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関係の始まり①

ある日の放課後。


私はとある人物と待ち合わせしていた。


その相手は恋人じゃなく、ましてや友達ですらない。


だって、私はあいつのことよく知らないし、興味もない。


あいつだって同じだから。


お互いがお互いの目的の為に、利害が一致した関係。


そんなあいつとの待ち合わせなのだけど、まだ来ない。


まぁ、少し早めに着いてしまったのだからしょうがないか。


…。


……。


んー。なにもすることがないと時間が経つのが遅い。


スマホを見て時間潰そうかと思ったけど、充電もやばいし。


しょうがない。


あいつが来るまでの間、軽い自己紹介とどうしてこんな関係になったか思い出そう。



私の名前は春川陽奈〈はるかわ ひな〉高校1年生。


見た目はギャルっぽいと友達から言われている。


髪は金髪でロング。


身長は152cm。


スリーサイズは上から…ここは言わなくていいか。


好きなことは恋バナと携帯小説を読むこと。


嫌いなことは勉強。


以上。自己紹介お終い!


ここからはあいつとの関係が始まるきっかけになる話。


それはつい先日のこと。


私は昼休みに友達と大好きな恋バナで盛り上がっていた。


友達の名前は中谷冬美〈なかたに ふゆみ〉。


同じクラスで高校で出来た、私の大親友。


私とは違い黒髪でおっとりした性格の清楚系。


優しくて容姿もすごくかわいい子。


正直私にはもったいないくらいの自慢の親友である。


主に私が話す側で冬美が聞く側で。


「それでね!その時の出会いが運命的でね!」


「あはは。陽奈ちゃんその話前も聞いたよぉ。」


「えー!そうだっけー!でも何度も話したくなるくらいほんとに素敵な出会いだったんだ!」


「もぉ。陽奈ちゃんかわいいなぁ。」


そんな私が恋人との出会いの話を何度しても楽しそうに聞き、嬉しそうに話す私をかわいいと褒めてくれる冬美。


そんな昼休みを過ごしていた。


え?私に恋人がいるのかって?


まぁその話は後にしよ。


それから、チャイムが鳴り冬美が自分の席に戻っていき、私はスマホを取り出す携帯小説を読み始める。


そんな時だった。


隣からやけに視線を感じる。


なにかと思いそっちを見ると隣の席である地味子がこっちを見ていた。


地味子というのは本名ではなく、私が勝手にそうあだ名を付けただけである。


前髪は目元を隠し、メガネをかけていて。常に無表情。笑ったとこなんて見たことがない。


まぁ、興味がないので知らないだけかもしれないけど。


興味がなさすぎて、本名すら忘れている程だから。


とにかくそいつがこっちを見ていた。


「は?なに?」


私は地味子に対して、そう言うと地味子は「いえ。なんでもないです。」と視線を机に戻す。


意味がわからなかったけど、興味ないのでそれからはスマホで携帯小説を読み始める。


そして、時刻は放課後。


冬美が私の元へとやってくる。


「陽奈ちゃんおつかれぇ。」


「おっつー!」


だるい授業も終わると元気が戻ってくる。


まぁ、授業中も携帯小説読んでたのは内緒だけど。


「そういえば、陽奈ちゃんは今日は恋人と会うんだったよねぇ。」


「そうだよー!冬美は委員会だっけ?」


「そうなのぉ。って時間ギリギリだぁ。もう行かないとぉ。」


そう言い、委員会に向かう冬美を応援すると、陽奈ちゃんも楽しんできてねぇ。と。


そして、お互いの目的に向けて分かれる。


そう。


これから私は冬美が言うように、恋人に会いに行くのである。

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