おいおい…
上の空のアリス…
やっぱりそうなるか…
カズが瑠美姫を追いかけたから…
だから、ショックだったんだな。
アリス…ずっと辛かったのか。
カズに彼女いて、だからきっと…
でも、大丈夫だ。
カズは、今フリーだし全然大丈夫だ‼︎
「さて、お昼のチャイムなったしご飯にしよ?」
アリスが言った。
…
「えっ、なったっけ?オレお昼のチャイム気づかなかったわ。」
オレは迷路で迷って気づかなかったっぽい。
「ううん、だってあと五分あるよ?」
カズが携帯を見せてくれた。
「あは、なったのは私のお腹のチャイムね」
「もー、アリスは本当に食べるの好きだよねー」
「うん‼︎」
アリスは、瑠美姫の言葉に嬉しそうに微笑んだ。
瑠美姫も微笑み返していた。
これは…やっぱり…友情愛なんよね?
大丈夫なんよね?
…
でも、そもそもオレたちは…付き合ってるフリなんだもんな。
瑠美姫にとられるとかビビってたけど…
そもそもアリスは…カズが好きなんだもんな。
お昼ご飯を食べながらオレは、とある提案をした。
「オレ、午後から瑠美姫とまわりたいな」
って。
みんなギョッって顔を一瞬した。
カズは、オレにこっそり
「アリスと喧嘩したの?」
って、心配そうに聞いてくれた。
「そんなんじゃないよ…ただ…」
「いいよ。そうしよう」
もぐもぐしながらアリスが賛成した。
「えっ…アリスどうして…」
瑠美姫が戸惑った。
「カズ絶叫系好きでしょ?わたしも好きだから、その方が楽しめそう。お互い」
「あー、そういうことね。あたしも絶叫系より、まったりの方が正直いいかな。」
「そういうことなら、オッケー」
と、みんな賛成してくれた。
アリス、頑張れ‼︎
複雑な気持ちだったけど、オレはアリスを応援したい。
お昼が終わり、オレは瑠美姫と次どれ行く?って話していた。
その時、瑠美姫が少し恥ずかしそうに
「ありがとう」
ってお礼を言ってきた。
「えっ?何が?」
「だから…カズくんと離してくれて」
と言い出した。
「えっ⁉︎カズ?」
「うん。ほんとはあたしのもう一人の好きな人知ってるんでしょ?」
「え…それは…」
「カズくん。二人きりだと緊張しちゃってさ、ムリだったの。心臓バクバクでさ、挙句に乗り物とかさ、もう気絶寸前だった。だから、ありがとう」
…
へー…
ヤバいじゃん。
アリスと瑠美姫…好きな人被ってんじゃんかよ‼︎
どうすんだよ⁈
オレ…色々無頓着で、やらかしてたな。
どうすんだよ…
瑠美姫…恋と友情どっちを選ぶんだ…⁉︎
とりあえず、オレはアリスとの恋人解消しないとだな。
あと、カズに早く誤解を解かなくては。
オレが弊害しまくってるな。
…良かれと思ってやってきたことが、全く良くないことしてたわー…。
オレ…アリスの秘密守るつもりでいたけど、逆効果なことしてたわー…。
瑠美姫応援してるみたいになってたな…
いまさらですが、アリス…ごめんな。
そんなんじゃ済まないよな…
…
「あのさ、瑠美姫…」
「なに?」
「もし…もしもだよ。カズを好きって人が現れたら…どうするの?」
「え、そんなの簡単。蹴落とすね」
…
こわっ
アリスの強敵現れたやんけ…
どうすんだよ…
あ、カズ‼︎
カズにそれとなく…やんわりと…アリスのこと…
さっき、幼馴染はいいよなって泣いてたよな。
なら、幼馴染と付き合えばいいって…ならない…かな。
とりあえずあれだな。
早急にカズには、誤解を解かないとだな。
午後からは結局オレと瑠美姫は、まったり乗り物に乗って過ごした。
カズとアリスは、めっちゃ発散してスッキリしたよーー‼︎ってイキイキしていた。
このまま付き合っちゃえばいいのに…
って、ならないんだよな…
オレのせいでさ…
最後の観覧車できちんとカズに言わなきゃ。
…
夕日の映える観覧車で、オレとカズは二人で綺麗な景色を眺めた。
「なぁカズ…」
「ん?」
「アリスのこと、どう思う?」
「どうって…やっぱり二人って喧嘩した?」
「ううん」
「でも、アリス…かなしそうな表情たまにしてたぞ?」
「あー…てかオレたち、ほんとは好きで付き合ってるわけじゃないんだ」
てことで、アリスの秘密とか諸々を話した。
アリスも大変だってね。
その上で…
「アリスのこと、どう思う?」
って聞いてみた。
そしたら…
「好きだった時も正直あったけど…今は、もう吹っ切れたかな」
って笑ったんよ。
吹っ切るなよ…
今、まさに両片思いやん…
「え、なんで吹っ切るんだよ⁉︎」
「だって…てかさ、オレ彼女と別れてすぐなんだけど、あの…実は気になる人できちゃったりしてね」
と恥ずかしそうにするカズ。
え…
それってまさか…
…
アリスとカズは、どうすればうまくいくのかな…
続く。
 




