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『咲いた花、そして空の鳥へ捧ぐ物語』   作者: 譚月遊生季
序章 その物語について
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0-6. Andleta-Ⅰ

「Rmanda Andleta」

・私は、あの家こそが故郷だったと考えています。

どうか、お体をお大事になさってください。私の友が来ることがあれば、できる限りの範囲で世話をしてくだされば幸いです。

(孤児院に保管された手紙より抜粋)




彼は、後にどのような人物として語り継がれるのだろう。

王に逆らう者を粛清し、他者に苛烈な言動で振る舞う冷淡さ。

忠言に耳を貸さず、粛々と残忍な職務を全うする高慢さ。

王の参謀、ルマンダ・アンドレータの評判はいかなる時も芳しくないが、彼はそれを意にも介していないらしい。


何故か、と問うたことがある。彼は、一度私を冷たい視線で一瞥してから、胸の内を僅かに吐き出した。


「いずれ死ぬ捨て駒に、情などいらん」


私は、その言葉の裏を静かながらも震えを隠しきれなかった声色で察した。

「捨て駒」が示すのが、彼自身のことだと。

魔術を使う種族には珍しい、濡鴉のような黒髪。戦場には滅多に出ることのない近臣だというのに、右目に大きな傷。

聞けば、アンドレータという家自体はそこそこ名のある家系らしい。


私が彼を知ろうと決めた発端は善意でも悪意でもなく、ただひたすらに純粋な好奇心でしかなかった。

……髪色は魔術を使える色でなく、名のある名家の育ち……。


まあ、よくある話だ。……サクセスストーリーとしてなら、ね。

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