第46話 準備
城の庭に魔界へと続く魔方陣を描く。
魔素が豊富であるためにすぐに魔方陣が完成した。
ルリと共にその魔法陣へ進みこの場から消えた
がやがや
「らっしゃい! いいのはいってるよ!」
魔界の野菜を売っている店主の声が聞こえてくる。
転移に成功したらしい。
隣には、フードを被ったルリがいた。
「あれほしい」
ルリは屋台に置いてある果物を指さした。
シイラギク この世界の果物だ。
「好きだなぁ。ちょっと待ってろ」
「うん」
果物を売っている屋台へと向かう。
「いらっしゃい。珍しいね貴族様が直々に来るなんて」
貴族ぽい格好で来たために言われた。
さすがに魔王の時着ている物は着なかったが。
「ちょっとお忍びでね」
「なるほどねぇ、それで何が欲しいんだい?」
「ああ、シイラギクを五つほど貰おうか」
「毎度! このゲテモノ好きなんて変わってるねぇ」
「いや、俺じゃない.....」
「なるほど、隣のお嬢ちゃんか」
ルリがいつの間にか俺の左側にいた。
早く食べたいのだろう。
「これでいいか?」
魔界で流通している金貨を渡す。
「これは、多すぎだよ」
「いや、今後も買いそうでな」
「そ、そうかい? でも多すぎだよ」
「良いから貰っといてくれ、ゼノにはいつも世話になってるからな」
そのまま、店主に手を振って店を後にした。
その道中、シイラギクを片手で美味しそうに食べてるのを見て癒される。
「それ美味しいか? そんなに」
「うん。食べる?」
「じゃあ少し」
一口貰うと、ミカンのように粒が弾け中から甘い汁が出てくる。
甘すぎるんだよなぁ.....。
「おいし?」
「甘い.....」
「そお? 血より甘くないよ?」
「味覚がそもそも違うかぁ.....」
噴水の側にあるベンチで座ってしゃべっていたが、これが普通なのか疑問に思ってしまった。
「そういえば魔王様、また人間界へ戻ってしまったらしいよ」
「まじかぁ.....魔王様がいないんじゃこの国どおなるんだ?」
「ほんとねぇ、でも十二魔将様たちが何とかしているとはいえ」
あいつらが何とかしているて感じかぁ。
リーダーだったユリウスがいなくなったおかげで崩壊気味だけど。
「悩み事?」
「あーまぁ」
「戻りたいなら戻ればいいじゃん」
「いやいや、あっちの国どうすんの」
「そんなのゼノに任せる」
「おいおい、それでいいのかよ」
「うん! それでいいし、そもそもあの国の設計上王はいらないし」
「どういうことだ?」
「教えない」
いつのまにかルリが持っていたシイラギクは一つも残っていないかった。
食べるのはや
「ルリさまぁ~まおうさまぁ~どこですかぁ~」
王城からメイド達が一斉に降りてきた。
道の真ん中で堂々と叫んでいる。
まずいこっちに戻っているのがばれてる。
「なになに? お二人帰っていらっしゃったの?」
ざわつくがさらに増す中、噴水の下に隠れる。
「バレたな」
「ね」
「あ、てかあれのことか多分」
ルリがその場で慌てだし、被っていたフードが脱げてしまう。
ルリに気付いた民衆たちが騒ぎ出し、こっちにメイド達が集まってきた。
「あ~あ。しゃあねぇか」
マジックバックからいつもの服を取りだし、変装の魔道具を外す。
姿かたちはすべて元に戻り、ルリの手を取って大空へと羽ばたく。
民衆が俺達を見て騒ぐ中で、ルリが顔を真っ赤にして黙り込んでしまう。
「おーい。ルリ? 大丈夫か?」
「う、うん」
地上から俺達を呼ぶ声が聞こえてくる。
城から徐々に兵士たちが出始めていた。
「今日なんかあったか?」
「即位の周年祭」
「いつの話だよ.....」
「魔王が君臨してから今日でちょうど一億年」
「うわー不老不死てこわ」
「だね」
雲が開け、空から天使たちが降り立ち、部下たちと話している。
「とにかく城に戻るか」
「うん」
城へと戻る途中、エステナが声をかけてきた。
「お姉ちゃん~! 結婚おめでとう」
その一言で緊張の糸が切れたのか、気絶してしまう。
「ありゃりゃ」
気絶したルリをお姫様抱っこで城の寝室へと運んだ。
「それでいつ始めるの?」
「あ~ルリが目を覚ましたらかなぁ」
「そう。結婚かぁいいなぁ~」
「妹だけどなぁ」
「それがいいじゃん。同じ不老不死なんだし」
「まぁなぁ~」
少し照れくさくなる。
「そろそろ皆集まるから先行くね」
「ああ」




