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冤罪

作者: 有川武志

プロローグ


「あなた今触ったでしょ!」

「はぁ?何言ってるの?」

「触ったじゃないの。この人痴漢です。私のお尻をずっと触ってました」

「ちょちょっと待って下さい・・・何ですかあなた、放しなさい。放せっ」

俺のオヤジはこうやって人生の幕を閉じた。


第一章


「もしもし、酒井さんのご自宅でしょうか?」

「はい、そうですけどもそちら様は?」

「突然お電話申し上げて失礼します。私、警視庁丸の内署刑事の近藤と申します。ご主人の件でお電話いたしました」

「えっ 主人が何かトラブルに?」

「奥様、落ち着いて聞いて下さい」

「ど、どういうことですか?」

「ご主人の道雄さんを今朝痴漢で逮捕しました。現在取り調べ中です」

「嘘でしょ?悪い冗談はやめてください。新手のオレオレ詐欺?」

「冗談と思われても構いませんが、暫くご主人は自宅に帰ることが難しい状況です」

「すみません、主人に代わって頂けますか?」

「それは出来ません。取り調べ中ですから」

「じゃぁ主人は本当にやったんですか?」

「私は直接担当していませんが、今朝からずっと否認しているようです」


次章へ続く







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― 新着の感想 ―
[一言] がんばれお父さん! がんばれ日本!
2011/09/11 09:19 退会済み
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