表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の夏  作者: 羅針盤
1/15

焦りと自覚

日常の中で考えることにフィクションも混ぜて構成した、言わば現代版『徒然草』をどうか最後まで見届けてください。

ただの高校生から選挙権を持った、少しだけ社会に認められたような高校生まであと半年。お酒が飲めるようになるまであと2年半。社会に出るまで順当に考えればあと5年。そのままこの世から消えるまであと………なんて考えてられない。


九九を習ってた頃なんて高校生はもっと先だと思ってた、その頃だけじゃない中学に上がっても遥か未来の話だと思ってた。でもあっという間に高校卒業の年。


勉強は良くて学年10位以内、悪くても25位以内、一度は学年1位を取ったことがあったけどそれも昔の話。それに、そこからは堕ちていくばかりで自分に嫌気がさしていた。

運動は器用貧乏なタイプで基礎基本は出来ても応用はできない。バレーなんてここでアタックしたら自分はかっこよく見えるだろう、と考えているだけで終わってしまった。足も早いけど陸上選手になるほどでもなく、泳げるけど水泳選手になれるほどでも無かった。


でも、この歳になっても、高校最後の夏になってもきっと何かになれると思っていた。

頭も良かったし器用貧乏になんでも出来たからきっと何かに、分からないけど何かにって、大学もいい所に行ってずっと座ってるようなつまんない仕事なんてしないと思ってた。


ただ、歳を重ねていく度に自分は何にもなれないって焦りに近い自覚を持っていた。でもきっときっと何かになれるって思っていた、思いたかった。

きっと誰かが私を見つけてくれて平凡な人生なんて程遠いような暮らしをするんだってずっと思ってた

でもそんなこと無かった。私は普通で平凡でつまらない、何にもなれない。誰かの人生のモブなんだ。


そんな人生で終わりたくない、変えたい。そう思っても、もう遅かった。人生は何回でもやり直せるなんてよく聞く言葉だったけど、そんなの嘘だ。やり直せても遅すぎるんだ。もっともっと、もっとずっと昔からスタートラインに立っているべきだったのに。



私は何にもなれない、何者でもないんだ。

私自身の経験から生まれたこの話が、何処かの誰かの役に立っている何かになれると願います。私が、この話があなたの何かでありますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ