1話
薄汚い鼠みたいな髪
不健康そうな青がかった肌
痩せこけた身体
くすんだ青紫色の瞳
そんな容姿が醜くて大嫌い…
「ミシェル!」
と怒号のように呼びつけられ、ハッとしたようにぼんやりしていた意識が戻った
「も、申し訳ありません」
「こんな紅茶熱すぎて飲めたものじゃないわ」
「申し訳、ありません…すぐに入れ直します」
カップに注がれた紅茶をひっくり返しシミ一つなかったはずのカーペットにシミができた
「早くしてちょうだい」
鼻を鳴らしながら吐き捨てるように言う
「お嬢様、私が変わります」
と耳打ちで伝えてくれたメイドに紅茶の給仕を任せ
「分かりました…お義母様」
そう言い、シミの出来たカーペットを手に持ち部屋から出た
「あれ?お姉様」
綺麗なドレスを身に纏った義妹は微笑みながらそう話しかける
「何なさっているの?」
「カーペットが汚れてしまったので洗いに行くところです」
と羨ましいなどの感情を仕舞い丁寧にそして感情を隠して答える
「どうして?テオドール様が来てるのに」
「え?」
「お姉様知らないの?」
「なら、シアが話し相手になってあげてもいいよね?」
「お願い、するわ」
「うん!お姉様のお願い聞いてあげる!」
シア、お姉様のことが大好きだから!
と可愛く付け加えて義妹は客室に向かっていった