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第10話 寝起き

 日光が窓を通り抜け、ダブルベッドで寝ていた俺に差し掛かる。

 まぶしいという反射で、別の方向に寝返りする。

 だが、そこには寝間着姿のルリが俺の寝間着を片手でやさしく握っていた。


「いつの間にか寝ていたのか……」


 独り言のように小さな声で、俺はつぶやく。

 気持ちよさそうに眠っているルリの頭を撫で、ベッドから立ち上がる。

 寝間着から普段着に着替え、備え付け小さいテーブルに置かれている水入りのポットを右手に持ち、ガラスのコップに水を灌ぎ、一気飲みする。

 眠気が吹っ飛び、マジックバックから魔剣と呼ばれる剣を取り出し、寝ているルリの腹の上に置く。

 だが、ルリはぐっすり眠りについている。


「起きろ~!」

「う~ん」

「デート行くんだろ」

「デート……えへへ」


 これでも起きないため俺はルリに耳元でささやく。


「好きだぞ。ルリ」


 するとルリが俺の顔に右手を触れさせながら言った。


「大好き」


 こそばゆくなり、俺はルリにキスして部屋を後にする。

 廊下で獣人のメイドがあくびしてしながら歩いるのを見ながら、隣の部屋の書斎へと向かう。

 大体ここに集まる書類は、町に関するものや城の従業員たちの経費や給料のことが書かれたものばかりではなく、弟子たちの手紙がたまに混じっていることがある。だが今回は、いつもある書類が無く机の上には、ルリからの手紙が置かれたいた。

 豪華な装飾がされた手紙を開け、中に入っている手紙を取り出す。

 だがそこは何も書かれていなかった。

 手紙の端に「血の契約」と書かれた文字を見つけ、机の引き出しから、ナイフを取り出し、左腕を軽く皮膚を斬る。

 血があふれてくるため、それを手紙に落ちるようにすると徐々に文字が見えるようになってきた。


『お兄ちゃん? デュルクへ とりあえず血の契約のチェックする紙だから、これほかっていいよ? あとお兄ちゃんが知りたがってたことエステナに聞いてみたら、ママに聞いてくれるて。だから名前考えておいてねパーパ』


 俺は、無性に腹が立ってその手紙を破り捨てる。

 意識は完全にあったため肉体関係はないはずだ。

 だが、吸血鬼は子孫を残すためには人間を眷属に変えることしか種族を増やすことができない。魔族も同類であり、儀式によって生まれるものだ。だから、俺とルリの子供は不可能と言っていい。

 だが、なぜあそこまで積極的なのかがわからない。


「おはよ~」

「ああ、おはよ」


 ルリが白いドレスに着替えて寝室からの入り口から書斎に入ってきた。安定の俺の膝に座ると、机の引き出しから書類を取り出し、読み漁りだした。

 書類を見るに、世界樹の報告書だった。

 それには、この島は世界ができた時に生まれ、世界樹もその時生まれたらしい。その後世界樹の麓に、古代文明を持ったガーラ族と呼ばれる精霊たちが古代の町を建設し、世界樹を守ることにしたらしい。

 だが、魔界や天界の発展によって滅び、また新たな種族がそこに住み着く、それは人間の蛮族だった。彼らによって、世界樹をわがものにしようとしたものから守っていたが、ある日蛮族たちがいなくなり、それから二千年がたつ。古代アルニア王国が、この島を見つけ開拓し、月との連絡手段や、世界各地への転移装置、蘇生装置や、各鉱石の採掘場が作られるが、あるアルニア人の一人が、世界樹の枝を折ったことにより、世界樹の怒りに触れ、この世からアルニア人が消えたという。


「見てるだけで頭痛くなるな」

「そお?」


 ルリがきょとんとした顔でこっちを見つめる。

 白薔薇の髪飾りがキラキラと輝くのを見て、疑問に思った。


「なぁ、その髪飾り。どこで手にれたんだ?」

「お兄ちゃんからの誕生日プレゼントだよ。覚えてないの?」

「いつのだ?」

「えーとね。三千年前?」

「あ~、そういえばそん時お前の母親に会ったときか」


 納得してしまった。

 白薔薇の髪飾りを鑑定のスキルで見てみると、最高神の加護というえらいものが付与されているのがわかった。

 ちょうどルリの誕生日前に親父に呼び出され、神界にいきそこで、最高神のルリの母親に、誕生日プレゼントを相談したことを思い出す。


「パパに呼び出されたとき?」

「ああ、その髪飾り鑑定したら最高神の加護が付与されていてな。俺にはちょっと刺激が強いんだ」


 すると、ルリは白薔薇の髪飾りを髪から取ろうとした。

 俺はその手を止めた。


「別にとらなくていい。似合ってるからそのままつけててくれ」

「えへへ」

「てか、最初に渡した誕生日プレゼント覚えてるか?」


 ルリが俺のほうに振り向くと、そのままキスをする。

 そう、俺が最初に送ったのはファーストキスだ。

 お互いにファーストキスだったためかよくあの日を覚えている。


「初めてだったから覚えてる……」


 恥ずかしくなってきたのか、ルリはほほを赤くしていた。

 俺も、頬が熱い。

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