第11話 デート①
「城下町そろそろ行かないのか?」
ずっと俺にくっつくルリに向かって言うと、くっつくのをやめて寝室に戻って行った。
「待ってて!」
寝室からルリの声が聞こえる中、俺はマジックバックに、城下町に関する書類を入れた。
今回のデートの目的は、一応住民たちの挨拶回りがメインである。まぁ挨拶回りのためお忍びで行くつもりだったのだが、堂々としてればいいと弟子たちに言われたので堂々と回ることにする。
「お待たせ」
何も変わってない。
何を準備していたのかよく分からない。
「準備て何してたんだよ……」
ルリが何も言わず書類を渡してきた。
そこには犯罪奴隷をルリの眷属にし、その彼らの居場所が描かれていた。
「いこ」
「ああ」
犯罪奴隷に関する書類をマジックバックにしまい、城を後にする。城門が閉まる音が聞こえる中、俺たちは城下町に向かっていた。
「しかし、無人だった場所がこんなに発展するなんてなぁ」
「ね、だから行こて言ったの。誰かさんは部屋に籠って出てこないし」
「ダ、ダレデショウネェ」
とりあえず大通りに出るが、誰として話しかけてこない。
皆その場で一礼するか、会釈するだけだ。
「とりあえず、挨拶回りするか」
「うん」
その事を聞いたのか皆その場から走り出した。
俺たちを囲んでいた住民たちが一斉に散った。
「これまずくない?」
ルリがそっと俺の左手を握るとそのまま手を引っ張り、走り出す。その様子を崇めるかのように住民達が見ていた。
俺たちは信仰対象かなんかかと思ったが、街の至る所に、俺たちの石像が飾ってあった。
「着いた」
ルリが足を止め、俺が勢いあまり転んでしまう。
手を繋いでいたことでルリが俺の上に倒れ込む。
「急に止まるのはやめてくれ」
「ごめん……」
ルリが立ち上がり、城下町の大通りにある服屋に入っていく。中は女性向けの洋服が多い。
ちょっと、場違い感を覚えながらルリにつられ店の中へと入る。
「あら、陛下。服の受け取りですか?」
店の奥からでてきた店員がルリに話しかけてきた。
ルリが何か指で合図すると店員は店の奥へに戻って行った。
「服買ったのか」
「3着ぐらい」
「部屋に相当あるだろ……」
「だめ」
「なんでだよ」
「むー」
ルリが拗ねたような顔で握っていた手に力を入れる。
痛いというレベルでは無いが、かなり力が入っていたのがわかる。
「ちょっと店の中見るから手放せ」
「うん」
だが、ルリは手を離さない。
俺が振り払おうとすると余計に力を強め、絶対に離さないようにしてきた。
「お待たせしました。こちらですね」
店員が戻ってくると、ルリにゴシック柄のドレスをて渡した。店の中にはそれらしきものは無い。
多分オーダーメイドだろう。
「ありがと」
「いえいえ〜仲良いですね」
「えへへ」
店の中出来になった服をじっと見つめていると店員が声をかけてきた。
「興味おありですか?」
「あーいや、ルリに似合うと思ってなぁ」
「いいじゃないですか! 陛下これ着てみてください!」
ルリが一瞬嫌な顔するが、俺の顔を見た途端態度が変わり、試着室の中に店員に渡された服を持って入っていった。あとは似合う帽子とかを試着室にいるルリにて渡し、数分後。
試着室からルリが出てきた。




