幼馴染とわたし:2
純ちゃんサイドになります。
今日の俺はついてる。
朝はいつもより早く起きれたし、朝ご飯は俺の好物ばっかだし、魚座も今日は一位で恋がかなうかもって。
嬉しすぎて髪型とかセットしてたら、いつの間にか時間が来て遅刻してしまったのはご愛敬。
でもそのお陰で、あやちゃんに会う用事ができた。
いつも通りの道を歩いていると、あやちゃんちのおばちゃんがこちらに向かってきて、なんでもあやちゃんがお弁当を忘れてしまったから届けてほしいって。
これであやちゃんに会いに行く用事が出来て、やっぱり今日はついてるなーって笑顔でおばちゃんと分かれた。
あやちゃんは俺にとってヒーローでお姫様の大事な女の子。
女の子なのにヒーローなのは小さい頃は俺よりあやちゃんの方が大きくて、なにをするにも助けてもらっていたから。
強くてかっこいいそれが俺にとってのあやちゃんだった。
それからもあやちゃんは俺にとってヒーローだったけど、小学校の4年生位から身長も体つきも変わってきて、俺の方があやちゃんよりも大きくなった。
ただ、その時はまだあやちゃんはヒーローって思いこんででて。でも、その頃からあやちゃんはあんまり俺と遊んでくれなくなり、女の子 になって来ているのを何となく感じた。
中学にはいると男女の区別が出て恋や愛になるようになってきた。
それでも俺はあやちゃんと一緒にいたくて、クラスが違っても遊びに行ったり話しかけたりいろいろがんばって。でも、あやちゃんは昔ほど遊ばなくなったし、その頃から俺は何故か女の子から告白されるようになった。
最初はびっくりしてあやちゃんに相談しようとして、怒られて。考えて、わかんなくて。
人ってそんなに簡単に好きになれるのかな?
俺があやちゃんを好きだと思うこともそうなのかな?なんて思ったり。
でもあやちゃんの側にいる時はほんわかと胸が暖かくなるのはきっとあやちゃんがいるからだと俺は思っている。
そんな関係であやちゃんを追いかけ続け、同じ高校に進み今も一緒にいようと頑張ってる。時々くっついてくる女の子達がいてチョットだけ邪魔。
でも俺はあやちゃん
なのに、なんで?
「あやちゃん、誰と遊ぶの?ねぇ?」
今までも友達と遊ぶあやちゃんについて行って混ぜてもらうこともあるから友人関係も知ってる。
それなのに誰と遊ぶかあやちゃんは教えてくれない。
俺の知らない人?
それともーーー
その瞬間頭の中に、あやちゃんと知らない男が仲良さそうに歩いている映像が出てきてプツンときた。
「純ちゃん、私じゃなくても純ちゃんと遊んでくれる子一杯いるよ?純ちゃん人気者だし…」
あやちゃんが一緒じゃなきゃ駄目なんだよ。
「えっとほら、彼女たちも純ちゃんと一緒に行きたいって言ってるし…」
それはあやちゃんじゃないよ?
「んーと…」
「あのね、あやちゃん」
「ふぁい!」
ぴしりと姿勢を正すあやちゃん。
「俺あやちゃんの事大好き」
「へ?」
「他の誰かにあやちゃん取られるのヤダ」
「…」
「だから、俺とつきあってください」
結構強引な告白になってるのかなぁ?
でもあやちゃんを知らない奴に取られるくらいなら、いつも俺と一緒にいてくれるように。
あやちゃんの隣は俺の場所ってなるように。
大丈夫、だって今日はついてる日だから。
あやちゃんはついてない日。
じゅんちゃんはついてる日。
なのです。