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最後の夏  作者: 羅針盤
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8月5日

おかしい。まるで私の声が聞こえていないみたいだ。

いや、私の存在ごと否定されているような。

誰も話を聞いてくれない。耳も傾けてくれない。


「今度の旅行さ、北海道なんてどうかな?沖縄とか道後温泉もいいなって思ったんだけどやっぱり北海道かなって。」


「……。」


「…もっと詳しく言うとね、網走とかもいいかなって思ったのね。けど、旭川がいいと思う。旭山動物園もあるし、楽しそうじゃない?」


「……はぁ。」


「ねぇ、私の話聞いてる?」


「……」


わざと無視してる?でもなんで


空気が固まって動かない

誰も口を開かず、写真のように動かず現状を切り取られているみたいで鼓動だけが響いていた。


「もういいよ。」


誰も私のことなんか気にしてないんだ。

私の存在価値って何だろう、誰にも相手にされず誰にも気にしてもらえない、気にかけてもらえない。

何者かにならないと誰にも気にしてもらえないのか


ここ数日の疲れなのか、気持ちが一気に込み上げてきた。

体は固まって動かない、目の雫だけが動き続けている。

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