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平和の国の恋話

キャストは兵士と姫様。


幼馴染+片思い


非ハピエン?

この国は豊かではないが平和な国である。

魔法なんて無く、のんびりと農業・畜産を行う世界。



「言ってるでしょう!良いから表門にいらっしゃい」

「ですから俺は裏門の守備につくのが仕事なんですよ」

「私が言っているんだから良いのよ」

「そうは言われても…姫様もお勉強があるでは?」



そしてこのお話は、その平和な国の城の裏門を守る兵士とお姫様のお話。



「うるさいわね、あなたまで皆と同じ事を言わなくたっていいじゃない」

「そー言われましても…」


唇をつきだし怒る姫様に対し、ポリポリと頭をかきながらやる気のなさそうな兵士。

何の接点もないこの二人ですが、平和すぎて争いもなく王自ら畑に出かけるこの国では同じ年頃の二人は生まれたときより一緒にいた。

むしろ産んだ母親同士も平和なもので、畑に出て居ない兵士の母の代わりに、王妃に育てられたと言えるのが、この兵士なのである。

そのため、同い年の二人は今でも仲がよかった。


「あんた表の門じゃなくて、なんでここが良いのよ」

「楽ですしねーここは」

「表の方が私も会いに来やすいんだけど」


仲がよいと言うより、姫に関してはこの兵士のことが大好きで大きくなったら結婚すると言い、王を悲しませた位で。


「別に姫に会わなくても仕事に支障は無いですから」


ただ、この兵士はそんな姫様の熱い求愛に対しいつも素っ気なく断り続けていた。

なぜかって?


それは



「ああ、ここにいたのね姫」

「お母様」

「王妃様!」



兵士の好きな人は王妃様だったからです。

幼少の時より兵士は熟女好きだったのです。本人は否定してますが、好きになる人は自分より年上の女性。今も昔も兵士は王妃様が大好きなのです。


それに気づいた姫は最初、枕を涙でぬらしましたが今では打倒お母様、負けるな自分と頑張っています。


「お仕事ご苦労様、姫は仕事の邪魔をしてはダメよ?」

「はーい、お母様はいつもの?」

「うふふ、そうなの。旦那様に畑までお昼を届けにいこうと思って」


唯一、姫に希望があるとすれば、お母様こと王妃様は王様とラブラブで兵士に入る隙は無かったという事。




「いってきます」

「お気をつけて行ってらっしゃいませ!」


そんな王妃様は裏門から畑にいるお父様こと王様にご飯を届けるため、晴れた日には裏門より畑までお一人でお出かけになる。


それを見守るために兵士は裏門の守備につくのだ。どんなに姫が頼んでも表にはいかずに。



「気に食わないわ」



遠ざかる王妃を熱心に見つめ続ける兵士を見て、姫はとても胸が苦しくなる。

私のことはそんな風に見てくれ無いのに、と。





今日も平和な国は平和なままです。

王は畑に出かけ王妃は一人で散歩をし、兵士は裏門を守り姫はその側にいる。

平和な国の恋のお話。





矢印は向き合わない。

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