第十八話;夏休みの終わり そして僕たちは!
「今日から夏休みの宿題をなくして行こう大作戦」
(夏休み恒例の宿題追込み大作戦ともいう・・・)
朝8時に有香が家に来て、
三人で宿題をやり始めた。
「昨日も宿題やったんでしょ?
何処までやったのかちょっと見せてよ。」
有香が僕の宿題とルナの宿題を見た。
「あんたたちさ、一緒に宿題やったの?」
どういうことだろう?
僕たちは自分たちの部屋で一人で宿題をやったはずだった。
「いや?それぞれ自分の部屋で宿題をやったよ?どうしたの?」
「あんたたちの宿題の解いてある場所と、
わからなくて抜かしてある場所が全部一致してるのよ。」
そんなばかな!と思い、僕はルナの宿題を見た。
「僕のと同じところだけやってある・・・。」
「でしょ?変な二人だね。」
「これって・・・。」
僕はルナのほうを見た。ルナは黙ってうなずいていた。
「やっぱり僕とルナは、つながっていると言うことなのか。」
「さてとやっぱり問題集からやっていこうか? ねえ由真。」
「そうだな問題集は夏休みの第一必須項目になってるし、
問題集を片付けていこう。」
問題集を集中的にやっていたがルナと有香の集中力がすごい。
机に向かったら問題に集中して解いていくのがわかる。
もう周りが見えないくらいに集中している、すごい集中力だ。
「由真、そこの参考書取ってくれる?」
「この参考書? はいどうぞ。」
僕も集中して勉強してるつもりだが集中力が続かない。
僕は紅茶を飲むために一旦その場から離れて台所に行った。
「瑠奈ちゃんなら大丈夫だよ。問題は由真のほうかな。」
あの時は意味がわからなかったが、
有香の言った言葉がわかったような気がした。
みんなの分の紅茶を作って持っていった。
「はい 紅茶、砂糖は自分で入れてくれよな。」
「ありがとう由真。」
そういっている割には集中を途切れさたくないのか
問題集から目を離さない。
僕も問題集に取り掛かった。
問題集に取り掛かって問題を解いていくと、
今までわからなかったところが解けるようになっていく。
(あれ?なんか答えがすらすらと解けていくぞ?)
今まで虫食いだったところが次々と解けていく自分がいる。
だいたい全教科の7割くらいのところまで解いてしまっていた。
「由真さ、今までこういう問題って解けたことってあったっけ?」
有香が僕の問題集の問題を指差してそういった。
「いや、こういう問題は大の苦手で、
いままで解けたことなかったと思うんだけど・・・。」
「だよね。見てて普通に解いていったからびっくりしてみてた。」
僕が問題集に集中してた?有香が紅茶を飲みながら休んでいた。
ルナは相変わらずのものすごい集中力で問題を解こうとしていた。
参考書を開いてどのように解くのかを見ていきながら問題を解いていた。
「瑠奈ちゃんの集中力には誰にも絶対にかなわないよ。」
「でも有香もすごい集中力だったぞ。」
「瑠奈ちゃんは特別なんだよ、
勉強を始めてからずっとこの調子で問題を解いてた。
私も集中して問題を解いていたけど途切れてはちょっと休憩して、
それで集中しては途切れてを繰り返していた。
でも瑠奈ちゃんはずっとあの調子で勉強している、
集中が途切れたところを見たことがないんだ。」
始めてからずっとこの調子で集中力を保っていただと!
そんなことってできるのか?
「私も集中力にはすごい自信があったけど、
瑠奈ちゃんには負けるよ。本当に。」
「今、有香はどこら辺まで進んだ?」
「もうすぐ終わるところかな 問題集があと1割くらいで終わる予定 由真は?」
「問題集7割くらい終わったから後3割くらいって言うところ。」
「瑠奈は・・・有香と同じくらいかな?」
「あそこの問題なら8割くらい進んでいると思うから、
後2割くらいで終わるかもしれないね。」
「やっぱり僕がビリっけつになりそうだ。」
「ふふふ。由真も頑張らないといけないね お兄ちゃん。」
有香がちょっと意地悪っぽくそういった。
「よし始めようか!」
「うん頑張ろう!」
そして最後まで一気に問題集を片付けていった。
瑠奈が最初に問題集を全部解いて紅茶を飲んでから台所に向かった。
由真と有香が一心不乱に問題集を解いていたためだ。
そして瑠奈はエプロンを取りだし、お昼ご飯を作り出した。
「さてと今日は軽めのお昼のほうがいいかな♪」
紅茶と緑茶をポットにいれ、サンドウィッチを作り出した。
「卵サンドにベーコンレタスサンド、シーチキンサンド、
そうだ!からしマヨネーズを作ってっと。
ハムとレタスをはさんだサンドウィッチも作ろうっと♪」
いろいろなサンドウィッチが作られていった。
そのころ有香がやっと問題集を片付けて、
僕もやっと終わることができた。
「おわったぁ!!!」
「この問題集は本当に難しかったね。やっと終わったね♪」
有香と僕が喜びに浸っていると、
「お昼ごはんにしようよ♪」とルナが言ってきて
さっきまで作っていたサンドウィッチと緑茶と紅茶が出てきた。
「すごくたくさん作ったね。」と僕たちはびっくりしたけど、
時計は12時30分をさしていた。
もうおなかはペコペコで3人で食べあった。
たくさんあると思っていたけどおなかのすいた高校生3人。
残さずに食べきってしまった。
紅茶も緑茶もおいしくって
問題集を全部解いたと言う達成感と満腹感が、
僕たちの幸せを物語っているようだった。
「2時ころになったら宿題を始めようか?」
「賛成!!!」
由真、瑠奈、有香の三人の結束力がさらに高まったような気がした。
某ゲームだったらレベルアップして音楽が流れてくる感じだった。
「次の宿題ってどうする?」
「まずやる教科を決めて8月までやったというところまで、
一つづつ片付けていく。
僕が選択した教科も変わらずに瑠奈と有香はやっていないから勉強する。」
「一教科ずつと言うのは賛成するけど、
体育や道徳とかは抜かしていいと思うけど、全部で15教科もあるよ。
一日一教科だとしても今日を抜かして
あと残り10日しかないよ。間に合うかな?」
「一日1.5教科やれば10日で15教科になるよ。やっていくしかない。」
「そうだね、やっていくしかないね。」
「瑠奈もがんばっていこう!」
「ルナも頑張るよ おぉぉ!!!」
「ルナが一番元気いい。」
「本当ね 瑠奈ちゃんが一番元気♪」
僕らはみんなで笑いあった。
授業の5か月分というとかなり進んでいる、
先生によっては100ページ以上とか行くときもある。
先生によって教え方が違うから先生によって
ここは必要、ここは不必要という教え方もすることが多い。
しかし僕たちはそういう先生の特徴と言うものを知らないため、
全部を同じように勉強していかないといけない。
要するに全力で取り組まないと、
10日で15教科を全部勉強すると言うのは無理があるのだ。
しかし僕たちはその無理を承知で全力で全教科を取り組みあった。
一日、二日、三日と過ぎていき、
やっぱり勉強の遅れと言うものが日を増すごとに遅れていった。
それと疲労と脳の疲れが初日とは全く違っていき能率を下げていった。
6日目にして本当なら9教科終わっていなければいけない予定が
7教科まで終了できたという散々な結果になっていた。
「どうする?このままやっても身に入っていかないし、
疲れが増えて能率が悪くなるばかりだよ。」
有香が心配そうに僕のほうを見た、
瑠奈も疲れがすごくあるように感じる。
「今日はここまでにして、明日はデパートに行って買い物をしよう!」
僕の突然の提案に有香がびっくりしていった。
「なに考えてるの?ここまで一生懸命頑張ってきたのにあきらめるの?」
「そうじゃないよ。気分転換も必要だと思ったんだよ。
それに実を言うとルナの学校に着ていく下着類がない。
ちょうど有香に頼もうと思っていたところだったんだよ。
学校ももうすぐ始まるしさ。
僕も制服のシャツとか買いに行こうと思っていたところだし、
このままやっていても身に入らないなら、
休憩をして気分転換をするべきだと思ったんだよ。
そして明日になったら心機一転で勉強すればいいと思う。」
瑠奈は大喜びで、
「デパートだぁ! 買い物だぁ!」
「負けたわ。わかった。
明日はお勉強を休み、みんなで買い物に行こう!」
「ありがとう 有香。」
僕は有香にお礼を言った。
「由真の提案よ 私はそれに乗っただけ。」
有香もちょっと喜んだ様子だった。
「ねえ有香ちゃん 制服の下になに着たらいい?
有香ちゃんと同じものがいいから一緒に選ぼうね♪」
「やっぱりルナがいちばん元気なんだな。」
僕がそういうと有香が笑った。
「今日はもう勉強は終わったけど、
夕ご飯食べていくだろ?このまま帰ったらルナが悲しむ。」
「うん わかった。夕ご飯はご馳走させてもらうね。」
そして僕らは三人でご飯を作り、三人で食事をした。
僕とルナは有香を家まで送り届けた。
そして無事に家まで送り届けたら有香と別れて僕たちは家に帰った。
「本当にいい子だね 有香ちゃんって。」
「ああ 本当にやさしくってしっかりしてて本当にいい子だ。」
「由真は有香ちゃんのこと好き?」
「好きだよ。でも恋愛感情じゃないよ。
最高の友人、親友として僕は有香のことが好きだよ。」
「ふーん。 由真の恋愛対象の女の子ってどういう人がタイプ?」
「考えたことないかな、恋愛対象って。」
「ルナのことは?好き?嫌い?」
「ルナのことはとってもとっても大好きだよ。」
「えへへ♪ やったね♪ 私も由真のこと大好きだよ♪」
その言葉は恋愛感情で言ったのか、
妹として兄を思う気持ちとして言ったのか、
恋愛下手な僕にはわからなかった。
でも腕を組んで歩いて一緒に歩いていて、
僕にはほんとうにとってもうれしかった。
次の日、朝8時に有香が来てデパートに買い物に行くことになった。
「ごめんな 有香、ルナのやつまだ着替えが終わらないんだよ。」
「ルナ いい加減にしないともう置いていくぞ!」
「もうちょっと待ってよ、どれを着ていこうかぜんぜん決まらないんだよ!」
「それなら今日の有香の服はすごく可愛く決まってるぞ!
有香の服装を見て決めればいいんじゃないか?」
有香が顔を赤らめて言った。
「ぜんぜん決まってないよ。
持っている服って少ないからすぐに決めちゃっただけだから。」
それでも一気に階段を下りてきて有香の服装チェックをし、
「これに決めた!」といって着替えに行った。
「ルナも有香の服装はばっちりと言ったようなものだね。」
「もう。由真ってば・・・。」
「そういう由真は制服なんだね。」
「学生だからね。あのの学校は特別な理由がない限り、
絶対に制服で行動することと決まっているんだよ。
だから何があっても制服でいることが絶対条件、
夏の制服は4~5枚持ってろよ。
絶対に洗濯が追いつかなくなって着る服がなくなる。」
「私、夏服2枚しかないかも。もう3枚用意しようかな。」
「それならデパートに行けば制服はもらえるよ。
うちの学校は制服は無料で支給されるからさ。」
「どういう仕組みになってるの?
無料支給って普通はおかしいと思わない?」
「あの学校はおかしいことだらけだよ。
いまさら考えることがないと言うくらいにね。」
「無事、着替え完了♪」ルナが着替え終わってきた。
「お! 可愛い可愛い。」
「うん よく似合ってるね瑠奈ちゃん♪」
瑠奈は大喜びだった。
「さてと歩いて駅に行ってそこから電車ってとこだね。」
「うん ここからだと一時間くらいかかりそうだね。」
その会話にルナが聞いてきた。
「あれ?有香ちゃんってここの地域に詳しいの?」
さすがルナだ。最近に越してきたという有香が、
地域に詳しいとは思っていなかったんだろう。
「ここには親戚の人が住んでいたの、由真の友達の子でね、
そこに何回ももきたことがあるから詳しいの。」
「えっと江崎優さんだっけ?」
さすがにルナは驚くほどの記憶力だ。
「瑠奈ちゃんに優のこと話していたんなら言いなさいよ。」
「友人に優という人がいたということまでしか話してないよ。」
駅に行き電車に乗って、
デパートに着いた僕たちはすぐに買い物を始めた。
「有香とルナは女性用のところに行って買い物な。」
「由真もこればいいのに。」とルナが言った。
女性用下着売り場に俺がいけるか!
「それじゃ有香 頼んだぞ」
「由真 了解♪」
「待ち合わせ場所はあそこの喫茶店、
買い物を済ませたらそこにいること。」
それで僕たちはそれぞれの買い物をしに行った。
それにしても今日はすごく空いてるよな。
いつもならこのデパートってすごく混んでいて歩くにも大変なのに。
僕は制服売り場に入った。
「城北第一高校の制服 夏服3枚と冬服2枚お願いします。」
奥から店員が制服を持ってきたのでそれを受け取った。
「袋に入れてくださいませんか。」といったら店員は笑顔で袋に入れた。
そして店員はノートを持ってきて、
僕はそのノートにクラスと名前と住所を書いた。
そして学生証を見せて商品を受け取り買い物を済ませた。
「毎度ありがとうございました!」という笑顔の店員の声を聞いて店を出たら、
スマホが鳴った。有香からだった。
『すぐに女子用制服の売り場まで来て!』という連絡が入り、
僕は急いで女子用制服売り場に駆け込んだ。
売り場の店員と有香とルナが何かもめている感じだった。
「どうした?」と僕が聞くと、
「制服を渡せれないって言うの。」と有香が言った。
「えっと僕は城北第一高校一年D組の村山由真と言います。
どういうことか教えていただけませんでしょうか?」
制服の受け渡しには学生証が必要で学生証なしでは、
渡すことができないと言う。
「彼女たちは編入生で夏休みに入っているので、
学生証はまだもらっていないのです。
ですので学校に問い合わせていただければ、
学校の生徒だと言うことがわかります。」
店員は学校に問い合わせた。
「名前とクラスは?」「一年D組 村山瑠奈」 「同じく一年D組 江崎有香」
無事に学校の生徒だと理解してくれたようで、
学校の制服を手に入れることができた。
「何枚、手に入れたの?」と聞くと「夏服3枚だよ。」と言ったので、
「持っているのは?」「夏服2枚だけ。」
と言ったのでもう一度店員に「冬服あと2枚頂戴。」といって、
冬服も2枚ずつ手に入れた。
「どうして冬服も手に入れたの?」有香は不思議そうに聞いてきた。
「うちの学校って衣替えの時期って決まってないんだよ。
だから寒くなったら自分勝手に冬服に着替えてもいいんだ。
そのために寒くなると、
冬服がほしい人でお店がすごい混む。
それで在庫がすぐになくなるので
冬服は絶対に持っていたほうがいいんだ。」
「へぇ、こんなにガラガラのデパートなのにね。」
「そうか!今日、こんなに空いている原因がわかった。
学校の生徒が1人もいないんだ。」
「そういえばだれも学校の生徒がいないね。」
瑠奈がそういった。
「有香、今日って学校の行事みたいなものはあったっけ?」
「なにもないはずよ。だって普通の夏休みの日だもん。」
僕らの地域はあの学校で経済が成り立っているのか?
学校の生徒が1人もいなくなると、
ここまでデパートに誰もいなくなるものなのか・・・。
僕は、あの学校の本当の意味がわかってきたように思えた。
「他に買い物は?」
「瑠奈ちゃんの下着と私の下着の購入」
「はい、行ってらっしゃい。」
下着の購入は自腹なので問題はないだろうと思っていたがあった!!!
瑠奈にお金を全く渡していなかった!!!
瑠奈のところにすぐに行ってお金を渡した。
女性用下着がいくらかかるか全くわからないので、
諭吉さんを4枚を渡しておいた。
(これで大丈夫だろう。)
さて僕はTシャツとか購入しておこうかな。靴下もほしいな。
あと学生用の靴があったけどまだ使えるからいいか。
女子用制服の購入の時には靴は学校支給とされているのに、
男性用制服では靴は自腹と言うことになっている。
女子って優遇されているよなぁ・・・。
靴下は白か紺、黒と決められている。
制服の下に着るシャツは絵柄の付いていない白と決められている。
デパートに行くと大抵は『私立城北第一高校指定』というPOPがあるので
それを目印に購入すれば全く問題がない。
僕の買い物は終わったので、
待ち合わせの喫茶店に入って待っていた。
来るまで紅茶でも飲んでいようと思い、紅茶を注文して飲んでいた。
まだ来ないのでアイスコーヒーを頼んで待っていたがまだ来ない。
二時間以上待っていたが来ない。
そこで百合姉さんに電話をしてみることにした。
『由真か、どうした瑠奈と有香が結婚すると言い出したか?』
『今日は何でそういうことになるんだよ!』
『冗談だどうした? 何かあったのか?』
『今日さ、瑠奈と有香を連れてデパートに買い物に来てるんだよ。』
『そうらしいな、さっき店の人から電話があって、
瑠奈と有香が学校の生徒か連絡があった。』
さっきの制服屋の店員の電話か。
『それでさ、デパートにいないんだよ。』
『誰が?』
『うちの学校の生徒が1人もいないんだよ。おかしいと思わないか?』
『別におかしくはないだろ?
あれだけ宿題を出されているんだ、
夏休みの終わりの追込みをやってるんだろう。』
『やっぱりそういうことなのか?』
『だろうな、ここ3日くらい学校に部活に来る子が誰もいなくなって、
学校もすごい静かだ。』
『聞きたいことがあるんだけど、
この問題集の答えあわせって誰がやるんだ?』
『それは私たち先生の仕事さ。』
『それなら全教科の8月まで授業を覚えてきたかと言うのは?』
『それは9月15日の理解度テストで、
しっかり理解できているかを見ることができるだろ?
それで由真は勉強は進んでいるか?』
『僕も瑠奈も有香も問題集は全部終わった、後は全教科8月分まで勉強中』
『へぇ 由真にしてはなかなかやるね。』
『まぁこっちには瑠奈も有香も付いているからすごく助かってるよ。』
『そうだろうな。この前の編入試験の優秀者で、
たぶん全校1位になる有香がいるし、
それと全校2位になる瑠奈が付いていれば安心か。』
『それどういう意味だ?』
『学力テストじゃないといったとおりだったよ、
実は能力テストだったんだよ、あのテストは。
学校では点数のほかにその人の学力、能力や性格も分析している。
そこでダントツにすばらしかったのは、その二人だったと言うわけだよ。』
確かにあの二人と勉強していたときはすごい集中力と分析能力、
そして問題の解析能力がすごかった。
わからないことは参考書を開いてすぐに問題を解いてしまった。
『それじゃ二人とのデートをゆっくりと楽しんできなさい。三角関係君♪』
学校で1位と2位の成績を収めるであろう2人か。
なかなかおもしろいじゃねえか。
そう思っていると横の窓のほうからコンコンと音がする。ルナと有香だ。
『中に入って来て。』というジェスチャーをして中に入れた。
「今日ねすっごい可愛い下着があったんだよ♪」
といって袋を開けようとするルナ。
それを「ここではだめ!」って言って止める有香。なんか姉妹みたいだ。
僕もなんだかうれしくなった。
「今日は本当にルナのお買い物に付き合ってくれて本当にありがとうな。
お礼にケーキと飲み物をおごらせてほしい。」
最初は断ろうとしたが僕の説得勝ちということで、
ケーキとアイスコーヒーを注文した。
ルナはなかなか決められなかったが有香と同じケーキとアイスコーヒー。
僕はチーズケーキとアイスコーヒーを注文した。
ルナが僕のチーズケーキをほしがったので、
フォークで取って「はい!あーん。」ってしてあげた。
有香はその光景を見て爆笑していた。
ほんの一日の休息はすごくたのしい休息になった。
明日から残りの宿題を頑張ろう!
次の日、有香が朝8時に来て宿題をやっていた。
昨日の楽しさがうそのように静けさに変わり、集中して勉強できた。
「やっぱり昨日の息抜きは本当に必要だったみたいね。」
もう9割位勉強が終わるくらいまでになり後一割残すのみとなった。
ルナと有香の集中力は本当に群を抜くくらいで、
こんなに集中力がある人は見たことがないくらいだった。
夏休みものこり後二日、そして勉強がすべて終わった。
ものすごい達成感に満ち溢れていた。
「明日一日休みが残ったけどどうする?」有香が聞いてきた。
「なにかやることがある?」僕も聞いたけど思いつかなかった。
ルナが「花火ってもうないの?」って言ったので、
お昼はどこかに出かけて夜はコンビニで花火を買って、
三人で花火をやろう!と言うことになった。
夏休み最終日
8時に有香が家に来て海に出かけることにした。
もちろん水着は持っていなかったので近所の海にいって
足を海に浸かってはしゃいで楽しんだ。
お昼は公園に行ってお弁当を食べ、
コンビニに行って花火をたくさん買ってきた。
近所の公園にバケツに水を入れてろうそくの火をつけて三人で楽しんだ。
「花火って本当にきれいだね♪」とルナが言った。
でも笑顔のルナが一番に綺麗だった。
「由真ってさ瑠奈ちゃんのこと本気で好きでしょ。」
僕は有香にこういった。
「内緒♪」
明日からは学校が始まる瑠奈にとってはまた未知の世界だ。
僕は本気でルナを守っていきたいと思った。
「有香! 明日早めに家にこれるかな?」
「何で?どうかしたの?」
「瑠奈の着替えを手伝ってくれないかな。」
「了解! 頼まれました♪」
「うん 本当にこれからもいろいろとよろしくな。」
僕たちの本当の学校生活がこれから始まる!
これで第一部終了です。
第一部はいろいろな人物との出会いやその人との係わり合い重視で書いてみました。
第二部はいよいよ学校生活です。どういう学校生活にしていこうかな?と考えています。
これからもよろしくお願いします。
第二部は8月12(日)12時からスタートします お楽しみに。