第34話 暁
「デートていってもどこ行けばいいんだか......」
独り言のようにつぶやき、ルリの頭を撫でながら青い空をじっと見つめていた。だが、青い空が突然空に血をかけたような色に染まりあがった。
まるで、魔界の月のブラッドムーンように。
「おいおい。何だこの空!」
「陛下! 大変でござます!」
ユイスの元に全身フルプレートの鎧を身に纏った兵士が何かをユイスの耳もとで言っているのを見かけた。報告を全部聞き終えたのか俺達の方を睨む。
「先生。この空は、魔族が起こしたと報告がありまして」
「だろうな、強制的に魔界のブラッドムーンを魔法で召喚したんだろう」
「それはどういうもので......」
「訳すとな、魔族が人間界に進軍したてことだ」
その場にいた全員が顔を青ざめる。
千年もの同盟を壊されたのだ無理もない。
「悪いが、俺達はもうあいつらとは関係ないからな」
「どういうことでしょうか?」
「俺は魔王の座を降りたからな。今はただの不老不死の魔族だ」
「そんな大事なこと早くいってくださいよ!」
「詫びにあいつらのまえにでてやっから。じゃそういうことで」
「ま、待って......」
俺は右手で素早く魔方陣を描きルリと共に王宮から砂漠へと転移した。
ブラッドムーンのほうから魔族たちが俺達の前に向かってくる。
「あーだりぃ。ユリウスのやろう......」
魔族たちが空中で禍々しいオーラを放つ俺とルリをみつかたのか俺達の足元で止まった。
「魔王様だ!」
「魔王様と真祖様だ!」
足元にいた魔族たちが騒ぎだし、その隊のリーダーであろう魔族が俺達の元へと飛んできた。
「魔王様、真祖様。探しておりました」
「なるほどな」
「つきましては魔王城にご帰還を……」
俺は将軍の首元に魔剣を突きつけた。
ルリも何か感じたのか、血でできた剣を俺と同じようにした。
「な、なにを」
「洗脳か、面白いな」
「洗脳?」
「ああ、じゃあな」
俺はそのまま将軍の首を切り落とした。
飛行効果が切れたことで将軍の死体が魔族部隊の元へと落ちる。
「ゼノ、なんでお前が洗脳なんか……」
思いっきり魔剣を逃げっていた手に力を入れ空へと剣劇を放った。
俺達は、部隊の元へと向かいゼノに蘇生を施し、魔族たちに説明をした。
「デュルク、すまない」
「いいさ、お前が俺を魔王なんていうのは公式ぐらいだもんな」
「ああ、そうだったな」
地面に寝ころんだゼノと熱く語り合う。
まだ蘇生での反動があるらしく、すぐにゼノは気絶してしまった。
いつの間にか、ブラッドムーンは消えておりいつもの空が戻っていた。
「なぁルリ」
「ん?」
「ユリウスを殺す」
「は~い」
なぜかルリの表情は笑顔だった。
いつもよりも美しくかわいい。
やっぱり、血を彼女は求めているのだろう
「魔王様、俺達これからどうしたら……」
魔族たちが俺達を囲み、不安そうな表情を現す。
ユリウスに見捨てられたことで彼らも不安なのだろう。
「それならいい考えがある。とりあえずこれをつけろ」
俺はマジックバックから認識阻害の魔道具を大量に地面に出した。
それを一人ずつ丁寧に渡す。
身に着けたものは度々、人間の姿へと変わっていた。
「とりあえずお前ら、うちに来い」
「「「「「「「「え?」」」」」」」




