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六作目 囁き(ヒューマン)

高校からの仲良し4人組。

年々集まる頻度は減ったが、

変わらず集まれることが嬉しい。


仕事に追われる圭太。

集まる頻度を減らす元凶だ。

一つのことに熱中する職人気質の康二。

高校の頃は生徒会長も務め、

勉強もスポーツも得意だった剛。

特徴は薄いが、なぜか“いいこと”を言うタッちゃん。

タッちゃんだけなぜかあだ名があった。


久々の飲み会。

楽しい時間もほどほどに、

それぞれ悩みを打ち明けていく。


康二は恋をしていた。

剛も恋に興味をもっているらしく、

珍しく乗り気に話を聞いている。


康二は好きな女性の好きな食べ物、

飲み物、色、アーティスト、趣味。

何でも知っていた。

家もSNSも把握しているようだ。


ただ、驚いたことに一度も話した事もなければ、

接点も全くないという事だった。


剛が「それはよくないのでは」と諫めようとしたが、

タッちゃんが遮った。


「まずは接点を作るのがいいんじゃない?」

と康二に言う。

自然な接点の作り方をアドバイスした。


康二は嬉しそうに頷き、

「タッちゃんの言う事はいつも正しくて、アドバイスくれるのは嬉しい。」

と小躍りする勢いだった。


一方でタッちゃんは剛に恋愛サイトを紹介し、

「ギャップが大事」と助言した。


剛は「なるほど」と納得していた。


「ギャップだけでなく、得意分野もしっかりアピールするのが大事」

とタッちゃんは補足した。


笑う姿をほとんど見せない剛も、

タッちゃんの前では笑顔を見せていた。


圭太はそんな3人を羨ましそうに見ていた。

タッちゃんは圭太の話に耳を傾け、

圭太には優しく言った。


「無理して頑張る必要はないよ」


圭太はその優しさに泣いた。

康二と剛も「がんばれ」「ガンバレ」と励ました。


そんな温かくも優しい時間が流れていった。


——解散後。


康二からタッちゃんに連絡が来た。

女性の家に行ったら、

ごみ捨て場で男と話していたらしい。


「浮気だ、浮気だ」と荒れている様子だった。

恋に夢中で可愛い。とタッちゃんは思った。


剛はサイトを熟読し、

何かをひらめいたような表情を見せた。

サイトを読むのは5分までと決めていた。

5分のアラームと共に会社へと向かった。


圭太はまた忙しい日々を思い憂鬱になりながら、

みんなの顔を思い出し、

嬉しいような、みんなが羨ましいような、

そんな気持ちを抱えながら

「よし頑張ろう」と駅へ向かった。


タッちゃんは遠くを見つめ、微笑んだ。

皆、前に進めるといいな、と。

タッちゃんは仲間の事を思い、

その大切さを噛み締めていた。


幸せだけが正解じゃないけど、

少しでも前に進めるといいよね。


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