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ちぇんじ

異世界トリップ+性転換のお話です。

よくあるよくある。

王子様が20歳になったら、お嫁さんを異世界より召還するのが慣わし。

そんなお城に召還された女の子はなんと自分が男だと言います。あるぇ??

どうやら召還の際に不具合があったみたい☆ごめんね!と召還を行った術士に謝られたけど、謝ってすむ問題じゃねぇだろ!




そしてその召還されたのが俺、井山翔太いやましょうた高校一年生である。


朝、学校に行こうと家から一歩足を踏み出した瞬間、足下のアスファルトが白く光り動けなくなり、眩しさから目をとじおさまったかと開けたら見知らぬ場所にいた。

それがこのカナラ国という国の城内大広間で、上記の説明がなされ謝られました。


そんな非科学的不可思議現象に軽い立ちくらみを感じ、恐る恐る自分の視線を下に見れば学校に行こうとしていた為、制服のブレザーは胸あたりが窮屈に感じ見慣れない二つの膨らみ、慣れ親しんだものが収まっていた部分に違和感。

ショートで色素を抜きすぎたため金髪になっていた髪は、視線を下に移した際に目に写るロングに。



マジで女になってるorz



「マジかよ…」

「そのお姿で、そのようなお言葉使い!いけませんわ姫様!」

「そうですよ姫、貴女は我が国の王太子妃。ゆくゆくは王妃になられるお方なのですから」


大広間の中心でうずくまってしまった翔太に追い打ちをかけるように周りは説明を重ねる。


「さあ、これから忙しくなりますね。語学教養マナーその他諸々、学ぶことがありますから」

「その他にも姫様がお召しになる衣装の採寸もして、ドレスはどのようなお色、図案がよろしいでしょうか?」


本人の意思とは関係なく話はどんどんと結婚準備へ進んで行く。


「ないないない!あり得ないし!」

「でも現にええと…ショウ…タ?様は呼び出しの儀に応じて、この世界にいらっしゃいましたし…」

「元男が男に嫁ぐんだぜ!しかも応じたわけでなく、勝手に呼び出したんだろ!」


「それは違います!」


いままで翔太に謝る以外は沈黙していた、術士が身を乗り出し翔太の前まで出てくる。

そんな術士に思わず翔太も若干後ずさる。


「なんだよ…」

「勝手に呼び出したのではなく厳選に厳選を重ね、殿下との相性が良く、子供が産まれやすい方を呼び出したんです!」



「…結局勝手に呼び出してんじゃねぇか!」


しかも勝手に厳選してるし。

…俺の人としての尊厳はどこに行ったんだよ。



「愛しい人」

「…」

「愛しい人」

「…」

「愛しい人」

「…」

「…」

「…」


人としての大切な何かをなくしかけていた俺の目の前には、いつの間にか周りに人がいなくなり、新たに男が一人いた。

170センチあった自分より少し高めの身長。もしかするとこの体になって目線が少し低いので縮んだかもしれないが。


目が合いなにやら呼びかけているが、俺はオニーサンの愛しき人ではないのでもちろん返事は無し。

見た目の良い人間は優遇されると思うなよ。



「お前は私の妻ではないのか?」

「ちげぇって言ってんだろ!」


妻じゃねえってさっきから言ってるのに。

…というか、妻と言うことはこれが王子?


「婚姻式は3日後になっている、支度は侍女に任せておけ」

「だから!」

「これより私と同じ部屋になる、…次代のためにもな」


ん?…じだい?時代?

じだいってなんだ?


ポカーンとしている俺を、いつの間にか後ろに来ていた女ががしっと肩を掴みどこかに連行する。


「さあさ、まずはお体を磨き殿下の為にもご準備いたしましょう!」

「何を!?」

「お夜伽の準備にございます」


よとぎって………




おれ、いま、貞操の危機?







その夜、王子の部屋からは何かが割れる音や悲痛な声が響いたが、明け方には静かになりその日は王子の部屋の扉が開くことは無かったそうだ。

そしてカナラ国では一姫二太郎とお世継ぎにも恵まれ、より豊かな国になったそうだ



ただ今でも家に帰らせろー!という叫びが、城から聞こえてくるとか何とか。


きっと、息子も嫁を呼び出すときにひと悶着(笑)

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