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理想の毒  作者: 彩暁―
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プロローグ

 テレビのニュースを聞き流しながら、鍋の番をする。最近、死因不明の自殺者が増加しているらしい。彼等に共通している点は、謎の薬瓶を持っているとの事だが、遺体からは毒物が検出されない。また、その薬瓶を宣伝しているチラシが出回っているそうだ。チラシの出所は不明、誰が何のためにばら撒いているのか全く見当がつかないらしい。その犯人は愉快犯だのなんだのとコメンテーターが議論しているが、全く興味が湧かなかった。

 鍋の蓋からは、湯気と一緒にクリームシチューの美味しそうな匂いが漏れ出ている。トーストもちょうど出来上がったばかりだ。

 私はコンロの火を消し、二つのココットにそれぞれ、シチューをよそった。様々な野菜や鶏肉が原型を保ちながらも、どろりと煮込まれている。両親は仕事でしばらく不在。だから、代わりに私が作ったのだ。夕方四時過ぎから煮込み始めて二時間はかかったが、(かなで)のためなら、これくらいは時間をかけても構わない。

 ズボンのポケットから、小さな褐色の薬瓶を取り出し、両方のココットに振りかける。そして、無色の液体がかかったシチューをかき混ぜ、トーストと一緒にお盆に乗せた。


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