表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある星のうた  作者: 福田有希
第二部;学校生活
29/61

第二部第十一話;美里とのデート

第十話と第十一話で由真の行動と有香の行動でシンクロしている部分があります。

同じ場面展開の部分があるので台詞が同じになっています。

 田辺美里・・・一学期の一年学級委員長を務め、

 二学期も一年学級委員長を務める。

 成績はすごく優秀で学校の成績優秀者上位5人の中に必ず入ると言う。

 性格はいつもオドオドしていて自信がなさげなのだが、

 すごくやさしくて面倒見が良く、

 クラスの中ではいつも優しい委員長としてみんなから愛されている。


 その田辺美里から学校のものがほしいからと言うことで荷物持ちとして、

 今日の9時に駅で待ち合わせと言うことになっている。


 今日は日曜日、本当ならいつもより遅く寝ていたいところなのだが

 朝、僕はいつもより早く起きてしまった。


 5時30分・・・ありえねぇ・・・いつもなら熟睡している時間だ。

 しかしここで二度寝をしたら絶対に遅刻すると言う魔の時間だ。

 仕方が無いので僕は起きて着替えることにした。


 一階に降りて顔を洗い、歯を磨くと有香が起きてきた。

「あれ?今日はすごく早いじゃん。」

 有香がいつも起きる時刻にちょうど合ってしまったみたいだった。

「有香、今日は日曜日だぞ。日曜日でもこんな時間に起きるのかよ?」

「いつもの癖で私はこの時間に起きるように体が慣れてるの!

 由真は田辺さんとデートだから興奮して寝れなかったのかな?」


 有香がいつも以上に突っかかってくる。ちょっとむかつく。

「違うよ。なんか目が覚めたから二度寝しないように起きただけだよ。

 それに今日はデートじゃなくって、

 田辺が学校に必要なものがあるって言うから荷物持ち。」


「ふーん。果たしてそうなのかな?田辺さんは由真のこと好きそうだし♪」

「そんなことは無いよ!」と有香に怒鳴った。


「もう・・・由真も有香ちゃんもうるさいよぉ・・・」

 といってルナが降りてきた。


「ごめんルナ! 起こしちゃったか?」

「今日は瑠奈ちゃんと私は田辺美里さんの家に潜入捜査しに行くから、

 早めに起きるように瑠奈ちゃんに言っておいたのよ。」

 僕らはリビングの椅子に座った。


『由真、あの子を助けてあげて!』

『田辺さん 家があっても親が居ても何も無い感じがするの。』

 ルナの昨日の言葉が僕や有香には引っかかっていたのだった。


「とにかく無茶な捜査はするなよ。

 この前の学校に秘密の抜け穴で学校に進入して、

 僕達はすごく怒られたばっかりだろ。

 もうあんなことは絶対にごめんだからな。」

 僕はルナと有香にしっかりと釘をさすように言った。


「でも田辺さんを助けなくちゃいけないの!」ルナが力強く抗議した。

「今の全く現状が判らないと言う状況ではどうすることもできない。

 判っているだろ?」

「だから瑠奈ちゃんと私が家のほうの捜査をするんじゃない。

 由真はできるだけ田辺さんの口からいろいろと情報を聞き出してきなさい。」

 情報を聞き出せってどうすりゃいいんだよ・・・

「ちゃんとデートして来い!」って言う意味よ。

 有香にはさすがにかなわない。


「あ!それと本気で由真が田辺さんのことを好きになってしまって、

 本気で浮気したら瑠奈ちゃんと私がどう出るのかそこも考えておいてね。」

 女って本当に怖い・・・


 朝ごはんを3人で食べて僕はのんびりと9時に駅前に間に合うよう、

 時間調整していたのだが、

 ルナと有香は何か作戦会議を開くと言い出してルナの部屋に入っていった。

 本当に何事も無ければ良いと思うのだけど、

 はっきり言って心配なのであった。


 もう良い時間になり僕は家を出た。

 そして駅前に8時40分に着いたらもう田辺美里が待っていた。

「あれ?もう待っていたの?ごめん!」

「いいの 私がすごく早く来ちゃったので勝手に待っていただけだから・・・」

「今日行く店って何時になったら開くの?」

「デパートだから電車に乗って9時に開くとおもう。」

「サンスト?それともプレハ?」

「私はサンストに行きたいなって思っているところ。」

「それならここから40分って言うところだね。」

 僕と田辺は電車に乗った。


 まず北浜駅に行き、そこからバスに乗り換えて無事にサンストに着いた。

「東区って久々に来るな。」

「由真君はそうなんだ。私は東区より北区が一番好きかな。」

「そうなの?北区ってどちらかというと、

 商業地区って言うより農業地区って言う感じじゃないかな?」


 僕達の住んでいるところは『松浜市』と言うのだが、

 政令指定都市になっていてとても広いため、

 中区、東区、西区、南区、北区、北浜区、天竜区と、

 地区が6つに分かれている。

 北浜区には我が城北第一高校がある。

 逆にそれくらいしかなくスーパーやらコンビニとか

 本当に普通の町というくらいしかない。


 南区は海側にあるので海産資源が豊富で港もある、

 海の幸と言ったら南区という場所だ。

 西区は果樹園や畑などが多くあり、

 特にみかんやお茶の生産が多くある地区になっている。

 北区は工業エリアになっていて工場が立ち並んでいる。

 東区はとくに住宅都市となっており、多くの住宅街が存在している。

 中区は市の中心都市で大きな商店街になっており、

 中区に行けばほぼ確実にほしいものが手に入る。


 松浜城が中区にあるため全都市を全部合わせて

『城下街じょうかまち』と比喩する人も居る。


「田辺はなんで北区が好きなの?」と僕が聞くと、

「公園が一杯あるから。」と答えた。

 公園ねえ・・・確かに東区や北浜区などには、

 公園と呼べる大きな広場や遊び場が少ない。

「公園が好きなの?」と僕が聞くと、

「小さいときね。良く公園で遊んでいたから。」と言った。


「行きたいところはここだよ。」と田辺が言った先は、「パソコンショップ?」

「うん、先生がね。生徒評議会(生徒会)で決められたことはすぐに

 職員室や学級委員会室に通達ができるようになっているけど、

 運営委員会室にも通達ができるようにパソコンをつなげたいと言ってきたの。

 でも私ってパソコンって知らなくってどうしようって思ってたの。」


「そういうことって学校でやることじゃないの?

 学校運営の一環だし、学校の設備になるんでしょ?」

「学校で使うのは学校の設備になって、

 運営委員会室のほうは学校で準備するみたいだけど、

 学級委員長と副学級委員長も常に持ち歩いているように、

 と言うことになって、

 なんていうんだろ・・・こう小さいやつ。」


「タブレット端末のこと?薄くってこれくらいの大きさのもの」

 と僕は大体の大きさを指でやった。

「そうそれ!学級委員長と副学級委員長は、

 それを常に持ち歩くようにということに決まったの。」


「それでお前達が使うんだから、

 お前達が使いやすいものを購入してきなさい。って言われたの。

 これから学級委員長と副学級委員長には、

 そのタブ何とかって言うものを学校支給されるんだって。」


「支給されるって言うことは学校から頂いちゃっていいって言う意味?」

「うん、そうみたい。」と田辺が言った。

 なんてリッチな学校だよ。

 タブレット端末を学級委員長や副学級委員長になったら、

 学校からプレゼントされるのかよ。


「常に持ち歩いてるの?そのタブレットって。」と僕が言うと、

「常に持ち歩いていてほしいって言ってた。」

「そしてすぐに返信してほしいから、

 キーボードっていうものが付いていたらとても助かる。」って言ってた。

 フルセットのタイプを個人支給されるのかよ!


「それで学校の希望は他に何か言っていたの?

 メーカーとかソフトの関係でこれにしてほしいとか?」

「たしかプログラムのほうは、どの機種でも対応できるようになってるから、

 自分の好きなものを買ってきなさいって言ってた。」


 マジかよ!何でもいいのかよ!

 やばいぞ僕は欲しかったんだよタブレット端末!僕は興奮してしまった。


「そういえば何処にいても使えるようにということで、

 常にネットにつなげれるように

 通信の契約もしてきて欲しいといわれたっけ。」

「通信メーカーは何処でもいいの?」

「そこまでは言われていなかったよ。」

 田辺は何を言っているのか判っていない様子だったが、

 僕はとても嬉しくなってしまった。


 ショップの中に入ってタブレット端末のコーナーにいくと、

 いろいろなメーカーのタブレット端末が置いてあった。

「ちょっと、これが全部そのタブレット端末っていうものなの?」

 田辺が初めて見たと言う感じだった。

「そうこれがタブレット端末だよ。メーカー別に置かれているけど、

 大きさも使いやすさもやっぱり違うからどれにしたらいいのかな。」

 店員が来てタブレット端末でキーボードがつけられて、

 持ち運びに便利なものを何種類か選んでもらった。

 店員がその機種対応のキーボードまで持ってきてくれて話が弾んでしまった。


「僕のお勧めならこれかな。次はこれがいいと思う。」と二種類を指した。

「ちょっと使うことできる?使いやすさとかみたいから、

 キーボードとかつけて入力もやってみたい。」

 と店員に言ったら使わせてくれた。

「どんな感じ?」と田辺に聞いてみると、

「これって何処のボタンをを押すとこれが使えるの?」と聞いてきた。

「画面と指で軽く押してごらん。」

 って言うとすぐにソフトが起動して使える状態になり田辺が驚いていた。

「すごい!画面もボタンになっているんだ!」

「ちょっと意味が違うんだけど・・・」そこはそれでいいとしよう。


「これにする?」って聞いたら「うんうん」とうなずいていた。

 店員に色と聞かれて僕はゴールド、田辺はピンクゴールドにした。

「学校で使うのでこれのメモリ最大のものでお願いします。

 そして画面が割れないように硬質ガラスを張り付けてもらって、

 それで充電をしておいてくれます?

 後、通信メーカーはこれで今、契約をしたいのでお願いします。」

 と僕が言った。


 メモリを最大にする必要は全く無いのだが、

 学校支給ということで僕の独断で決めてしまいました。

 キーボードとカバーは一体型で本体をはめ込むタイプを購入、

 もちろんキーボードも充電してもらった。

 充電器は入っていないと言うことなのだったが、

 そこはサービスで付けてくれた。

 通信設定も終わり完全に使える状態にしてもらった。

 メールアドレスも作り、メールの設定も無事に終わることができた。


「ねえ田辺、学校支給ってことは学校に請求書を送っちゃえばいいんだよな?」

「えっとそれも聞いたよ。

 私立城北第一高校運営委員会室 室長 水野幸久先生宛に

 請求書を回してくれって、本体はそのまま持ち帰って、

 明日に水野先生に本体ごと全部持ってきて欲しいって言ってた。」

 お店の人に請求書の宛先を言って学校に連絡してもらった。

 田辺と僕の学生証を見せて証明して持ち帰ることができた。


「すっげぇ!フルスペックのタブレット端末かよ。これ欲しかったんだよな。」

 僕が大喜びで居ると、

「でも学校から支給といってもちゃんと委員会のお仕事用ですからね。」

 と田辺が僕に言った。

「了解です!委員長。もちろん委員会のお仕事はしっかりやるよ。

 よろしくな。」

「由真君それでね、実はこういうのは初めてで使い方が判らないの。」

「そういうことは僕が教えていくよ。

 だからわからないことがあったら僕に聞いてくれよ。」

 田辺は本当にありがとうとお礼を言った。


 お昼になってどこかに食べに行くか?と聞いたら、

 お弁当を持ってきてるから、あっちの川原に行って食べようって言って、

 川原に2人で腰掛けて食事を2人で食べることにした。


「それでさ。言いたくなかったら言わなくてもいいんだけどさ。」

 僕が田辺に言った。

「何? 言えることならちゃんと由真君に言うよ?」と答えてくれた。

「言いにくいんだけどさ、施設にいたっていうのは本当か?」

「うん 実は私は、この北区の施設にいたの。」


「それはいつ施設に入ったの?」

「私がすごく小さいとき。

 そして里親が決まったのは小学校3年の終わりころくらいかな。」

「親戚とか居ないの?」

「実はそれが全くわかんないの・・・」

「どういうこと?」

「親は亡くなったって聞いてるけど、実は私は知ってるの。

 施設の前に捨てられて居たんだってこと。」


「もしかして親は生きている可能性があるっていうこと?」

「それは私にはぜんぜん判らない。」

「今の里親はどうなんだ? よくしてくれているのか?」

「どうだろうね・・・

 一応ここまで育ててくれたんだから良くはしてくれているのかもね。」

 といって田辺は遠くを見つめた。


「まだ早い話だけどさ。高校を卒業したら何になりたいんだ?」

「何になりたいとか具体的には決めていないけど、まずこの街を出たいかな。」

「この松浜市は嫌いなの?」

「嫌いじゃないよ。でも早く家を出たいと思ってる。」

(ルナの言っていた通り、何か家庭の事情があるように思えた。)


「ねえ田辺お願いがあるんだけど、今度、僕らと一緒にテスト勉強しないか?

 ほら、家にはさ瑠奈と有香が居るけど、

 こっちに来たばかりで学校のテストのやり方とか知らないしさ。


 僕が勉強を教えると言うのは確実にどう考えても無理がある。

 そこで田辺が来て教えてくれたらすごく助かるなって思ってさ。」

 田辺はちょっと考えて「うん、いいよ。」って答えてくれた。

 来週月曜日から放課後に田辺が家に来て勉強を教えてくれるようになった。


「ご馳走様でした!ご飯おいしかった!これ全部、田辺が作ったの?」

「うん 家では全部自分のことは自分でやるって決まっているから、

 全部、自分で作ったよ。」

「こんなに美味しくできるのなら、瑠奈や有香にも料理を教えて欲しいな。」

「瑠奈さんも有香さんも料理ができないの?」

「いや、一応はできるけど、ここまで美味しくない・・・」

「私は独学で作ってるからしっかりしたものって私もできないよ。」

 といって田辺が笑った。


「さて、午後は何か買うものがある?」

「こんなに早く決まるとは思っていなかったから何にもないかも・・・」

 と田辺が言ったので、

「それじゃデパートに行こうか。せっかく東区に来たんだから遊んじゃおう。」

 僕と田辺は午後は思いっきり遊んだ。

 デパートに行ってちょっと買い物に行って、

 楽しい時間を過ごした。田辺は本当によく笑って楽しんでくれていた。


「もうこんな時間!帰らないといけない。」

 と田辺が言ったので帰ることにした。

 駅に着き、バスを降り、

 そして北浜駅に着いたので田辺を家まで送ろうとした。

「あ! ここでいいよ。今日は本当に由真君ありがとう。すごく助かったよ。」

 といった。


 僕は田辺の手をとり「はい、これ。今日、楽しかったお礼だよ。」と言って、

 クマのぬいぐるみのキーホルダーをあげた。

「それじゃな田辺 明日また学校で会おうな。

 気をつけて帰るんだぞ。バイバイ。」といって僕は帰った。

 後ろを振り向くと田辺がバイバイって手を振ってくれた。

 そして僕はそのまま家に帰った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ