最後の夏

8月2日

彼からの返信はまだ来てない。

体調でも悪いのだろうか、もしかしたら熱中症で倒れているとか。ありえない話でもない。

「連日真夏日が続く日本各地ですが、なんと本日は観測史上最も気温の高い日なのだそうです。そんな中、少しでも暑さを和らげるためでしょうか。プールなどの施設には人が押し寄せています。」

プール、そうかプールだ。

私と彼は去年の夏休みにプールの監視員バイトをした。市民プールだったがそこそこ大きい場所だったためかなり楽しく過ごしたことを覚えている。彼は今年も続けてみることにした、と言っていた。きっと、昨日も今日もプールで疲れていて返信が来なかったのだろう。焦る事は無い。ゆっくり待とう。

彼との旅行に思いを馳せるのは胸が踊ったが、返信も待たずに待っていても机上の空論に過ぎない。

「夏の風物詩と言えば花火！今日はそんな花火大会の裏側に密着します！」

そういえば明日は花火大会だったような。

旅行よりも先に花火大会に誘おう。今年は浴衣を着て夏を楽しみたい。