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第25話 寝起き

「苦しい……」


 目が覚め隣で寝ているルリが俺を抱きしめていた。

 だが、布団の上に母さんが仰向けで寝ていた。

 驚きのあまりベッドの柱に頭をぶつけてしまう。


「大丈夫?」


 ルリが布団の中で目をこすりながらこっちを眺めていた。

 俺はぶつけたあたりを左手で触りながら右手でルリの頭を撫でる。


「えへへ~」


 ルリが嬉しそうにしながら、俺を抱きしめるていた手を離すと、俺の顔に触れてじっとみつめる。


「初々しい。お似合いだよ二人とも」


 母さんが布団上からこっちをじっと見つめる。

 お互い恥ずかしくなり、顔が火照りだし黙り込む。

 母さんは、その様子を見てくすくすと笑うと、俺の頭に人差し指を押さえつけ笑顔を一瞬見せるとベッドから立ち上がり、部屋から出て行ってしまった。


「何しに来たんだ全く……」

「パーティー?」

「かもなぁ、だけどこの雨の中やるのか?」


 昨日とは一風変わっており、窓の外は風が吹き荒れ、雨が激しく降り落ちていた。天候は母さんでも操作できない。そのためだろうか、いつもより落ち込んでいたような気がする。


「どうするの?」

「どうしよ」


 部屋の中まで雨が降る音が聞こえ、風が窓に当たる音が聞こえてくる。

 まるで魔界にある暗黒風と呼ばれる巨大な竜巻が通る時と同じような気がしていた。多分こっちの世界の嵐なのだろう。


「起きて考えるか」

「そだね」


 布団から抜け出し、タンスのほうへと歩く。

 隣でルリも同じようにタンスにつき、着替えを取り出す。

 魔法ですぐに着替え部屋を出ようとするも、ルリに腕を引っ張られその場で立ち尽くす。ルリが着替えている音が聞こえる中、壁側をじっと見て黙り込む。


「行くの早い」

「行動に早いも遅いもないだろ」

「あるよ?」

「じゃあなんだよ」

「戦闘」


 ルリは自分の爪を長くさせ、俺の首元につく刺すかのように寸止めする。


「戦闘狂め」

「いいじゃん」

「まぁいい、とりあえず早く着替えろ!」

「え~手伝ってよ」

「なんでだよ!」

「良いからこっち観て」


 ルリが強引に俺の首を後ろに曲げ、背中を見せる。

 どうも背中の結び目の手が届かないらしい。


「しょうがねぇなぁ」


 曲がった首を元に戻し、背中の紐を素早く結び、終わったという合図で、ルリの肩をたたく。


「ありがと」


 ルリが正面を向きこっちをじっと見るめる。

 観たことがないドレスに思わず感動してしまい、涙腺が刺激されるも、何とかこらえる。


「どこで買ったんだそのドレス」

「これ? お兄ちゃんママからのお土産だよ」

「母さんが?」

「うん。この前の箱に入ってたから即取り出して洗ってたの」

「通りで箱の中に糸くずが入ってたわけだ」

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