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この世界では女性は料理ができないとだめみたいです

 ノートパソコンを使って色々検索して、この世界がどういう世界なのか調べものなどをしていたらいつの間にかお昼ご飯の時間になっていました。


 そしてお兄ちゃんが私の部屋に来て言ったのです。


「おーい、今日は家族のみんなで庭でバーベキューをやるから降りてこいって」


 私はお兄ちゃんの言葉にうなずきます。


「あ、うんわかったよ」


 お家の中庭でやるとはいえ流石に部屋着のままでバーベキューはできないので、動きやすいピンクのブラウスの上にカーディガンをはおり、キュロットに着替えて下へ降りていきます。


「ふふ、遅いぞ。

 お前も準備を手伝ってくれ」


 そう言って物置からガスバーベキューグリル を運び出しているのはお父さんだ。


「うん。

 じゃあ、お父さん、私は折りたたみチェアを運ぶね」


「ああ、タープのところまで持っていってくれ」


 お母さんとお兄ちゃんがタープテントをセットしているので、私は物置の中から折りたたみチェアを持ち出してタープテントのところまで持っていく。


 ”前”奈良絶亭にあり得なかった父と兄という男性と一緒にバーベキューできるなんて夢みたいだよね。


 まあ、バーベキューと言っても煙や匂いが周りに広まると周りから苦情が来るかもしれないから薪や炭を使ってやるわけじゃないけど、それらしい雰囲気は味わえるし。


 タープの下にお兄ちゃんが運んだテーブルと椅子をセットしてガスバーベキューグリル をセットすればだいたい準備は完了。


 あとは台所から食材やタレや食器などを庭まで運んでくるだけ。


 食事後してはありきたりだけど玉葱・人参・かぼちゃにナスやピーマン・パプリカ・とうもろこし。ズッキーニといった野菜や牛肉のロース・カルビ・ハラミ・タンといったお肉。。


 台所へ行くろお母さんがきれいに手早く食材を切って鉄串にさしていた。


「さすがお母さん」


 私がそう言うとお母さんは苦笑いしながら私に言った。


「あなたも女の子なんだからお料理はできるようにならないとだめよ」


「あ、うん、そうだよね」


 ”前”の世界では料理などの家事はコックやハウスキーパーにような職業ではない女性にとって必須のものではなかったのだけど、この世界ではそうではないみたい。


 せめてバーベキュー用の野菜やお肉はちゃんと切れるようになったほうがいいのかな。


「あ、じゃあ私もちょっと手伝うね」


 私がそう言うとお母さんは少し6不安げに言いました。


「あなた包丁とかちゃんと使えるの?」


「お母さんだって最初から料理できたわけじゃないと思うし、練習は必要でしょ?」


「まあ、そうよね。

 じゃあ簡単なところで玉ねぎの厚めの輪切りを立ってもらえる?」


「うん、わかった」


 手を洗って玉ねぎをまな板の上において、頭の部分と根元を切り落とし、包丁と親指で皮を挟んで引っ張るようにして茶色い皮を剥がしたら、まな板に対して横に置き、端から一定の幅で輪切りにしていく。


「あら上手じゃない」


 お母さんが笑顔でそう言って褒めてくれた。


「えへへ、そうかな?」


 ”前”ではお母さんに褒められた事なんてなかったからこれは嬉しいな。


 その他にもピーマンやパプリカの種を取り除いて焼いて食べやすい大きさに切ったり、ナスや人参を切ったりしてみたけど大体上手にできたみたい。


 ”前”ではろくに料理とかしていなかったけど”第六天魔王”さんができるようにしてくれたのかな。


 この体は神様の化身(アバター)らしいしね。


「柔らかめの野菜を切ったりするのは大丈夫そうね。

 次の機会があったらかぼちゃやとうもろこしみたいに硬い野菜やお肉やお魚をも切ってみましょう」


「うん」


 次の期間が楽しみだけど今はあんまり遅くなってもお腹をすかせた男性陣がよだれを垂らして待つこととになりかねないので、今日は料理の練習はここで切り上げて切った野菜をホーローのお皿に乗せて庭に運んでいく。


「おまたせしました」


 お母さんがそう言っててーブルに食材を置く。


「ごめんなさい。

 私も野菜を切っていたら遅くなっちゃった」


 そういう私にお父さんは笑いながら言った。


「いやいや、ちゃんと料理をできるようになろうというのは大事だぞ。

 まあ、ここからは私が仕切るがな」


 そしてお兄ちゃんもいう。


「まあ、普段から料理するわけじゃないけどこういうときぐらいはね」


 というわけでお父さんがガスバーベキューグリル に火を入れるとまずは鉄串に刺さった食材を置いていく。


 そして良い塩梅に焼き上がったところで串の一本を私に手渡してくれた。


「よーし、うまい塩梅に焼けたし、じゃあみんなで食べるぞ」


 家族みんなで頷いて、バーベキューのタレを付けた串にかぶりつく。


「ん、おいしい」


 お父さん焼いた串は絶妙な焼き加減でとても美味しかった。


「本当、美味しいわね」


 お母さんがそう言うとお父さんは言った。


「そりゃ伊達に休みの日にまでゴルフやらバーベキューやらで接待はしていないからな。

 取引先のおえらいさんとかにまずいものを食わせられないだろう?」


 それを聞いたお兄ちゃんは苦笑していった。


「まあ、それはそうだよね。

 でも焼いたりするのが上手じゃない人もいそうだけど」


「ああ、だからこそ重宝されるってわけさ」


 その後は切った肉や野菜を普通に網の上で焼いて食べたけどこれも美味しかった。


 まあバーベキューとかは特別だとしても、やっぱりこの世界では女の子は料理が上手なのに越したことはないみたいだし、私も美味しいお料理を作れるようにならないといけないかな?

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