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最後の夏  作者: 羅針盤
9/15

8月8日

なんだか夢を見た


一人暮らししているはずの姉が実家にいてもう一人の私が皆の輪の中で笑っている

家族5人が揃っている。近いようで遠い記憶なようなボヤっとした生暖かい空気をまとっている


今度は花火大会だ

いるはずのない彼が浴衣を着て誰かを待っている

彼が笑った

またもう一人の私だ。浴衣を着て彼と何か話している


うらやましい

今見ている私の方が偽物でもう一人の私だと思っている方の私が本物なんじゃないか

そう思いたいほどにもう一人の私は完璧だ


花火の音が聞こえる

リズムよく一定の間隔で響いている


目の前の二人は完璧で、見ている私とは大違い

対照的に冷たい空気が私をまとい、二人のまわりは暖かい空気がまとっていた。


笛の音が聞こえる

ここはどこだろう


水辺で見知らぬ親子が遊んでいる、それだけじゃない。

たくさんの人々が遊んでいる。

蝉が遠くで啼いている。それより大きな声で子供たちが遊んでいる。


赤い服を着た監視員が子供たちを微笑ましく見守っている。


なるほど、ここは一年前に働いていた市民プールだ。

となると、きっと


やはり彼もここにいる、そしてもう一人の私も。

二人とも赤い服を着て顔には汗が光っている。まさに青春というやつだ


夏の記憶だから熱いのだろうか、それとも懐かしく美しい記憶だから暖かく見えるのだろうか


今の私はいったい何をしているのだろう

誰にも相手にされず無駄に生きている。

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