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偽装

「こんなもんかな。」



《名前》ヤヒロ

《年齢》十七歳

《魔力保有量》1,000

《適正魔法》風属性

《スキル》並列思考マルチタスク

《称号》旅人



今、僕は偽装用のステータスを書いていた。旅人なんて称号があるかしらんが、今の僕の状態なら無難だろう。どちらかというと浮浪人かもしれないが今更変えるのはめんどくさい。魔力保有量についてはちょっと背伸びした。魔力保有量は魔法を使って魔力を使うと増えるらしいが、まだ使うなと言われている。だから使いたくても使えない。いや、それ以前に使い方がわからない。



✢✢✢✢✢✢



ザシュ。バタン


熊が力なく崩れ落ちる。


僕は熊に何か悪いことをしたのだろうか。さっきから遭遇率が半端なさすぎる。歩き始めて二時間その間に倒した数は二桁を超え。GPも13,300になっていた。そして、今倒した熊を換金し14,300になった。そろそろ森を抜けてもいいと思うんだけどな。


ここで熊とは別で僕には二つ疑問があった。


一つ目は、僕の身体能力。さっき、全力で走ったけどボルトより早いと思う。


二つ目は、刀の切れ味が全然落ちてないこと。普通なら二、三回切っただけで普通は切れ味が落ちてくるはずだ。


この二つをまとめてリチャードにメールしたところ一分後に返信が来た。まとめるとこうだ。


すべては魔力のせい。


簡潔が一番である。


でも、正直言って意味わからないよね?解説するとこう。

空気中にには魔素というものがあり、それを生物が体内に取り込むことで魔力となるらしい。そしてこの魔力、なんと生物の体を強化するらしい。なら、魔力が多ければ無敵じゃんと思うかもしれないが、そうは問屋が降ろさない。

魔力による強化の具合は曲線で表すとわかりやすい。y=-1/xの反比例のグラフをイメージしてほしい。そのグラフの第四象限の図が魔力による強化の度合いを表してる。この場合、上限となる漸近線はだいたい1,000あたりらしい。

なので、魔力保有量が10,000の人と2,000の人とを比べても差はないらしい。まあ、多い方が強い魔法を使えるんだがね。

これが僕の一つ目の疑問に対する答えだ。


二つ目の疑問は刀が魔素のを吸収したからと思われる。

金属は魔素を吸収する性質を持っているらしく、この世界の金属は総じて強力だそうだ。


そして、目の前には二桁を超える熊たち。

いつの間に集まった!?


どうする?

 戦う

 逃げる   ◀

 死んだふり


やっぱ逃げるでしょ。まず、戦うなんて論外。あの数に勝てる訳がない。

熊は死骸を食べるから死んだふりはダメ。お兄さんとの約束だぞ。


まずは、手に持っているスマホを置く。相手の注意を引きつけるためだ。スマホを取られちゃうと思うかもしれないが、このスマホ、僕のスキルで出したやつだから、自由に出現させることも消失させることが可能なのだ。

次にゆっくり後退る。ここで目を逸らさないことがポイント。


そして、ある程度離れたところでダッシュ。それと同時に熊たちも追いかけてくる。


戦っていてわかったけど、コイツら、パワーはあるがスピードがない。全力で走っても時速十キロ程度だ。なので、十分逃げ切れる。


余談だが、僕の地球にいた頃の趣味はパルクールだ。


倒木などの障害物を効率よく避けながら逃げる僕。

後ろを振り返ると、倒木に頭から突っ込む熊たち。うわ~痛そ〜。


走ること数分。森を抜けたところで完全に撒くことが出来た。すると、少し遠くに城壁が見えた。あれがリチャードが言っていた街か。距離にして大体一キロくらいかな。十分くらいで着くだろう。


さっきの逃走で荒れた息を整えながら歩きだす。どんな街か楽しみだな。




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