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第9話 お風呂

 一か月がたったことによって、住人が三倍ほどに増え、ほとんどすべてユイスが連れてきた奴隷達を解放し、住民になってもらった。

 前回と同様、殺人奴隷は城の地下に幽閉され、ルリに血を吸われ眷属が増えている、召喚がルリもできなかったため、補充で仕方ないのだ。

 そのおかげで部門組織ができ、町が徐々に発展していた。

 ルリが立てた城下町の家に住み、大通り側や小通りには商店街と呼べるべきものが徐々にできいた。

 人が入ったことによって、冒険者ギルドや商店、鍛冶場、パン屋などができているのがわかる。海岸には、漁主たちの漁船やこの島来れる魔導式船。


「よくまぁ、ここまで発展したなぁ」


 俺は城のテラスで、城下を見つめながらつぶやく。

 町の視察から戻ってきたルリが空を飛び俺の隣に来る。

 城には認識疎外の結界を張ってあるため、ルリが普通に羽をはやしてくるのがそれが理由だ。

 まだ俺達の正体は城の従業員以外知らない。


「ただいま」

「おかえり、どうだった」

「色々で来てて楽しかったよ?」

「そっか」

「今度デートしにいこ」

「おう」


 夜風が吹く中、俺たちは町の魔石ランプの光をじっと眺めていた。

 さすがに夜風が寒くなり、城の中に戻る。

 城の風呂へと向かう。


「さむ! もう冬かぁ」


 俺は全裸になって広い湯船につかる。

 お湯が冷えた体にしみわたり、じわじわと体温が上がっていく。

 その感じを心が安らぎ気を許してしまう。


「あー最高」


 独り言のように俺はつぶやく。


「ね」


 隣から部屋にいるはずのルリの声が聞こえ振り返る。

 そこには俺にべったりくっついたバスタオル姿のルリがそこにはいた。

 白い肌が色々と露出している。


「なんでここにいるんだ?」


 ———な、なんでルリがここにいるんだよ。てか鍵かけたよな。いやまてルリなら転移魔法使えてもおかしくない。なぜ平気な顔で俺の横にいるんだ....。

 ルリのバスタオル姿を見た俺は、急に顔が熱くなる。


「だめ?」

「だめ」

「むー夫婦でしょ?」

「うぐ……」


 確かにここにきて何もしていない。夜間の交流すらしていない。

 周りからヘタレと言われるが何もしないほうが幸せだと思っている。

 一番の問題は、子供だ。

 真祖と魔王の間に生まれた子供など、世界の均衡を壊し、神族に殺され運命しかみえない、ルリの母親に孫を殺す運命だ。

 さすがにそれは申し訳ないと思っている。

 だから何もしない。ヘタレと言われてもなにもしたくないのだ。


「気にしてるの?」

「当たり前だ」


 俺はルリから目をそらす。

 だが、ルリが正面から俺を抱きしめる。

 色々お互いに当たる中、俺はルリと目を合わせないようにした。


「目合わせて」


 俺はその命令を無視する。

 するとルリが強制的に、首を正面に向かせる。

 最初に目に入ったのは成長途中のような胸だった。

 胸に視線が行ってたせいか、強引に目を合わせられた。

 少し手に力が入っていて痛い。


 ———好きだけどなぁ。


「な、なんだ」

「私のこと好き?」


 俺はその回答はせず、自分からキスする。

 ほんのり甘い味が口の中に広がり、口を離すと、ルリが俺の首元に噛みつく。湯船に俺の血液がひりがる中、ルリは美味しそうに血を啜る。

 満足したのか、首元から口を離し俺をじっと見つめる。


「これでいいだろ」

「うん。うれしい」


 俺は、首元から垂れ流れる血が湯船に広がる中、ルリとおでこを合わせ黙り込む。今の関係が幸せなのを実感してる。だけどルリはもっと関係を広げたいのだろう。


「そろそろ出るか」

「うん」


 俺たちは同時に立ち上がり、そのままお互いに意識しながら城の脱衣所へと戻るのだった。

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