってることだろ。由真!しっかりしろ!」

 朝から怒られてしまった。

「今日は田辺は家の都合で休みだ。

 保健委員!そういうことで休みの管理はよろしく頼む。」

 佐久間智樹(ともき)と鈴木一美(ひとみ)が「了解しました!」と答えた。


「さて今日の議題は何かあるか?」

「百合先生」 保健委員の鈴木一美(ひとみ)が手を上げた。

「一美、発言を許可する。」「ありがとうございます。」

「先ほどの田辺美里さんのことなのですが、

 何日間の休日届けということでよろしいでしょうか?」

「一美、座ってよし。」

「今日一日で良い。

 明日も休みになったらそのときは私が言う。それで頼む。」

「了解しました。」


 僕は今日一日だけの休みということで驚いた。

 警察への事情聴取や施設への引越しなどで

 もっと時間がかかると思っていたからだ。


「何か他にあるか?」

「百合先生」風紀委員の水戸紗江だった。

「水戸、発言を許可する。」「ありがとうございます。」

「田辺美里さんのことで学校内が騒がしくなっているのですが、

 学校の対応はどのようになっているのでしょうか?」

「水戸 座ってよし」

「学校側は何もしない。情報規制も行わない。

 言いたいやつは言わせておけばいい。それだけだ。」

「了解しました。」


(もう学校中に田辺の親のことが知れ渡ってるのか。

 情報を流しているやつはどういうやつなんだろう?)

「由真、お前も何も動かなくていい。放っておけ。」

「了解しました。」


「他に何かあるか?」

 そう百合先生が言ったときに、タブレット端末がメールを受信した。

「由真!メールが来ているぞ!

 学級委員長や副学級委員長のそのメールは何よりも最優先される。

 授業中であろうと、私が話しているときであろうと、

 かまわずにすぐに確認しろ。」

「了解しました。」

 僕はタブレット端末を開いて見ると、

 学校でインストールしたメールソフトのアイコンに『2』と付いていた。

 僕はそのメールソフトを起動させると

 学校の校章が画面に映し出され『認証』というボタンが出た。

 僕は認証ボタンを押し、学生証をかざした。


『承認』と画面に出てメールソフトが開いた。

 一通は暗号化されていて読むことができなかった。

 僕の学生証では認証レベルに達していないようだった。

 もう一通は読むことができた。


『学校のセキュリティレベル引き上げについて。 差出人 警備1係』


(どういうことだ?)と思いメールの内容を読んだ。


『前回の抜け道が見つかった点について、

 抜け道を見つけ出した学生3人を警備課に出頭を要請します。

 日時は9月21日、金曜日 午前9時とします。』


「百合先生」僕が手を上げた。

「由真、発言を許可する。」「ありがとうございます。」

「副学級委員長から連絡します。警備1係からメールが来て、

 自分と瑠奈、有香の三名に、

 9月21日朝9時に警備課に出頭命令が来ました。」

「出頭命令の用件はなんだ?」

「学校のセキュリティレベルを引き上げるため、

 前回抜け道を発見した三人を召集したいと書かれています。」


「要するに他の抜け道が発見できなかったから、

 抜け道を見つけたお前らに助けて欲しいというわけか。

 由真、瑠奈、有香の三名は9月21日0900に警備課に出頭しろ。」

「了解しました。」僕ら三人は了承した。


「さてもう他にあるか? なさそうなのでHRを終了する。」

 やっと終わったかと思っていると、

「由真! お前が号令をかけろと言っただろうが!」とまた怒られた。


「田辺さん明日には来れるって言っていたけど本当かな?」

 有香が心配そうに言った。

「百合先生が言うのならそうじゃないかな。」

「施設の場所がわかったら行ってみてきたいね。」

「うん どういう場所か見ておきたいな。」

(本当にいい場所だったらいいな。)と思った。


「ところでさルナ。」

「由真、どうしたの?」

「さすがにもう秘密の通路というのは発見して無いだろうな?」

 僕は今日の警備課のメールを気にしていた。

「さすがにそんなにたくさんは見つけてないよ。」とルナが言った。

「そんなにたくさんというのはどういう意味かな?」

 僕は心配になってルナに聞いた。


「今は3つくらいしか見つかっていないかな♪」

「3箇所も学校に入れる通路を見つけていたのかよ!」

 警備課がくまなくチェックして見つからなかったのに、

 ルナは3箇所も警備の抜け穴を見つけたというのかよ!


「セキュリティって言うのは強固にすればするほど

 抜け道はできるものなの。強固にして人は安心する、

 そしてその安心が脅かされてさらに強化しようとするものなの。」


 要するに絶対にいたちごっごがいつまででも続くって言うわけか。

 いやな世の中だねぇ・・・。


 僕は外を眺めた。そして僕は考えていた。

(今、田辺美里はどうしているんだろう。)


 今週末にテストがあるということで、

 だいぶピリピリしてきた感が見えてきているクラス内。

 そして授業も本腰になってきたような気がしてきました。


 今日もやっと授業が終わり買い物に行って、

 たくさんの食品などを買い込んできた僕達は、家にやっと着くことができた。

 そして、いつものように着替えてお風呂の掃除をしたり、

 食事の用意をしたりといつもの僕達の生活が戻ってきたように感じた。


「あ!そういえば、ルナと有香に渡すものがあったんだった!」

「え?なになに?なにかくれるの?」ルナがすぐに聞いた。

「どうしたの?なにかあるの?」と有香もこっちに来た。

「ちょっと待って今、部屋から取りに行ってくるから。」


 僕はすぐに部屋に行って大きな袋を二つ持ってきた。

「わぁ!すっごい大きい!」ルナがびっくりしていた。


「こっちがルナのプレゼント、そしてこっちが有香にプレゼント。」

 僕は袋をそれぞれルナと有香に渡した。

「ねえ、これ開けていい?」ルナがわくわくして言った。

「これ一体何なの?」有香はちょっとびっくりしている。

「いいから早く開けてみてよ。」と僕は言った。

 2人は袋を開けて中を覗き込んだ。


「わーい! ぬいぐるみだぁ!!!」ルナが大喜びして中身を袋から出した。

「テディーベアだね。凄く大きい。」有香がつかさず言った。


「田辺と東区に行ったときにデパートに寄ったんだよ。

 そのときにショップで見かけて

 『ルナと有香に何か買ってあげたいな。』って言ったらさ。

 『これがいいんじゃない?』って田辺が選んでくれたんだよ。

 やっぱりあの人たちには、ぬいぐるみでしょ?ってな。」

 僕はそのときのことを思い出しながらそういった。


 ルナは大喜びでクマのぬいぐるみを抱きしめていた。

「このクマさん、すごく可愛いよ!本当にありがとう!」

 まるで子供のようにクマのぬいぐるみを抱きしめてそういった。

 僕と有香はルナのその行動がすごく可愛らしくって笑ってしまった。

 有香もクマのぬいぐるみをみて、

「うん、確かに可愛いね。ありがとう由真。」と喜んでくれた。


「ねえ、なんか家の前にトラックが止まったよ?」とルナが言った。

「宅配便でも来たのかな?」と僕は思った。


『ピンポーン』


 僕はすぐに玄関の扉を開けると百合姉さんが立っていた。


「由真、瑠奈、有香、全員揃ってるか!」

「百合姉さん、一体どうしたの?」僕はびっくりして言った。


「由真! 新しい入居者だ!」

(どういうこと?)と僕達は顔を合わせた。

 そして百合姉さんの後ろから、

「こんばんは・・・。」と女の子が出てきた。

 田辺美里だった。


「百合姉さん、一体どういうこと?」僕はどういうことかわからず聞いた。

「由真、確か二階の部屋は4部屋でもう一部屋が空いていたよな?」

「うん、後一部屋空いているけど、それがどうしたの?」

「だから、そこに田辺美里を入居させる。」百合は答えた。


「え?だって百合姉さん、田辺は施設に行くだろうなって言っていたじゃん!」


「私は『()()()施設に行く。』と言ったんだ。

 ここもそういうような感じだろ?」

 百合はルナと有香を見てそういった。


 田辺美里との同居がここに決定した瞬間でもあった。


「由真!トラックの荷物を全部、部屋の中に入れろ。」

「え?僕1人でやるの?」

「有香、お前も手伝ってやれ。

 瑠奈!お客人にお茶の一つも出せんのか?」

 僕達はすぐに急いで百合姉さんをの言ったとおりにした。

「田辺、お前もさっさと家の中に入らないか!」

 田辺が「お邪魔します!」と言って家の中に入った。


「田辺!『お邪魔します。』じゃないだろ!」百合姉さんが強い口調で言った。

 田辺はびくっとなった。

「これからは『ただいま。』になるんだよ。田辺。」僕がそう言った。


 田辺は「ただいま!」と元気に言った。

 そして、僕、瑠奈、有香の三人は揃ってこういった。


「おかえりなさい! 田辺さん。」



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