第14話 デート④
「なんか体が重いなぁ……」
世界樹の麓にある洞窟から世界樹の中に存在するハイエルフの里。
そこの最奥である世界樹の泉と呼ばれる場所に俺達は到着する。
「当たり前よ。魔のものがここにい入るとデバフが山の様につくはずよ」
「通りで……毒とかないよな?」
「大丈夫。泉の水飲まない限りね」
「毒なのか……」
「人間には最高峰の回復薬だけどね」
エステナが度々反応して答えてくれる。
その間、ハイエルフのリーダー、ジバラが俺を睨みつけていた。
世界樹の雫。あらゆる病、傷、呪いをいやし、対象に世界樹の加護を付与する。回復薬。一滴で効果が得られるため、その価値は黄金の延べ棒が三本に値する。
「お兄ちゃん」
「ん?なんだルリ」
「あそこ」
ルリが指さした方向には、何もない。
だが、鑑定眼を行使し、隠ぺいを解く。
すると、エステナたちが向かっている方向とは逆の方向に、それは存在していた。
「神界へと繋ぐ転移門だ……」
「やっぱり。どうするの?」
「どうするといってもなぁ……」
エステナが走って俺らのほうに来る。
ジバラが転移門を見た途端その場で膝間づく。
何事だと思ったが、よこにいたエステナも膝間づいていた。
「エステナ。久しぶりですね」
「はい。お母様、いいえ創造神アイリス様」
俺たちの後ろから神々し光を放ち、天女と呼ばれる存在がその場に立っていた。ルリが彼女に気付いた途端、俺の元から離れ、彼女の背中に抱き着く。
「ママ~」
「久しぶりね。ルリ」
アイリスは、自分の身長の半分ほどで背中に抱き着くルリの頭を撫でる。
その顔は愛おしそうに優しくしていた。
「ママ、お兄ちゃんと結婚していい?」
「お兄ちゃん……ああ、貴方ですか」
俺のことを睨みつけるアイリスは、ルリの頭を撫でていた腕を止めた。
「ああ、久しぶりと言えばいいのか?」
「そうですね。久しぶりと言っておきましょう。ですが、娘はあげません」
アイリスは、ルリを奪い去るように俺から遠ざける。
だが、俺は転移魔法で素早くルリを奪い返す。
「おいおい、なんでおめぇがいるんだ?」
「ガイアス、貴方もですか……」」
転移門が禍々しいオーラを放ち、そこから魔神ガイアスが姿を現す。
俺とルリの親父だ。
「なんだよ。てデュルクお前、いつ娘と結婚するんだ? 早くしろ」
「うっせぇー浮気ばかりする親父より俺は真剣なんだぞ!」
再度転移門が光り輝き、禍々しいオーラと神々しいオーラを両方持つ存在が、俺の前に姿を現す。俺の母親の邪神マキリアだった。
「デュルク。おめでとう」
「母さん……まだ結婚はしてないぞ」
「あらあら、そうだったかしら? ルリちゃんを見てみなさい」
抱きしめていた、ルリが熱があるように顔全体が赤く染まり、湯気が立ち上る。
「姉さん……娘をからかわないでくれ!」
アイリスが、マキリアに言う。
だが、マキリアはガイアスの腕に抱き着き、アイリスを馬鹿にする。
「やーよ。アイリス、貴方が結婚を認め泣いていったのは知っているよ?」
「な、な……」
「ふふ、デュルク。早くこの奥にルリちゃん連れて行きなさい。私が相手してあげるから」
「ま、待てい!
「駄目よ? 息子たちの邪魔しちゃ。お姉ちゃんと遊びましょアイリス」
アイリスを止めたマキリア。
俺に向かってマキリアが言い放つと、俺とルリの足元に黒色の転移魔方陣が現れ、どこかに転移させられてしまった。
「ここは、なんだ?」
「遺跡?」
転移した先には、遺跡と思えるほどのピラミッド型の構造物が目の前に姿を現した。外見は金属でできた三角形であり、てっぺんには祭壇のようなものが見えた。




