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幼馴染とわたし:1

おさななじみの少年と少女。

ちょっと続きます。

今日の私はついていない

まず、朝目覚ましが壊れ寝坊。寝坊した結果お昼のお弁当をカバンに入れ忘れてしまい急な出費、結果帰りに買おうと思っていたCDを買いに行くのも出来なくなってしまった。


「あー…ついてない」

「何?どした」


昼、購買で買ってきたパンも食べ終わり、机に突っ伏しぐだぐだとする。そんな私をクラスでも仲の良い真希が頭をつつきながら尋ねる。


「今日はなんかついてない」

「ふーん、じゃあ今日買い物行かないの?」

「行けないの!さっき言ったじゃん…」


思い出したら切なくなってきた…。

私の今月最後の野口さんが旅立たれた瞬間…美味しいチョココロネになりました。うん、おいしかった。朝御飯食べ損ねたからね。



「あやちゃーん」



突然教室に聞こえる聞き覚えのある声。

開いていた扉からのぞくのは、見知った顔。

最近色気付いてきたのか、地毛の茶髪を緩くウェーブさせ、シャツのボタンを開け着崩した制服。

間違いなく私の幼なじみの純ちゃんである。


きょろきょろと教室を見、私を発見したのか嬉しそうに寄ってくる。そしてその手には……お弁当?


「って!純ちゃんそれ!」

「あ、コレ?朝ねー歩いてたら、あやちゃんのママに届けてくれって。俺、エライ?」

「お、お、おおおお!!!!」



遅いんじゃーーーー!!!!!






「あやちゃん?」


首を傾げて私の方を伺う。

そんな優しい純ちゃんに怒るのはお門違いだ。しかし、今更って言いたい。


「…ありがと」

「うん!」


小さい頃は私が行くところには、必ず純ちゃんが後ろから付いて回り、どこに行くにも一緒にいた。

よく覚えていない部分もあるが、そのころの純ちゃんはお姫様みたいに可愛かった。そんな純ちゃんを兄に似てヤンチャだった私がつれ回して遊んでいたらしい。

そんな幼少期を過ごしていたせいか、純ちゃんは高校生になった今でも、昔ほどではないが私と行動を共にし、全幅の信頼を置いてくれる。



「あやちゃん今日暇ー?」

「んー」

「俺今日カラオケ行こうと思ってて、あやちゃんも一緒にいこ?俺おごるし」

「うーん…」


ただ最近の純ちゃんと一緒に遊ぶのはな…

少しメンドクサい。


「ねぇ!純ちゃん今日ぉ暇なのぉ?」

「あ!ずるぅーい!」

「あたし今日暇だよぉ?あそぼーよ」

「あたしも!純ちゃんとカラオケいきたぁーい!」


出やがった。

純ちゃんの周りに最近出没するギャル集団。

目元が黒すぎてどこが本当の目か分からない。短すぎるスカートに寄せて上げてる胸。うむむ。


目で私に対し、邪魔寄るなあっち行けと語っている。


格好良くなってきた純ちゃんに、黒髪平凡メガネの私だとつり合わないのは分かっている。

けれど、ううん…違うな。純ちゃんがくるから一緒にいるって言うのは言い訳にしかならない。私が断れば良い話だと言われるだろうし。


…少し、純ちゃんの優しさにベッタリになるのやめようかな?ただの幼なじみだしね。ただの。



「ええー?俺あやちゃんと行くんだけど」

「…私、行かないから。純ちゃん皆でいっといでよ」

「え、なんで?」

「今日用事あるんだよね。だから…さ」



聞き返す純ちゃんに、私はとっさに嘘を付いてしまった。

そんな自分にもちょっとうんざり。


やっぱり今日はついてないな。




「つか、誰と?」

「へ?」

「だれと、遊びにいくの?」



ん?なんで純ちゃんがそんなに怒るんだ?わかんないぞ??



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